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オペラ「ドム・セバスティエン」(2) [オペラ(実演)]

論文提出期限もいよいよ明日ですが、昨日も行ってきました、コヴェント・ガーデン!(笑)今日も早めにいって、キーンリーサイドのファン友達(って言うのかな?)とバーで飲んでいたら、目の前に何とホセ・クーラ(Jose Cura)登場!(@_@)「西部の娘」のリハーサル中なんでしょうね。とってもリラックスしていて、綺麗な女の子とがっはっはと笑いながら話をして、10分くらいでまた裏側に戻っていきました。リハーサルが順調なのでしょうね。りょーさんがブログに写真を載せてくれていたから「あ!」って気付きましたけど、黒いTシャツにジーンズでワイルドな髭面だったので、一瞬「どっかで見た顔だけどな~知り合いだっけ?」と考えちゃいました(笑)


さて、今日聞き逃したらもう二度と生で聞けないんじゃないかという(笑)本公演の方ですが、第一印象は…皆さん、今日は気合の入り方が違いますよ?

録音の本録だったからか、プリンシパルは皆さん土曜日よりも熱い!コンサートなのによく動いてましたし、悪役たちの声の迫力が違います(笑)良い人たち側の甘い声との対比がはっきりして、話が追いやすくなってました。それに、土曜日は舞台上で座っている時にスコアを手元に置いて音を追っていたのはキーンリーサイドだけでしたが、今日はカモエーンスのコッラード=カルーソも、大審問官のマイルズもまねっこ(笑)いや、多分録音の本番なので間違えないように万全を期していたんでしょうけど、ちょっと面白かったです。

ええと、まず土曜日から格段に良くなっていたのはドム・セバスティエンフリアノティやっぱり土曜日は調子悪かったのね~、と安心しました(笑)こんなのじゃCDにできないぞ~と心配させてくれたアリアの高音も、最後の一つ以外(^_^;)はちゃんと出てたし、他の部分も断然歌いやすそうで、情感たっぷりに愛のデュエットなんか歌っちゃってくれれば、人気沸騰中というのも分かります。なぜか変な写りの写真しかないですが、舞台上ではもっと男前でしたよ。っていうか、この写真本当に本人かなぁ?というくらい印象が違うんですけど…。背もちゃんと標準以上あるし、声も柔らかくて表情豊かでいいです。機会がありましたらぜひ聞いてみてください。声量ではなく、表現力で勝負のタイプですね。

それから、カモエーンスコッラード=カルーソも、断然声も出ていましたし、土曜日よりはリラックスした感じで聞かせどころ満載の役をしっかり歌ってくれました。「おお、リスボンよ!」はいい曲ですね~。この日一番ブラボーが出ていたかな?土曜日はちょっと?でしたが、昨日はブルゾンの穴をしっかり埋めていたと思います。

アバヤルドスキーンリーサイドは、実は土曜日は舞台上でせきしたり鼻かんだりしていたので、風邪でもひいていたのかもしれませんが、昨日は一度鼻をかんだだけで、土曜日より歌いやすそうでした。アバヤルドスは、全ての曲に「フォルテ」の指定がしてあるんじゃないか(笑)と言うくらい常に怒っているような役なのですが、やけにメロディアスな曲ばかりなので、キーンリーサイドのハイバリトンが存分に聞けて大満足です(^o^)もし声で人が殺せるなら、今回の優男系のセバスティエンなんて秒殺だったでしょう(笑)アリアとか歌い終わってからもなにやら怒りが収まらない!といった感じでぶつぶつつぶやいていたし。それにしても、怒っている曲はスコアが破れんばかりに勢い良くめくりまくっていたけど、譜めくりの音がマイクに入っちゃわないかな?(笑)アバヤルドスの歌詞は「お前はこれから奴隷のように私に従うのだ!」とか、「俺はたとえ相手が死人でも嫉妬する!」とか、「このうそつきの不貞な妻め!」とか、「復讐だ!死ね!!」など、どれもこれもあんまりな内容なのですが、キーンリーサイドの豊かな高音でエネルギッシュに歌われると「良い歌だな~」等と思ってしまうのでいけません(^_^;)土曜日も楽しんで歌っている感じだったのですが、昨日はいつも以上にアクションも大きく、ノリノリでした。このまま日本でも素敵な歌を聞かせて欲しいですね。

