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オペラ名演出?迷演出? [オペラ(音源・映像・その他)]

いよいよ8月に突入ですね。ヨーロッパの夏の音楽祭シーズンの中でも注目度の高いザルツブルク音楽祭も始まっています!今年はキーンリーサイドが新演出の「魔笛(Die Zauberfloete)」でパパゲーノを演じるはずだったのですが、残念ながら怪我でキャンセルしてしまったので個人的にはあまり関心が無かったのですが…。それでもふと気になってその新演出の写真を見に行ってみてぶっとびました!っていうか、タミーノとパパゲーノは一体何歳の設定なんですか~!?(^_^;)これじゃあまるで小学生じゃないですか!

特にタミーノの衣装(普段着?)が全くミヒャエル・シャーデ(Michael Schade)に似合っていないと思いませんか?彼も40過ぎてこんな格好でタミーノ歌うことになるとは思っていなかったでしょう。パパゲーノもどういうセンスなんだ、この服!!(笑)シャーデとは逆に、キーンリーサイドの代役マルクス・ヴェーバ(Markus Werba)には妙に似合っているような気がしないでもないですが…。他の主要なキャラクターの衣装は、ザラストロはただのスーツ姿です。女性陣は夜の女王がシンプルな白いドレスパミーナはごく普通の女の子パパゲーナはよく分からない格好をしてますねぇ。上の写真に登場している3人の侍女は…え~っと、どこかの健康ランドにでも行って来たのでしょうか?

見てきた人の話によると、演出も全体的にタミーノの夢の中、というコンセプトのようで、小さな蛇が魔笛に変身(最後は蛇に戻る)したりとか、何だかピンと来ないものだったそうです。カーテンコールでは歌手への拍手の後は衣装と演出に対してものすごいブーイングの嵐だったとか。これなら、ここのコメント欄でeuridiceさんが提案してくださっているオオクニヌシ=タミーノ演出の方が何倍も楽しめそうです。まさかキーンリーサイドはこの演出や衣装を知っていてキャンセルしたわけではないと思いますが、何と言うかファンとしては出なくても良かったかな、と思ってしまいました。あの格好をしているキーンリーサイドはどうしても想像できないです(笑)折角の豪華歌手陣が勿体無い。この良く分からない衣装の演出の写真を全て見たい方は音楽祭のホームページへどうぞ。OperのセクションのDie Zauberfloeteをクリックすると19種類たっぷり見られます。

追記)好意的な批評がワシントンポスト紙に出ていましたので興味のある方はどうぞ。へえ、最後までザラストロ=悪のままで演出したのか~ルネ・パーペ(Rene Pape)だし確かに説得力あるでしょう。でも蛇(悪)→魔笛(善)→蛇(悪)と変化するのを見せるために「大蛇(ドラゴン)」がただの蛇にされちゃっているのはどうなのかしら。ただの蛇で気絶するか?あと、やっぱりタミーノとパパゲーノの年齢設定が若すぎだと思います。パパゲーナはパパゲーノ-10歳なんだから、これじゃ性犯罪者になっちゃうよ(苦笑)見ないうちから全ての読み替え演出に反対!とかいう訳では無いのですが、個人的に「魔笛」は精神性を感じさせてくれる演出が良いなぁ。

面白い演出にするには、何でもかんでも現代風に、またはファンタジーにすれば良い、という単純なことではないと思います(その点マクヴィカーは上手いですね)。日本でも二期会が漫画家が衣装デザイン、ウルトラマンの製作者が演出の「魔笛」を上演したそうですね。私はネット上でClassic News(リンク先ページの真ん中辺り3月1日、3日の記事)とjosquinさんという方の丁寧な感想を読んだだけですが、特に衣装は…コメントし辛い(^_^;)でも、パパゲーノとパパゲーナの二重唱でラジオ体操をやった、というのは結構見てみたいです。それ以外に魅力を感じそうな点が無いので、実際見る機会があっても行くかどうかは疑問ですが。


