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「ドン・カルロ」と「ドン・カルロス」 [オペラ(音源・映像・その他)]

りょーさんが開催中の「ドン・カルロ」祭に勝手に便乗です。一昨日の記事のコメント欄で、フランス語版とイタリア語版どちらが好きかという話題が出ましたので、今回は私が気に入っているシーンを比べてみようと思います。音源はいつものようにリンク先でファイルをクリックしてください。それぞれ、フランス語版は'Don Carlos'、イタリア語版は'Don Carlo'のファイルです。出来る限り短くカットしましたが、音量が違う上にフランス語のほうは音が割れていて聞きづらいかと思います。ごめんなさい、違いが分かればいいかな~と手抜きしちゃいました(^_^;)後で聞きなおしてあまりに酷かったらアップしなおします。ちなみに、左の写真は内容とは全く関係ありません(笑)

11月13日リンク追記
フンメルさんの記事 「ヴェルディ『ドン・カルロ』と『ドン・カルロス』」

フランス語版(シャトレ座1996年)の方が好きなシーン

①カルロスとロドリーグが再会するシーン
フランス語の方が音符と歌詞が合っていると思います。イタリア語だと音符に無理やり歌詞を詰め込んだ感じがして、詰め込みすぎな部分と間延びしてる部分が気になる(笑)

②ロドリーグがフィリポに詰め寄るシーン
ここはメロディや構成がかなり違うのですが、フランス語版の方が断然好き。フランス語の方が2人の会話が白熱する様子も自然だし、音楽も綺麗に流れていると思います。

③フランドルからの勅旨の合唱
こういう柔らかいメロディラインはフランス語がいいですね。お涙ちょうだいの切なさも良く出ているので、ここも断然フランス語。これはフランス語バージョンだけアップしました。

イタリア語版(いわゆる4幕版)の方が好きなシーン

①カルロがエリザベッタと勘違いしてエボリに求愛するシーン
出だしの♪セイトゥ、セイトゥ(Sei tu, Sei tu)という響きが好きなんです(ただそれだけ^_^;)

②フィリポのアリア「一人寂しく眠ろう('Dormiro sol nel manto mio regal')
これはイタリア語の響きの方が王の孤独感がよく出ていると思います。フランス語だと流暢すぎるのかな。

③エボリのアリア「むごい運命よ(Dono fatal, dono crudel)」
これもイタリア語の激しさが欲しい部分です。フランス語はどうしてもまろやかな響きになっちゃって、感情を爆発させる表現にはあまり向いていないような。

さて、今回使った音源は1996年のパリ・シャトレ座公演、パッパーノ指揮の「ドン・カルロス」と先日のラジオ放送の2003年クリーヴランドでのコンサート上演、ウェルザー=メスト指揮の「ドン・カルロ」です。前者はフランス語ということもあるでしょうが、どちらも軽快なテンポで進んでいきます。個人的にはイタリア語版ならばもっとどっしりとした指揮が好みです。重たすぎるのも嫌ですが(笑)つまり、ウェルザー=メストの指揮はちょっと私の好みには軽すぎるのですが、繰り返し聞くうちに、何度も聞くならこれくらいが丁度良いということに気付きました。演奏も綺麗だし、コンサートだから場面転換の空白も無いし、「ながら聞き」には最適(笑)この音源、歌手も全体的に良いと思うのですが、BBCのラジオ放送で久しぶりに集中して聞いたら、フィリポのサミュエル・レイミー(Samuel Ramey)の出だしの声が思いっきり揺れていてずっこけそうになりました(^_^;)別に非難するとかそういうのじゃなくて、ただビックリしたっていうだけですけど、そこもアップしてみました。ここまで揺らせるのもちょっと凄いと思うんですけどね。皆さんも暇な時に驚いてみてください(笑)


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keyaki

わーー次々すごいですね。勉強になります。
ご存知かもしれませんが、フランス語版の研究には、アバド指揮のCDがあります。このオペラがどういう経緯で書かれたのかとか、かなり詳細な解説付なんです。
ヴェルディが書いたものほとんど網羅しているので、たとえば、同じ場面で2種類あるところは、最後に別に収録するという形をとっています。
こういうのに関心がある方には、とてもいいCDだと思いますよ。お持ちでなければぜひ、ぜひ。
私はもちろん持ってますが、白状するとまともに聴いてない。(笑)
これを機会に聴いてみようと思います。

解説にはアバド自身が、どの部分というように例をあげて、言葉とメロディーの不一致の場所を指摘しているのも書かれています。
イタリア語は言葉の順番の入れ替えはかなり自由度が高いがそれでも無理な箇所があるそうです。
とは言っても、アバドは実際の舞台はフランス語版では振っていませんけどね。

ロドリーゴが殺されたあと、カルロとフィリッポの二重唱を追加して演奏するようになったのも、どうやら、アバドが1978年スカラ座創立200年記念でドン・カルロを振ったときがはじめのようですね。
これがカットされたいきさつは、ロドリーゴを歌う歌手が、ずーっと死んだまま舞台にいるのがヤダとか文句を言ったのでカットしたという話もありますよね。

>サミュエル・レイミー(Samuel Ramey)の思いっきり揺れ
出だしだけではなく満遍なくじゃないですか。なんか気の毒で聴いてられません。加齢によるものだけとは思えないですね。
フランス語版のヴァン・ダムも同じ年ですからね。
彼の場合は、歌唱がどうのこうのでなく、今回はどのくらい揺れていたかがまず話題になるようです。
メトは思いっきり自国民に甘いですが、中には、船酔いして吐いた、なんとかしろ!なんて言ってる人もいるようです。
この時は、ジュニア誕生で、ご祝儀の拍手も多かったんでしょうね。

