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スペイン旅行記(7):バルセロナその2 [旅行]

バルセロナでガウディ以外に見たものといえば、まずはピカソ、ミロの両美術館とカタルーニャ美術館。

バルセロナのピカソ美術館(Museu Picasso)は、ピカソがキュビズムに移行する前の作品を中心に集めていて、まあ何と言うか、「天才も初めは普通に画家の勉強したのね」という感じでした(苦笑)学生時代の絵とか見せられてもねぇ~。流石に青の時代になってくると俄然力が入ってきますけど。どちらかというと、とっても分かりにくい場所に建っていたことと、本当に土砂降りの中庭を通って階段を上がって入場しなくてはいけなかったことが一番の思い出です(笑)あ、晩年の陶芸作品には面白いものがいっぱいありました。

ミロ美術館(Museu Fundacio Joan Miro)は、1929年の万博のために作られた豪華なパヴィリオンが林立するモンジュイックの丘(Montanya de Montjuic)の一角にあります。こちらはミロの初期から晩年までの作品の変遷を綺麗にまとめてあって、作品の量も適度で見やすかったです。特に円熟期の大作群は精神的なものが強く感じられて気に入りました。ミロは日本の禅思想や日本画の余白の残し方とかから影響を受けたという説明がありましたが、そう思ってみてみるとまた違う感じ方が出来ますね。

奥のドームがカタルーニャ美術館

そしてカタルーニャ美術館(Museu Nacional d'Art de Catalunya)ですが、最初は行く気がなかったものの、ロマネスク時代の教会壁画の数々をそのままの形で持ってきて展示している、ということを知り、さらにホステルのルームメイトにも勧められて行くことにしたものです。モンジュイックの丘の中腹に建つ美術館に行ってみたらば、まあ大きいこと。流石に万博のために作られた建物だけあって豪華です。ロマネスク壁画のコレクションはただただ圧倒されました。本当に壁とか天井ごと、がばっと持ってきているんですよ、これは凄い。他にも写真から家具から絵画から、幅広いコレクションが見られる上、係員の制服の黒シャツがやけにカッコイイ。ちょうどキルヒナー(Kirchner)も参加していた「ブリュッケ」という芸術家集団の特別展も見れて、大満足でした。疲れた~。

そして、バルセロナに存在する二つの歴史ある劇場、カタルーニャ音楽堂(Palau de la Musica Catalana)リセウ歌劇場(Gran Teatro del Liceu)それぞれの案内ツアーにも参加してきました。

カタルーニャ音楽堂は、旧市街の住宅地の真ん中に窮屈そうに建っていて、バルセロナの名物(?)「変な建物」の代表のような外見をしています。柱はカラフルな模様で覆われ、教会でもないのにバットレスが飛び出し、劇場内は何と壁の代わりに両サイドがステンドガラスばり。有名コーラス団のために作られた劇場なので、声の響きの良いガラスにしたのだそうです。天井はド派手、照明は傾いている、装飾もゴテゴテで、舞台の壁面には音楽を司る天使達が浮き彫りにされていました。更に、ファサードの片側にはクラシック音楽を象徴するベートーヴェンとワルキューレ達(マーラー自身ではない)が彫刻され、反対側には有名なカタルーニャ歌謡を作曲した作曲家と彼の作品の中に出てくる3人の乙女達がくっついていました。客席上部には馬がいるし、とにかく隙間が無いくらい装飾されていました。やかましいけど素敵~。この劇場、パイプオルガンもあるし、見学した日はジャズコンサートの準備中だったので、コーラス以外にも多目的に使用されているみたいです。

リセウ歌劇場の方は、もっと大きなオペラを上演する劇場。1994年に火事から復活、最新設備の整った劇場で優れた作品を積極的にDVDにしていることでも有名です。流石に座席などもとっても快適そう。焼け残った部分はモスグリーンと金の落ち着いた色使いが素敵な休憩ロビーが一番の目玉です。劇場に影響を与えた音楽家達の肖像画が壁にはめ込まれていましたが、誰がいたのか覚えていないのが困りものです…。舞台ではちょうどリハーサル中で、デュエットシーンを聞くことが出来ました。オペラの題名は…知らないオペラでした。でもロッシーニだったような?なかなか覚えられないのか、男性の歌手の方が何度も振り付けを確認していていたのがほほえましかったです。歌手も大変ですね。

どちらの劇場も、会場内の撮影が禁止されていたのがとても残念でした。特にリセウ歌劇場の方は、DVD(「ハムレット」)だとわざわざ会場の映像から始めるのに!(笑)こんなに劇場の色々な装飾を見せてくれるオペラのDVDは初めてでした。これだけ見せびらかしているんだから、ちょっとくらい良いじゃな~い、と思うんですけどね。

 


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itoko

派手派手しい様子が、とてもよく伝わりました。
が、撮影禁止で、残念!
これでもかこれでもかと盛り付ける・・・もとい、装飾するのは、隙間を埋めずにはいられないからでしょうかね?
余白の文化との違い、面白いッス。
by itoko (2005-06-27 09:43) 

Sardanapalus

>隙間を埋めずにはいられないから
かな~?いつもいつもこれでは疲れちゃうけど、たまにはゴテゴテの装飾も良いもんです。ステンドグラスなんて、ピンク主体のものだったので、客席に入ったとたんに「なんじゃこりゃ~?」といった衝撃を受けましたわ。シャンデリアも天井からガラスが今にも落ちてきそうなしずくのように垂れ下がっている形で、とっても斬新でした。
by Sardanapalus (2005-06-27 17:44) 

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