ここからは余談ですが。バイロイト音楽祭の「タンホイザー(Tannhaeuser)」ローマン・トレーケル(Roman Trekel)のヴォルフラムの写真がカッコイイ!とここのコメント欄で紹介したのですが、その後ふらふらとネットをさまよっていたら、若き日のディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)ヘルマン・プライ(Hermann Prey)@ヴォルフラムという写真たちを見つけました。うわー、衣装が凄い!暑そう!などと見比べていたら、またまた変なところに気がつきました。それは、とってもくだらないことですが、ヴォルフラムの髪型(笑)実は、キーンリーサイドもオールバックにして演じたんですよ、ヴォルフラム。今回のトレーケルのかつらも同じような髪型…(写真左上から時計回りにF=ディースカウ、プライ、トレーケル、キーンリーサイド)。これは、ワーグナーから指定でもされているのか!?それとも、こういうタイプ(スマート系?)のバリトンたちは自然と同じ髪型になってしまうのか!?等と一人で盛り上がってしまいました。あ~楽しかった♪(笑)だんだんばれてきたとおもいますが(既にばればれ?)、私はいつもこんな感じで不真面目にオペラを楽しんでいます。偶然って面白いですよね。


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keyaki

「1970年代に時代をおきかえ、パパゲーノはヒッピーになっている・・・・少し映画の《マトリックス》的とヴィックが言った」とキーンリサイドの代役君が語ったようです。(彼の叔父さんはウィーン・フィルのファゴット奏者なんですって、、、)
1970年代?ええええ、、そりゃないでしょ、
高校生の民野君の部屋は、初代のiMacがありましたから、1998年以降ですね。・・・と突っ込んでみる。笑)
それにスノボーらしきものもあったから、1970年代ってことはないですよね。なんといい加減な時代考証、恥かしい!
《マトリックス》は、私なんか、甥っ子に説明してもらってやっとなんとなくわかったような気がしたんですけど・・・どこがマトリックス的なんでしょうね。
by keyaki (2005-08-02 01:40) 

Sardanapalus

>彼の叔父さんはウィーン・フィルのファゴット奏者
おや、ヴェーバも音楽一家出身ですか。この代役で評判になればいいねぇ、と思っていたけどちょっと変な演出に当たってしまいましたかね。

>なんといい加減な時代考証、恥かしい
見れば見るほどいい加減もいいとこですね。確かに1970年代なら、壁紙と侍女の格好はまあ許容範囲ですけど、民野君は高校生にしてはダサすぎな格好だし、パパゲーノはヒッピーにしてもあの上着はどうだろう。第一、民野君のズボンはせいぜい1980年代後半から出てきた形だし、keyakiさんの言うとおりiMac見えるし、壁の映画ポスターは「キングダム・オブ・ヘブン(2005年公開)」だし、記事に載せた写真でもインラインローラースケートが見えるし(^_^;)そして「マトリックス」?…民野君一人だけ現代っ子で、彼が70年代を模した虚構の世界に入り込んで活躍する、という設定かしら。ん?それじゃあザラストロは「人間」をコントロールする電子頭脳側の代表で、夜の女王は「人間」の抵抗勢力?これじゃあ「人間」が希望を託した民野君もパミーナも洗脳されちゃってお先真っ暗なエンディングですね。ザラストロが悪のまま、という演出は一度は見てみたいですが(あのうんちくや儀式の数々が偽善ぽいと常々思っているので…)、その暗~いアイディアと衣装がミスマッチに感じます。それにマトリックスのようなネタは日本のアニメで見飽きましたので、私にはあまり魅力が感じられない演出ですね。
by Sardanapalus (2005-08-02 06:49) 

euridice

写真を見た瞬間、民野君とパパゲーノ君を取り違えました^^;
フルート?持ってるのが、Michael Schade の顔ってわかりつつ・・

>「人間」をコントロールする電子頭脳
「善きもの」になら、コントロールされたい!!
そういう状態こそ最大の幸福と思う「人間」も少なくないわけで・・;
そう考えれば「暗〜い」わけではなく、
「明る〜い」お話になるとも言えますね・・・
by euridice (2005-08-02 07:45) 

euridice

>髪型
ヴォルフラム役に限らず、オールバックにして、しかも、長髪だとひっつめる、短髪だと固めちゃうって傾向、あるんじゃないでしょうか。60年代?のバイロイト音楽祭CDのリブレットで見たベルハルト・ヴェヒター@ヴォルフラムも同様でした。