ザイーダカサロヴァは、実は土曜日の方が良かったかな?と思いました。でも、相変わらず豊かなメゾでしっかり聞かせてくれましたし、感情のこもったアリアも素敵でした。唯一の女性プリンシパルですが、ソロのアリアもあるし、ドム・セバスティエンとアバヤルドスと2度づつデュエットがあるし、大活躍というか、本当の主役はザイーダですね、このオペラ。今回、カサロヴァで聞けて本当に良かったです♪いくつかの批評で「フランス語の発音が駄目」とか「骨太すぎる」とか言われてましたけど、まあフランス語はともかく、戦地に行って負傷したセバスティエンを自力で探し出すほど行動的なザイーダが、ほんわかした女の子だったら変だと思いますけどね。

私が2度行きたいと思った一番の理由、合唱曲は昨日も素晴らしかった!特に第3幕の終わりに男声5人のプリンシパルと合唱団の組み合わせの曲があるのですが、もうこれがかっこいいの何の!骨太で良いですよ~。ここだけ繰り返して聴きたいです。でも、ドニゼッティとしてはやっぱりお得意のスタイルの曲がかけるシーンには出来る限り軽いメロディーの曲を持ってきたかったらしくて、それまでグランドオペラっぽい重厚な響きの曲が鳴り響いていたのに、急にドニゼッティ節(って何だよ!でも説明できない^_^;)が出てきて客席から失笑を買っていたりしました。しかもそんな陽気なメロディラインに乗っている歌詞が「心は嫉妬の炎で燃・え・上・が・る♪」とか「彼女は私の苦悩を分かってくれて・い・る・ん・だ・な♪」とかですからね(笑)ま、2度も聞けばその辺りも魅力と思えるようになったと言うか、メロディ自体は良い曲なので歌詞は無視して(笑)聞きたいですね。って、CD出るまで1年半待たなきゃいけないんですけどね~。そんなの待ちきれるかー!(笑)

とにかく、こんなめったに見られないオペラをコンサート形式とはいえ全幕ノーカットで上演してくれて嬉しいです。ドニゼッティの新たな一面も発見できたし、dognorahさん、ロンドンの椿姫さん、カルメンさんにもお会いできたし、論文を中断して行った甲斐はありました☆さ、今日は書くぞ~。


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ロンドンの椿姫

二回目お疲れ様でした!
私は昨晩は聴くのに徹しようと上の横のupper slipsに座ったので、後ろから跳ね返る音はたしかによかったけど、歌手の顔はよく見えなかったのよね。特にフリアノティは見難い側だったし上から見下ろしてるので、カサロヴァとの身長差もわからなかったくらいで、顔もよく見えなかったわ~。双眼鏡で見た限りではこの写真の通りで、もしかしたらすでにちょっと髪が薄いかも、なんて思っちゃったけど(これは光線の具合でそう見えただけで、ちがうかもしれないので無視して下さい)。
カサロヴァは仰る通り声も見かけも骨太なので、ズボン役の方が似合うような気がします。コベントガーデンの「皇帝ティートの慈悲」の彼女は素敵だった。チューリッヒの「セヴィリアの理髪師」の映像もあって上手なんだけど、なんかちょっとイメージちがうな~、っと。骨太だからでしょうね、きっと。

ホセ・クーラは見逃して残念! 何度も至近距離で見てるし、好みの顔でもないから別にいいんですけどね。
サイモンは本当に怒ってばかりだったね。何人かいるバリトンの中ではやっぱりダントツで一番上手だったけど。
by ロンドンの椿姫 (2005-09-14 22:32) 

Sardanapalusさん>>
論文、頑張ってください!

