SSブログ

PROMS2005:Prom67 ツェメリンスキー・ブラームス [音楽(クラシック)]

アリーナから見たギャラリー
さて、昨日の記事の通り、行ってきましたプロムス!勿論、交通機関の中で読むために論文関連のものをいっぱい持っていきましたし、整理券もらってから開演まではネットカフェでWord使ってました(笑)けど、何とかなるもんですね。結論は、とにかく行ってよかったですv

今回初めてアリーナ(1階席)に並んだのですが、こちらは流石にプロマー(Promer)が多い!来る人来る人お互いに挨拶してて、ラストナイトはどうするの、とか、昨日は見かけなかったけど、とか、もうレベルが違います(笑)ただ、今回のプログラムはあまり一般受けしないので、列自体はそんなに伸びませんでした。天気の良い(良すぎて暑かった…)日曜日なのにちょっと意外ですね。列で仲良くなったおじさんは「ブラームスは人気無いんだよね~」と哀しそうに呟いていました(^_^;)整理券が配られるまでの間、アマチュアだけど合唱団にいるというそのおじさんに「ソリストが代わったんですよね、知ってます?」って聞いたら「え、そうなの?全く知らなかった」不安になる答えが返ってきてしまった(^_^;)今日歌う合唱団にいる人が「代役で出るよ」って言ってるんだから間違いじゃないよね、などと思いながら音楽話で盛り上がっていたら、10メートルくらい前をリハーサルが終わったキーンリーサイドがすたすたと通過していくのを見ました(笑)ラッキー♪&一安心です。それよりも、会場ではこの代役について正式なコメントが一切なかったんですが、会場にいた人達、「ボー・スコウフスってサイモン・キーンリーサイドに似てるなぁ」って思わなかったかしら(笑)

プログラムはツェメリンスキー(Zemlinsky)の知られざる名曲(らしい)「人魚姫(Die Seejungfrau)」と、本命ブラームス(Brahms)「ドイツ・レクイエム(Ein Deutches Requiem)」でした。ジェームズ・コンロン(James Conlon)指揮、BBC交響楽団・合唱団(BBC Symphoney Orchestra & Chorus)フィルハーモニア合唱団(Philharmonia Chorus)による演奏で、レクイエムでのソリストはマリー・アーネット(Marie Arnet)(ソプラノ)とサイモン・キーンリーサイド(Simon Keenlyside)(バリトン)です。
     

まず「人魚姫」ですが、私はツェメリンスキーの曲を初体験でしたけど、とってもおとぎ話っぽいメロディが満載で、なんというか、ピンク色?(笑)のイメージが浮かびました。途中色々とイベントが起こっているようですが、今日はプレ・プロムトークに行かなかったので、どのモチーフが何を表しているのかとかは全く分かりませんでした。駄目じゃん!でも、多彩な楽器を駆使した曲で、演奏を見ているだけでも楽しかったです。

お目当ての「ドイツ・レクイエム」も、全体を通して聞くのはこれが初めてでした。実はCDで抜粋を聞いたときはいまいちピンと来なかったので気に入るかちょっと心配だったのですが、好みのど真ん中(大笑)やっぱり私はブラームス好きだ~~☆これはドイツのオーケストラでCDを探したいですね。とにかく、オーケストラと合唱とソロの絡みがカッコイイんですよ!生で聞いたからか、迫力もあったし、交響曲第1番のようにティンパニが大活躍、弦も低音をいっぱい使っていて素晴らしいです。合唱も圧倒的な力強さがあったし、変化に富んでいて全く飽きませんでした。特に今回はソプラノ・ソロとの曲は合唱団がずっと座って歌ったり、別の曲でバリトンが"Augenblick!"(直訳は「まばたき」ですが、ここではおそらく「瞬間」という意味)と歌うと同時に座っていた姿勢から一斉に立ち上がったりと、ちょっと面白い演出(?)もついていたから余計に、目の前の巨大な舞台、どこを見たらいいのやら!と迷いました。こういうコンサート、超好みです(^o^)

で、キーンリーサイドとアーネットのソリスト達ですが、実は「ドイツ・レクイエム」はソロパートは各4分くらい(バリトンはもう少し長いかな?)なので、最初に指揮者と一緒に出てきてから、かなり長い間ただ舞台上に座っていなくてはいけません。こういうのが苦手な歌手の代表格だと思われるキーンリーサイドは、座ったとたん合唱団員と同様に楽譜を開き、曲の間中ずーーーっと、まるで面白い本を読んでいるかのように譜面を追っていました(爆笑)その上歌う前から大汗かいていて、何度もハンカチで額をぬぐっていたなぁ…。短いソロを2回歌い終わったとたんに汗がすっかり引いていたので、思わず心の中で「いくら代役だからって始めて歌うわけじゃなし、はっきり言って、緊張しすぎ!」とつっこんでしまいましたよ。演奏後に拍手を受けているときも、ソリストから退場しなきゃいけないのにチェロのトップ奏者のおじさんと色々喋っていて、隣の合唱指揮者に「ちょっと」と引っ張られてたし、相変わらずのキーンリーサイドでした(笑)元気そうで良かった。

こんなに見ていて飽きないソリストは他にいないだろうと思いきや、今日のソプラノ、アーネットもなかなか面白い人でした(って、どこ見てんだ)。彼女はごく普通に閉じた譜面を持って座っていたのですが、曲が始まったとたん、まるでトランスしているかのようにメロディーに合わせて体を揺らし始めたんですね(笑)そして、彼女は曲の間中、自分が歌うとき以外はずーーーっとゆらゆら揺れてました(大笑)