想像ですけど、髪が顔にかかるのが嫌なのかも・・
自然な髪型のほうが例外的なような気がします。

髪型で、気がついたこと。(映像です)
☆バイロイト音楽祭 ローエングリン(1982年)
ローエングリンの髪型、ふんわりめのオールバックでsが、
かちっと固めてる感じ。
私のブログに関連記事があります。
http://blog.so-net.ne.jp/euridiceneeds/2004-12-05-23

☆バイロイト音楽祭 ワルキューレ(1980年)
全員、特にジークムント&ジークリンデはごく自然な髪型。
おそらくかつらではないでしょう。とってもいい感じです。
でも・・
ジークリンデ、二幕の動きの激しい場面で、長い髪が顔にかかり、数本は口にも入りそう・・  さりげなくかきあげようとするんだけど、汗もかいてるんでしょう、なかなか大変そうでした。
by euridice (2005-08-02 08:15) 

Sardanapalus

>民野君とパパゲーノ君を取り違えました^^;
私も一瞬「ん?どっち?」と思いました(笑)見直してみて、笛とSchade(この苗字凄いですよね「不運」さんなんて…)の顔で「あ、こっちの膝ついてるのが民野君ね」と。ちなみに、壁の女の子のポスターが「パミーナの絵姿」だそうです。パパゲーノはどうやって彼女を確認したんでしょう?丸めて持ち歩いてたのかな~?(笑)

>髪が顔にかかるのが嫌なのかも・・自然な髪型のほうが例外的なような気がします
やっぱり汗もかくし動き回るから長い髪は固めておいた方が楽でしょうね。オールバックが一番手っ取り早いですから男性は自然とオールバックばかりになるのでしょう。

>ローエングリンの髪型
記事読ませていただきました。面白いですね!なぜ写真と映像で違って見える(実際違う?)のでしょうか。ビデオ収録の日は気合を入れて髪の毛をセットしたとか(笑)それにしても、ホフマンのローエングリンは本当にかっこいいですね。
by Sardanapalus (2005-08-02 09:29) 

ヴァラリン

あーあ…出かけていて録音し損ねちゃったわよ(笑)
パペさんのザラストロが聴きたかったんですけどねぇ…
へー、こういう演出だったのね。写真だけ見てると、色彩がキレイ…って、そういう問題じゃないか(^。^;

>>ヴォルフラムの髪型
バイロイトのヴォルフラムさんたちはオールバックが多いけど、確かヴァイクルは、メトでも、バイエルンでも、わしゃわしゃな髪型だったわよ(^^;

>>ローエングリンの髪型
はい、あの映像の髪型が「いやーんToT」と思っている一人ですぅ^^
スプレーで固めたみたいなんだもん(ToT)
by ヴァラリン (2005-08-02 10:11) 

Sardanapalus

>出かけていて録音し損ねちゃったわよ(笑)
私も忘れていました(^_^;)論文も書いていたので頭から追い出されてしまったんでしょうね~。気付いたら「あ、日付変わってる…聞き逃しちゃった~」でした。
ちょっと悔しいです。

>写真だけ見てると、色彩がキレイ
私も色の組み合わせは良いと思うのですが、何だかちぐはぐな印象を受けてしまいます。続々出た批評を読んでみると、色彩やデザインを重視しすぎで、個々のシーンがそれぞれ孤立してしまっている、というような意見が多いですね。う~ん、来年のフェスティバルの「魔笛」もこの演出なのかな?前のサーカスの方が人気ですよね。