>>どっかで見た顔だけどな~知り合いだっけ?
あっはっは、知り合いだったら紹介してよー(笑)楽しそうで何より。

>>男声5人のプリンシパルと合唱団の組み合わせの曲
へぇぇぇぇ!ドン・カルロみたいなグランドオペラでそんなのってかっこよさそう!聴いてみたいナァ。CD用に収録するとラジオ放送はしないのかしら??
>>「良い歌だな~」等と思ってしまうので
つい口ずさんだりして(笑)
カサロヴァも聴けたんですねぇいいナァ。お茶目なお顔なのにあの立派な声、カッコイイですよね。大好きです。
>>ドニゼッティ節
…なんだか最近ドニゼッティにハマってるので、いーなー、この公演、聴いてみたいです。

椿姫さん>>
こんにちは♪はじめまして。
>>何度も至近距離で見てるし
おぉー、なんともうらやましいお話です。それは場所柄ゆえですか~?大して好きじゃなくてもオペラ歌手を見かけちゃうと嬉しくなっちゃいますよね。(私がミーハーだからかな)いいなぁ~ロンドン!って、日本に居ると、思いますよぉ^^;
by (2005-09-14 23:38) 

Sardanapalus

早速コメントありがとうございます。昨日はカルメンさんにもお会いできて嬉しかったです。お2人とも素敵な着物姿でしたよ♪

>フリアノティ
大丈夫、髪はまだまだ元気な様子でした!(笑)

>カサロヴァは仰る通り声も見かけも骨太
あの低音の響き、歌い上げるデュエットで、やわらかいフリアノティの高音をかき消していたような気がするのは私だけですか(笑)まあ、最後に溺れ死ぬような王様は、フリアノティのようにのほほんとした感じでいてくれて構いませんけどね(笑)でも、歌手2人の声のバランスが良かったアバヤルドスとザイーダのデュエットの方が、やっぱり印象に残ってます。ああ、CDが待ち遠しい。

>ホセ・クーラは見逃して残念!
見かけたのは6時ごろでした。それくらいにリハーサルが始まるのかな?それとも終わるのかな?もしかして休憩?ま、至近距離で見られて、元気そうだったので日曜日が楽しみです。

>サイモンは本当に怒ってばかり
最初から最後までず~っと怒鳴ってばっかですもんね(笑)彼のカツゼツの良いフランス語で聞くとまた迫力が増すというか。第4幕の最後なんかはもう観客のほうが「まだそんなに怒ってるの?(^_^;)」って雰囲気でしたよね。ドニゼッティも役割分担させすぎでしょう。セバスティエンはどれもロマンティック、カモエーンスはとにかく何でも詩人だからメロディアス、アバヤルドスは怒りっぱなし、大審問官は低音で企んでばっかり(笑)あ、これはやっぱりザイーダが主役だから?とか言って(笑)
by Sardanapalus (2005-09-14 23:39) 

Sardanapalus

りょーさん>
励ましありがとうございます!論文も明日が提出期限なので、今日が最後の執念場です。もう、目の使いすぎで頭痛がしてきました(>_<)

>知り合いだったら紹介してよー(笑)
ほんと、ぼけててすいません(笑)とっても元気そうでしたので、ラジオ放送日も良い声を聞かせてくれると信じています!実物を見た感想は、「目が大きい」ですね!!(笑)

>>「良い歌だな~」等と思ってしまうので
>つい口ずさんだりして(笑)
フランス語が分からなくて良かった(笑)メロディが素敵だったし、キーンリーサイドの歌いっぷりも良くて楽しめました。でも、鼻歌で歌うにはちょっと勢いが良すぎて、しかも難しいので無理ですぅ。

>聴いてみたいナァ
所々、トマの「ハムレット」のレアルテのアリアとか、「ドン・カルロ」っぽい部分がありましたよ(素人意見ですが)。合唱は本当にかっこいいです!!でも、2007年まで待つしかなさそうですよ…。ありえない~。その頃にはメロディーなんて忘れちゃいますよねぇ(T_T)
by Sardanapalus (2005-09-14 23:53) 

dognorah

昨日は楽しかったですね。いきなり声をかけてビックさせちゃいましたが。遠くからチラッと見てSardanapalusさんだとわかりましたよ。TVの威力ですね。
とっても生き生きしたコメントで、ステージの雰囲気がそのままという感じがすばらしいです。アップも論文書きが迫っているとは思えないすばやさでした。
フィリアノーティは頬から顎にかけて髭を生やしているからこの写真とはイメージが違いますよね。実物の方がはるかにハンサムで私の好みです。カサローヴァと身長は同じくらいでしたね。
今まで何度かサイモンを聴いていますが、昨日のが私にとって最高の歌い方でした。迫力あったなぁ。
by dognorah (2005-09-15 00:56) 