片や汗を拭きながら脇目もふらず、穴が開きそうなくらい譜面を追い続けるバリトン、片やニコニコしながら揺れているソプラノの図…想像してみてください。これ以上無いくらい可笑しいですよ~(^_^;)レクイエムなのに、吹き出しちゃうところでした。

今回はアリーナの最前列ということで、歌手から2メートルくらいのところで聞いたのですが、ビックリするくらい大音量でした(巨大なホールに響かせる音量をこんなに近くで聞けば、そりゃうるさいですよねぇ)。キーンリーサイドのドイツ語の歌唱を生で聞くのは初めてでしたが、ドイツ語の発音も素晴らしいと言われるだけのことはありますね。私でも単語が聞き取れたくらいはっきりしていて、ちゃんと合唱曲用の歌い方をしていたと思います。いつも言ってますが、高音でも低音でも声質が変わらないので、メロディーを隅々まで堪能できるのも魅力なんですよね♪短いソロパートでしたけど、この忙しい中わざわざ行った甲斐はありました!アーネットの方は、やわらかい豊かな声量のソプラノで、結構しっかりと感情を込めた歌い方でした。まだ他の演奏を聴いたことが無いので、彼女の歌い方が王道なのか、出来は良かったのか、という点はよく分かりませんでした。それより驚いたのは、ロイヤル・アルバート・ホールは残響を抑えすぎていて、声が殆ど反響しないんですよ。合唱はそれでも多少は響くんですけど、ソリストになると声が消えていく感じでした。ちょっとした不思議体験といったところですね。でも、その残響のなさが合唱曲には適していると思います。音が濁らないし、合唱の歌詞も聞き取れますので。

そんなこんなで強行したロンドン行きですが、大満足で帰ってきたので、いい気分転換になったと考えて明日から論文最後の追い込みに入ることにします。もちろん、明日から聞けるオン・デマンド音源がBGMです♪


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 5

dognorah

ほんとにお忙しい中、満足されてよかったですね。BBC TV初登場も果たせたし(^^)
確かにあのホールは残響が少ないです。それを補うために天井に反響版を何枚もぶら下げたりしているのですが、どだい大きすぎる空間はどうしょうもないですね。教会のように全部石造りで吸音材がほとんど使われていない場合は大きくても十分反響するのですが(セントポールなどちょっと残響時間が長すぎるくらい)。
それにしても大曲の割りに独奏者の歌う時間は短か過ぎますね。これはマーラーの曲でもいえることで、せっかく大変な思いをして登場する独唱者にもっと歌わせる作曲をしてほしいと常々思っています。
by dognorah (2005-09-05 20:25) 

Sardanapalus

>大曲の割りに独奏者の歌う時間は短か過ぎ
ですね。でも、「ドイツ・レクイエム」はこれで良いのかな、と思わせる構成でした。ヴェルディのソロがたっぷりあるレクイエムとは雰囲気も全く違う、正に合唱曲です。ソリスト目当てではちょっと物足りないかもしれませんが、ブラームスは好きなので今回は大満足でした。でも、マーラーの交響曲のソロパートは本当に必要なのかなぁ~なんて時々思っちゃいますね((((^_^;)
by Sardanapalus (2005-09-06 01:59) 

fuffu-ru

 マーラーの交響曲で、歌手が居眠りしないかしら、よく眠くならないで座っていられるものですね、と思ったことがあります。出番が来たら、せりで上がって来る、なんて、刺激的でいいかも、と1人で想像して楽しんだりしちゃいました。
 日本でのテレビ放送はラストナイトのみなので残念ですが、キーンリーサイドを穴の開くほど見つめつつ、満足げな顔をして、拍手している姿を思い浮かべて、楽しませて頂きました。
by fuffu-ru (2005-09-06 20:15) 

Kalos@bei Kobe

《ドイツ・レクイエム》、なかなか CD で聴くことがないせいか、実演だと妙に感動しますよね。いろんな発見もあるし。私は、2001年の10月に、ヘラクレスザールで、マゼール/バイエルン放送交響楽団の演奏を聴いたとき、第1曲で、ヴァイオリンがまったく演奏しないことに、はじめて気づきました。
CD は、クーベリックがバイエルン放送交響楽団を指揮したものがあったはずです。いま手許にないので、なんともいえませんが、ライヴ録音で、しらずしらずのうちに引き込まれてしまう演奏だったようにおもいます。
by Kalos@bei Kobe (2005-09-07 03:02) 

Sardanapalus

fuffu-ruさん>
>出番が来たら、せりで上がって来る
ゲオルギューやドミンゴあたりの派手な感じの歌手なら似合いそうですね。

>キーンリーサイドを穴の開くほど見つめつつ、満足げな顔をして、拍手している姿
目の前でしたから嫌でも視界に入りますもん、じっくり見ちゃいます(笑)もちろん、間近で見れて嬉しかったですけどね。でも、声をこんな至近距離で聞けたことのほうがよっぽど嬉しいです。実際感動的だったので拍手は最大限にしてきましたよ。いい演奏でした。

Kalosさん>
>実演だと妙に感動しますよね。いろんな発見もあるし
>第1曲で、ヴァイオリンがまったく演奏しない
そうそう、本当にオーケストレーションが意外なんですよね、この曲!私もヴァイオリンがお休みしている時間が長いのにビックリでした。その代わり?チェロやヴィオラは結構忙しいし、管楽器と合唱だけのパートもあるし、これは本当に生で体験すれば、私のように初心者でもたちまちその虜になっちゃいます(笑)
by Sardanapalus (2005-09-07 03:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。