>ヴァイクルは、メトでも、バイエルンでも、わしゃわしゃな髪型
そうでした、そうでした!最初に見たバイエルンの「タンホイザー」で「縦にも横にも大きいし、髪の巻き毛具合も熊さんみたいだわ~」と思ったんでした(笑)あ、ちなみにキーンリーサイドの写真は同じ演出の再演です(これが秋に日本に来ます)。っていうか、ヴァイクルとイメージ違いすぎ(笑)
by Sardanapalus (2005-08-02 18:35) 

euridice

私も日付を間違えてましたーー;

>>ヴァイクル
そうでした^^; この役、映像ではヴァイクルの専売特許みたいでしたね。
>バイエルンの「タンホイザー」
この時はずっこけました・・・ 私は、トトロだと思いました。
あの後、ダイエットしたのか、上野のガラコンサートの時は、まあ並の恰幅のいいおじさん、新国のファルスタフは役にしてはスリム、ドン・アルフォンソも適当にユーモラスって感じで、太り過ぎってことはなかったです。
by euridice (2005-08-02 19:56) 

fuffu-ru

「 この写真は、あるオペラの一場面です。オペラの題名を当ててください」なんてクイズが出来そうですね。壁紙と同じ柄の三人の侍女を見て、カーテンで子供の服を作ったサウンドオブミュージックを、思い出してしまいました。       ウルトラマン魔笛はテレビで見ました。こんなことばかりして遊んでるんだろうな、と思えるラジオ体操の場面のみのために、保存してあります。タミーノのフルートに集まる動物達は、なんとウルトラ怪獣達でした。見ながら、どうせならタミーノを実はウルトラマンにして、秘儀参入の後、「へんしーん」とやってくれれば、耐えてみた甲斐が少しはあろうってものじゃありませんか、と思わずつっこみをいれてしまいました。
by fuffu-ru (2005-08-02 20:26) 

Sardanapalus

>euridiceさん
>>バイエルンの「タンホイザー」
>私は、トトロだと思いました
トトロ!コートの色といい、丸さ加減といい、正にその通りですね!(笑)正直なところ、私のヴォルフラムのイメージにもっと近い人が騎士達の中にいるのに、「え、この人がヴォルフラム?」って思っちゃいましたもん…。これからあの映像のヴォルフラムは密かにトトロと呼ばせていただきます♪あ、最近はお痩せになったのですか。健康のためにもその方が良いですね。

fuffu-ruさん>
>ウルトラマン魔笛はテレビで見ました
おお、ビデオ収録したんだ。へ~。まあ、製作者が演出してるんだからウルトラマン関連の著作権も問題ない訳ですよね。

>タミーノを実はウルトラマンにして、秘儀参入の後、「へんしーん」とやってくれれば
確かにこれくらいやってくれれば「ウルトラマン」の話ね、と開き直って見られてそれなりに面白そうですね。(それは「魔笛」なのか?という疑問は置いておきましょう)
by Sardanapalus (2005-08-02 21:29) 

パソコンに初めから入っていた顔絵文字に、
(o|o)こんなのと(V)o¥o(V)こんなのが入ってました。
やっぱし、ウルトラマンとバルタン星人だと思います?これ?
関係ない話でゴメンナサイ^^;退散っ。
by (2005-08-04 22:07) 

Sardanapalus

>(o|o)こんなのと(V)o¥o(V)こんなの
かわいいですね~!これはウルトラマンとバルタン星人でしょう。いつか友達にでも使ってみようっと。

>関係ない話でゴメンナサイ^^;
いえいえ、ちゃんとウルトラマンで繋がってますから!
by Sardanapalus (2005-08-05 04:23) 

kalos@muenchen

ご訪問+コメント+トラックバックありがとうございます!