ロンドンの椿姫

りょーさん、
クーラを至近距離で見たのは、道で見かけたとかではなくて、コンサートやオペラでです。バービカンの最前列はほんとに舞台のすぐ前で、手を伸ばせば靴が触れるくらいだし、彼がお辞儀なんかすると顔が目の前に来るの。コベントガーデンのオテロやトロバトーレ(ディーマと共演したとき)も舞台袖の席だったので、時々舞台の隅っこに来てくれると、かなりの近さ。私は普通の人は嫌がるような近くの席が好きなんですよね。映画もそう。でも最近は家計が苦しいので滅多にそういう近い席が買えないんです。グスン
by ロンドンの椿姫 (2005-09-15 01:10) 

Sardanapalus

dognorahさん>
>TVの威力
あはは。私も映像で確認して、こりゃバレバレだわ(^_^;)と思ったところです。

>アップも論文書きが迫っているとは思えないすばやさ
気になることは先にやっておかないといつまでも集中するべきことに集中できない性質なんです。だから今回も「ドム・セバスティエン」2回とも行っちゃったわけで(笑)あとは最終チェックを残すだけですので、何とかなりそうです。

>フリアノティ
>頬から顎にかけて髭を生やしている
そこが一番違いますね~。普通に男前だと思いましたので、ネットで画像を検索したら「誰これ?」ってなっちゃったわけですけど。また、彼の本調子のところを聴きたいですね。

>何度かサイモンを聴いていますが、昨日のが私にとって最高の歌い方
ああいうテンポの良い、声を張り上げる曲を歌うのが上手いんですよ。バリトンなのでそういう役が少ないのが残念ですが。その点ではドニゼッティに感謝しないと!?音符に乗り遅れることもないし、発音も綺麗だし、ああいうのを聞いちゃうとますますファンになってしまうというわけです(笑)
by Sardanapalus (2005-09-15 02:33) 

YUKI

クーラを至近距離で。。。(^o^)
凄い貴重経験されたのですねぇ。(^_^)
綺麗な女の子と楽しそうに笑って話をする光景。。。
クーラだったら凄く似合いそう!(^o^)
by YUKI (2005-09-15 10:24) 

ロンドンの椿姫さん、
>>コンサートやオペラでです
むしろその方が羨ましいです(笑)
>>私は普通の人は嫌がるような近くの席が好き
私もです~。でもそうそう、そういう席って手に入らないですね^^;お金もだけど、お金出してもこれがS席?!ってところだったりするし…ぶちぶち。

Sardanapalusさん、
>>実物を見た感想は、「目が大きい」ですね!!(笑)
大きいですよね(笑)恋人役のソプラノさんはそれ以上に目を大きく作らないとバランス悪いので、きっととても迷惑だろうと思います(笑)本来切れ長で涼しい目のサラザールさんなんて、どうなっちゃってんの?ってくらいまぶたの上のほうにつけ睫毛して頑張ってましたっけ・・・
by (2005-09-15 12:37) 

Sardanapalus

YUKIさん>
>凄い貴重経験
私はまた論文書きすぎで目がおかしくなったのかと思いましたよ(笑)ふと「西部の娘」ももうすぐ開幕だと気付いて、「本人だ~」と確認したわけです。歌っててくれたらもっと嬉しかったですけどね、なんちゃって。それは日曜日のお楽しみってことにしておきます。

りょーさん>
>恋人役のソプラノさんはそれ以上に目を大きく作らないとバランス悪いので、きっととても迷惑だろう
そうでしょうねえ。クーラは舞台栄えする顔でいいですね、眉毛もしっかりあるし、目も鼻も大きいし。存在感があるというか、スター性があると思います。
by Sardanapalus (2005-09-15 17:04) 

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