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11月5日は花火の日 [イギリスあれこれ]

日本なら花火といえば夏の風物詩ですが、イギリスで花火といえば、11月5日「ボンファイヤー・ナイト(Bonfire Night)」又の名を「ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes' Night)」です。何で日にちまで決まっているのかというと、それはイギリスの歴史に絡む由来があるからです。

昔々あるところに、ガイ・フォークス(Guy Fawkes)という人物がいました。1605年、彼は12人の仲間と議会ごと国王を吹き飛ばそうという無茶苦茶な計画を立てます。この国王暗殺計画に使われるはずだったのが、36個もの火薬の詰まった樽です。ところがお間抜けなことに、この計画は議会側に漏れていました。彼は11月5日の早朝、議会の地下でこの36個の樽と一緒に捕まってしまいます。当時大騒ぎになったこの国王暗殺計画は「ガンパウダー・プロット(The Gunpowder Plot)」と呼ばれています。結局他の仲間たちも次々と捕まり、ロンドン塔の獄中で病死した一人以外は公開絞首刑にされ、街中を引きずられた後に四つ裂きにされてしまったそうです(日本の江戸時代の「市中引き回しの上、磔、獄門」とは順番が逆なのが面白いところ)。実はこの反王政グループのリーダーはロバート・ケイツビー(Robart Catesby)という別の人物なのですが、最初に捕まった犯人として、フォークスの名前が残っているようです。同じ5日の夜に王政支持者達がこの暗殺失敗を祝って焚き火(Bonfire)をともしたのが始まりで、現在ではこういった過去のことを良く知らない人でも「花火の日」として街のいたるところで勝手に花火をする日になっているのです。

※この「ボンファイヤー・ナイト」についてより詳しく知りたい方は今回参考にしたサイト達へどうぞ。
The Gunpowder Plot: Parliament & Treason 1605(英語)
Guy Fawkes and Bonfire Night(英語)
Guy Fawkes「死刑執行人もまた死す」より(日本語)

今年は特に400周年とかで、色々なところで大々的なイベントが行われていたようですが、私は混むのが嫌だし寒いのでずっと家にいました(笑)実際今(5日23時)も近所で打ち上げ花火に興じている人たちがいます。今日はBBCで「ドン・カルロ」、ネットでウィーン国立歌劇場のガラコンサートを聞きましたが、花火の音がとっても邪魔でした!こちらの花火は日本のように可愛いものではなくて、かなり本格的な打ち上げ花火が主流で、遊んでいるのはもっぱら大人なのがタチが悪いんですよね~。そろそろ寝る時間だから、早めに切り上げて欲しいものです。


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ロンドンの椿姫

ほんとにうるさかったですよね~、この2週間くらい。
もっとも我が家の回りはインド人が多いので、ガイ・フォークスなんだかディワリというインドのフェスティバルなんだかわからないんですけどね。でも、ごく普通の(経済的に)地域のわりには花火は派手で、すごくたくさんお金使ってるんだろうなあ、っていつも感心します。我が家はお相伴に預かるだけ。外でドンドンバチバチやってたら、カーテン開けてつい眺めちゃいますよね。
個人的には、花火がはじまるとそろそろ娘の誕生日だなあと思うわけです。11月4日生まれですから。5日生まれの男の子でGuyって名前の人は多いらしいですけど、私は一人も知りません。

これが終わると一気にクリスマス気分で、嗚呼今年ももう終わりなんだと。
http://peraperaopera.ameblo.jp/
by ロンドンの椿姫 (2005-11-06 20:33) 

Sardanapalus

ロンドンの椿姫さん>
ここ2週間くらい、私の家の周りもうるさかったです。

>ガイ・フォークスなんだかディワリというインドのフェスティバルなんだか
ディワリ、全然知りませんでした。ロンドンの椿姫さんのブログを読んで、「へ~」って。インド系の友達に詳しいことを今度聞いてみようと思います。

>5日生まれの男の子でGuy
じゃあ、オーストラリア人だけど俳優のガイ・ピアースは5日生まれかな?(笑)私もGuyさんは知りませんねぇ。出会ったら「誕生日は?」って聞いてみることにします。
by Sardanapalus (2005-11-06 22:09) 

fuffu-ru

ガイ・フォークスを知ったのは子供の頃に読んだ「メアリー・ポピンズ」。犯罪者イベント?と少々疑問に思っていましたが、今では「平将門の乱」的に思っています。王政にたいする不満・自我の目覚めによる自立願望等、庶民には、共感する意識もあったのでしょうね。ポピンズさんを思い出したら、また読みたくなりました。
by fuffu-ru (2005-11-07 19:30) 

Sardanapalus

fuffu-ruさん>
そういえば「メアリー・ポピンズ」に出てきましたっけ。一応、建前では「クーデター失敗して良かったね、王様バンザイ」という意味があるようで、地方ではガイ・フォークス人形を燃やすお祭りも多いようですが、まあ将門に似たり寄ったりの位置づけなのかもしれませんね。
by Sardanapalus (2005-11-07 20:07) 

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