ザラストロ、とてもうまかったですよ。低音はよく響くし、高音もつややかにのびてました。私は、ミュンヘンでなんどかクルト・モルのザラストロを聴いているのですが、負けてなかったですね。スーツもよくお似合いでした(笑。
全体的にとてもレヴェルのたかい公演でしけど、演出が足を引っ張ってましたね(私のブログ記事、ほんのすこしだけ加筆しました)。台詞も、ちょっと変えてたようです。たとえば、パパゲーノがパパゲーナに「80歳ね」というところがなかったり・・・。
by kalos@muenchen (2005-08-05 20:52) 

Sardanapalus

kalos@muenchenさん>
ようこそいらっしゃいました!大好きな街ミュンヘンとオペラ話、いつも楽しく読ませていただいてます。パーペやっぱり良かったんですね♪ああ、放送を聞き逃したのが悔やまれます(>_<)どこかで録音を放送しないかな~。

>パパゲーノがパパゲーナに「80歳ね」というところがなかった
この年齢設定どうしてるんだろう?と思っていたら、台詞削っているんですか。なるほど、それならまだ違和感も少ないですね。でも、ここのやり取りは好きなので削ってほしくなかったなぁ~。
by Sardanapalus (2005-08-05 21:43) 

euridice

>「80歳ね」
なんか年齢のことばっかり言ってるみたいで、恐縮ですけど・・
ここのとこ「18歳ね」だと思ってました^^?
by euridice (2005-08-05 23:14) 

Sardanapalus

>>パパゲーノがパパゲーナに「80歳ね」
>ここのとこ「18歳ね」だと思ってました
パパゲーナ「18歳と2分よ☆」
パパゲーノ「じゅ、18歳!?(80じゃなくて?)」
というやり取りだと思うので、「パパゲーノ」の台詞は意訳すれば「80歳ね」であっていると思います。「パパゲーナ」の台詞なら「18歳ね」ですよね。
by Sardanapalus (2005-08-06 02:28) 

kalos@muenchen

リブレットがないので、なんともいえませんが、私はこう理解していました。

パパゲーノ:「で、お歳は?」
パパゲーナ:「歳かい。18歳 ( achtzehn ) と2分だよ」
パパゲーノ:「ああ、80歳 ( achtzig ) と2分ね」
聴衆:「おいおい! 」

つまり、18という語と80という語は似てるので、パパゲーノが聞きまちがえたことにして、笑いをとろうとする台本ではないかと。確認したことがないので、なんともいえませんけど・・・。
by kalos@muenchen (2005-08-06 05:45) 

euridice

Sardanapalusさん、kalos@muenchen さん、どうも・・^^!
台詞は、アドリブきかせたり、上演によってかえちゃったりもするのでしょうから、なんとも言えないでしょう。

私がよく聴くレコード(スタジオ録音)では、パパゲーナの答えも、パパゲーノが不思議がってか?(うれしがってか?)確認する問い返しも、両方とも「18歳と2分」と言ってます。この際なので、リブレットを見てみましたが、そうなってました。

>意訳
もし18歳!?と言っていれば、
80歳は意訳のやりすぎのような気がします。
こいつが18歳のはずないよって気持ちと同時に、
18歳だったらすごくうれしいって雰囲気が
私の聴いているレコードからは感じられるし、
zehn の部分をかなり強調してしゃべってるように思います。
by euridice (2005-08-06 07:25) 

Sardanapalus

おお、意外なところで面白い解釈の違いが!私は、
>zehn の部分をかなり強調
するので、「(見た目ばあさんなのに)80じゃなくて、18だって!?」とからかっているんだと思ってました。確かこの後パパゲーナが「恋人は10歳年上」と言うと、パパゲーノが「恋は灰になるまでってことかい」とか何とか(ここの台詞ははっきり覚えていません^^;)言いますよね。それもパパゲーノは彼女に80歳+10歳=90歳の恋人がいると思っているからかな?って。この段階ではこのおばあさんがパパゲーナだとは分かっていないわけですから、その後「恋人はあなたよ」とか言われて、「こんなばあさん勘弁しろよ」という図式になっているのかと(笑)ドイツ語や英語は日常会話でも「50人で予約したいんですけど」とか言うと、よく「5と0ですね?1と5ではないですね?」と聞かれますので…。
by Sardanapalus (2005-08-06 08:11) 

euridice

いろいろ感じ方の違いがあっておもしろいです^^!

パパゲーノにしてみれば、
たしかに18なんてうそだろう、
どう見ても80には見えるって気分もあるでしょう・・
それは私も同意見です。

10歳上に対しては、
18+10だと自分のことじゃないか?!という気持ちと
どうみても80の婆さんだから、80+10 だとすれば「恋は云々」だねという気持ちが複雑に交錯したんじゃないかしら。
(奥が深いですね〜〜魔笛の台詞も^^;)
結果「こんなばあさん勘弁しろよ」という気持ちも当然だけど、
すっきりというわけではなくて、混乱した気分かなって・・

で、私が言いたいのは、原文(原台詞)で、
80と言っていないかぎり、
日本語にするときは、18のままのほうがいいと、
私は考えますということです。
書いてないことを解釈して訳してしまうより、
例外もあるでしょうが、この場合、いろいろ推測したりして
楽しむのは読者に任せてほしいかな・・って思います。
(原文で、18歳? 80歳だろ?! とか言ってれば
別です)

ごちゃごちゃ書いてるうちに、自分でも「混乱」してきました。
何が言いたいのやら、わからないかも・・m(_ _)m
by euridice (2005-08-06 09:35) 

kalos@muenchen

なんかすみません・・・。
私、この場面で、パパゲーノが "achtzig? " といっていると聴いてうけてたのですが、ヒアリング力も心配になったのでしらべてみました。便利な世の中ですね。リブレットの載っているページがありました(http://www.recmusic.org/mindel/zauber2.html#scene4)。

Altes Weib: Wie alt?
Papageno: Ja!
Altes Weib: Achtzehn Jahr und zwei Minuten.
→Papageno: Achtzig Jahr?
→Altes Weib: Achtzehn Jahr und zwei Minuten.
Papageno: Achtzehn Jahr und zwei Minuten?
Altes Weib: Ja!
Papageno: Ha ha ha! - Ei, du junger Engel! Sag mal, hast du auch einen
Geliebten?

となっていました。
で、今回のザルツブルク音楽祭の公演(2日)では、→の台詞がカットされていた(あるいは、シャーデがいい忘れた? )ので、schade におもったのです。
by kalos@muenchen (2005-08-06 17:05) 

euridice

>なんかすみません・・・。
いいえ、そんなことないです^^!
こちらこそ・・です。

要するに、台詞は、上演や録音でいろいろあるってことですね。
→Papageno: Achtzig Jahr?
→Altes Weib: Achtzehn Jahr und zwei Minuten.
私がよく聴く録音にも、この部分はないです。

別のを観たり聴いたりするときには、注意してみます。
by euridice (2005-08-06 19:45) 

Sardanapalus

kalos@muenchenさん>
>リブレットの載っているページ
うわ~ほんと便利になりましたね。わざわざ確認していただいて、ありがとうございます。

>シャーデがいい忘れた? )ので、schade におもったのです
パパゲーノ役はヴェーバ(Werba)ですよ~。「残念」さんシャーデはタミーノ役ですよね(^_^)

euridiceさん>
>台詞は、上演や録音でいろいろあるってことですね
本当ですね。「魔笛」は人気演目で公演回数も多いから、それぞれの演出家によってカットしたりしなかったり、のバリエーションが出てくるのでしょう。そういえばコヴェント・ガーデンの演出の台詞は最低限にカットされていたっけ。本を書いたシカネーダーは当時のウィーンっ子に大人気の俳優兼演出家だったので、特に自分の台詞は客にウケる面白可笑しいものをたっぷりと書いていますから、全部入れるのはちょっとくどいかも…(^_^;)
by Sardanapalus (2005-08-06 23:22) 

euridice

さっそく、ミュンヘン1982年の映像をみてみましたので、
TBさせていただきましたm(_ _)m

kalos@muenchenさんのおっしゃる通りの台詞でした^^;
ずっと前に観たきりなので、すっかり忘れてました。

もうひとつチューリッヒの最近の。
「18歳と2分」という台詞はありましたけど・・・
これは、「80歳」とは言わず、
全然違う台詞をいっぱいしゃべってました。
by euridice (2005-08-07 22:06) 

Sardanapalus

>ミュンヘン1982年
>kalos@muenchenさんのおっしゃる通りの台詞
いつも聞き慣れている音源に無い部分は、すぐ忘れてしまいますよね~。ミュンヘンでは台詞は全部喋る方針なのかしら?

>チューリッヒの最近の
>全然違う台詞をいっぱいしゃべってました
へえ~。アドリブでしょうか?それともそういう演出?台詞を削るのは良く聞きますが、付け足すのは珍しいですね。でも、これは見てみたいです。タミーノ役がこの前のコヴェント・ガーデンのマントヴァ公(来年のドン・ジョバンニ@チューリッヒのドン・オッターヴィオ)で大注目のピョートル・ベッツァーラなので…。彼のタミーノどうでした?
by Sardanapalus (2005-08-08 00:28) 

kalos@muenchen

>Sardanapalus さん、
そうです。早とちりしてしましました(恥。まあ、それだけ、シャーデの名前が記憶にのこる公演だったとおもってください(笑。
>euridice さん、
いま手許にある、1959年のザルツブルク音楽祭実況録音(セル指揮、ウィーン・フィル)では、この台詞、カットされていませんでした。
駄洒落というか、この手のギャグが好きな私としては、削らないでほしいですね(笑。
>Sardanapalus さん、
ミュンヘンは、《魔笛》にかぎっては、Everding の「古き佳き」演出を踏襲してますので、たぶん、このオペラのスタンダードになるような公演をしているとおもいます。
by kalos@muenchen (2005-08-08 01:05) 

Sardanapalus

>シャーデの名前が記憶にのこる公演だった
シャーデは低音好きな私がいつかは聞きたいと思っている数少ないテノールの一人です。正にタミーノで聞ければ最高ですねぇ。

>このオペラのスタンダードになるような公演
最近見たのはコヴェント・ガーデンのものなので、次回は思い切り古典的な演出を見てみたいですね。ミュンヘンは街も好きですから、今度機会があったら見に行けるといいな~。
by Sardanapalus (2005-08-08 05:41) 

euridice

kalos@muenchenさん
>削らないでほしい
そうですね^^; あ、私方にも来てくださって、ありがとうございます。あちらにもコメントしましたけど、台詞の部分の扱い。スタジオ録音は最小限にする傾向が強いのだろうと思いますし、劇場では、ドイツ語圏の場合は、台詞いっぱい、それ以外では縮小方向かも・・なんて思ったりします。
by euridice (2005-08-08 07:33) 

euridice

Sardanapalus さん
>ピョートル・ベッツァーラ
今は盛りのタミーノなのかしら? テレビで観たパリのもこの人でした。くそまじめタミーノらしい雰囲気です^^; 特にチューリッヒのは。パパゲーノは、なんか凄く灰汁の強いおっさんで・・; それに、スイス・ドイツ語?しゃべってるみたい・・
by euridice (2005-08-08 07:43) 

ヴァラリン

「魔笛」の台詞について調べていたら面白いことがわかりました。私の記事にはまだ続きがありますが、とりあえず今日UPした分をTB&引用&リンクさせて頂きました。
>>ピョートル・ベッツァーラ
>今は盛りのタミーノなのかしら? 
かな?!私も夕べ、パリの映像を見ながら【ナンカチガウかも…】との思いは払拭できませんでした(^^;とはいえ、映像で満足できるタミーノは皆無に等しいので、こんなものかなーー;という気もします…
ベッツァーラさんは、個人的には、同じパリでの上演映像「エフゲニー・オネーギン」のレンスキーの方がよかったです…
by ヴァラリン (2005-08-11 05:47) 

Sardanapalus

euridiceさん>
>>ピョートル・ベッツァーラ
>くそまじめタミーノらしい雰囲気です^^;
あら、まじめ路線なんですか。「リゴレット」のマントヴァ公が結構いやらしくて様になっていたのでその路線で期待したのですけど…。(何せマクヴィカーの自信満々「俺様」タミーノ像が結構気に入っているので^_^;)ちなみに、彼はヨーロッパ中心に活躍中の若手成長株といったところで、この前の「リゴレット」のプログラムではタミーノの公演記録が目立ってました。ベッツァーラさんは本来はまじめ系の役作りをする方なのかしら?確かにテノールにしては陰のある雰囲気(↓にオフィシャルページを貼っておきます)ですが。(ドン・オッターヴィオ、ファウストとかの根暗系が似合いますね)
http://www.beczala.com/

ヴァラリンさん>
「魔笛」は色んな解釈が出来ますし、語りだすと止まらないですよね~。TBありがとうございます。台詞の件、なかなか面白いですね。「80歳?」はミュンヘンの専売特許だったりして!?

>ベッツァーラさんは、個人的には、同じパリでの上演映像「エフゲニー・オネーギン」のレンスキーの方がよかった
実はこの公演が、キーンリーサイドがキャンセルした「オネーギン」なんですよ~(T_T)折角映像にもなっているのに、とっても残念です。
by Sardanapalus (2005-08-12 03:43) 

ヴァラリン

しつこくてすみません(^^;
>>「80歳?」はミュンヘンの専売特許
…ではないと思います。リンデンでもトレーケルがこうしゃべっているのを聴きましたし、来日公演の映像でも確認できました。
(リンデンは、ミュンヘンとは全く違う舞台ですけど、同じA.エファーディングの演出です)
今日、バルトークラジオのアーカイブで、今年4月のメトの放送を聴きましたが、この中でも「80歳?」やってましたよ(^^;
パパゲーノはゲルネでした。彼をちゃんと聴いたのは、初めてでしたぁ…

>キーンリーサイドがキャンセルした「オネーギン」
えっ?彼ってオネーギンも歌うんですか?^^?
ベッツァーラさんのHP覗いてきました。予定はびっしり!ですねぇ。今が旬かな?!
by ヴァラリン (2005-08-12 09:53) 

Sardanapalus

>しつこくてすみません(^^;
>>「80歳?」はミュンヘンの専売特許
>…ではない
しつこくないです~。怠け者なので、親切なフォローに感謝感謝です!あ、メトはゲルネのパパゲーノだったんですか。どんな印象でした?これは私も聞いてみます。バルトーク様様だわ♪

>>キーンリーサイドがキャンセルした「オネーギン」
>えっ?彼ってオネーギンも歌うんですか?^^?
映像になっているパリの公演がロールデビューの「はず」でした。歌えるけど、その後オファーが無いようですねぇ。残念です。

>ベッツァーラさんのHP覗いてきました。予定はびっしり!
結構充実してますよね、彼のHP。何とネモリーノも勉強中らしいですが、さてさてどうなることやら!?ビデオでチューリヒの魔笛とかテレビ出演の映像が見れるんですけど、確かにタミーノは私が期待していた雰囲気ではありませんでした。ロドルフォのアリアとかイタリア語の方が歌いやすそうなのは気のせいかなぁ。
by Sardanapalus (2005-08-12 19:40) 

ヴァラリン

…ということで、改めて立ち戻ってきました(^^;TBもさせて頂きました。
せっかくなので、もうお聴きになったかも…ですが
>ゲルネのパパゲーノ
随分巧いパパゲーノねぇと思ったら、あ~ら、ビックリ(@。@;って感じでした。ちなみに、弁者でパペさんが出てましたよ。
by ヴァラリン (2005-08-19 05:13) 

Sardanapalus

こちらにもTBありがとうございます♪

>>ゲルネのパパゲーノ
>随分巧いパパゲーノねぇと思ったら、あ~ら、ビックリ(@。@;
聞きました!確かに、やり慣れた、安定したパパゲーノって感じでしたね(悪い意味ではないです)。タミーノのシャーデが素晴らしくて、彼のアリアだけ何度も聞いてしまいました。これはザルツブルクの不評演出でもいいからぜひ生で聞きたいですねぇ。あ、メトはパーペが弁者でしたか!気付かなかったので飛ばしてしまいました(笑)聞きなおそうっと。
by Sardanapalus (2005-08-19 07:50) 

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