>フランス語のほうは音が割れていて聞きづらいかと思います
大丈夫ですよ、揺れてないし (笑)
by keyaki (2005-11-11 14:28) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>フランス語版の研究には、アバド指揮のCD
情報ありがとうございます!これ、多分CD売り場で見ました。そんな詳しい解説付きなんですか、それでは購入を考えてみます。オタクとしては外せないアイテムですね(笑)

>カットされたいきさつは、ロドリーゴを歌う歌手が、ずーっと死んだまま舞台にいるのがヤダとか文句を言った
わははは、すごい理由だ!確かにこれ入れると、ロドリーゴは死んでから20分くらいその場に放置ですもんね(笑)でも、耳元であのレクイエムのメロディを歌ってもらえるなんて幸せだと思うんだけどな~。

>>サミュエル・レイミー
>出だしだけではなく満遍なく
特に出だしの弱音が音外すんじゃないかというくらい凄く揺れているということでビックリしちゃいました(^_^;)一応後半はもっと心穏やかに聞いていられます。この公演の批評に、「メトの放送で聞いたときは声の揺れが気になったが、このホールではそんなことなかった」と書いている人がいますので、録音すると揺れが強調されてしまうのかもしれません。

>>フランス語
>大丈夫ですよ、揺れてないし (笑)
(笑)フィリポのヴァン・ダムは大好きな歌手の一人です。彼もレパートリーが広いですね。皆さん今回は音にはこだわらず、二つの違いを比較してくださいね。
by Sardanapalus (2005-11-11 21:13) 

euridice

並べて聞くと違いがよくわかりますね。何語なんて考えもせずに聞いてて、ジュテームなんて知ってるフレーズがいきなり聞こえて、ありゃ〜〜フランス語盤だったんだぁ〜なんて思ったことがあります・・;

>ここまで揺らせる
意図的なのかしら・・・

>死んでから20分くらいその場に放置
と言えば、トリスタンもそうですね^^;
by euridice (2005-11-11 22:50) 

Sardanapalus

比較、楽しんでいただけたようで何よりです。

>知ってるフレーズがいきなり聞こえて、ありゃ〜〜フランス語
あはは、私も何か変な響きだな~と思ってぼんやり聞いていたら英語バージョンだった、とかあります(笑)

>>死んでから20分くらいその場に放置
>と言えば、トリスタンもそう
あ、そうですね。でも、こちらも耳元でイゾルデが名曲を歌ってくれてる訳だから文句言っちゃ駄目駄目!(笑)
by Sardanapalus (2005-11-11 23:30) 

仏語伊語比較おもしろいですね!ありがとうございます♪
セイトゥセイトゥもいいんだけど、セイヴゥセイヴゥも捨てがたいんですよねぇ、それともそれがアラーニャだからなのか。。。
パッパーノ盤のDVDでは(CDは別の音源かなぁ?)3幕の大合唱、輪唱かと思うくらい派手にオケと合唱がずれますよね。「ああ、生だなぁ(笑)」って感じでけっこう気に入ってます(笑)
>>イタリア語版ならばもっとどっしりとした指揮が好み
指揮に限らず、ハイティング盤は歌手陣も重たいですぜ(笑)ガルチャコワにボロディナにホロストフスキーだもん。ひとりマージソンが可愛らしい声、スカンディウッティは優しい声だけどどえりゃー低いし、ロバート・ロイドにダルカンジェロですよ、わー重たい!オケがまた豪快で(笑)
keyakiさん>>
アバドのってそんな企画付きCDだったんですか。ドミンゴでした?ドミンゴ大好きな友達が買ったオイシイとこ取りのCDの中でライモンディがフランス語でフィリペ歌ってるのがあったと思うのですが。
>>凄く揺れているということでビックリしちゃいました
確かに、うぉぅうぉぅうぉぅうぉぅうぉぅっていいますね^^;
by (2005-11-11 23:41) 

Sardanapalus

りょーさん>
>セイトゥセイトゥもいいんだけど、セイヴゥセイヴゥも捨てがたい
>アラーニャだからなのか
これは、ドミンゴのものも買って比較しないと!(笑)

>パッパーノ盤のDVD
>オケと合唱がずれますよね
ね。最初はデータのバグかと思ったのですが、どうも実際にずれている(笑)パッパーノの指揮は何故かそれでも許せちゃいます。CDは、他の日の録音音源じゃないですかね?大体予備録音もするし。

>ハイティング盤
りょーさんのとこで試聴したときに、「重たい!」って思いましたけど、ちょっと重すぎかも(笑)注文が多いんですよね。とりあえず、フランス語ですが目下アバドの「ドン・カルロス」を買ってみようかと考え中です。一緒にイタリア語版を買えるほど余裕があれば良いのですが…。

>>凄く揺れているということでビックリ
>確かに、うぉぅうぉぅうぉぅうぉぅうぉぅ
りょーさん、擬音が可笑しすぎですぅ(笑)レイミー、CDで聞いたコッリーネ(1997年)はここまで揺れてなかったけど、何かあったんでしょうかね。
by Sardanapalus (2005-11-12 00:05) 

keyaki

パッパーノのフランス語版って今までのドン・カルロとは別物みたいですね。
アバドのフランス語版をちょっと聞いてみましたが、しっとり静かに感じました。
>②ロドリーグがフィリポに詰め寄るシーン
ハンプソンが詰め寄るシーンは、あれは彼の歌唱のせいで別の歌に聴こえるんではないの? 

>アバドのってそんな企画付きCDだったんですか。ドミンゴでした?
そう、どこでもドミさんです。企画付きというか学術的というのかな?4枚ですぜ。

日本ではハイライト版になっちゃったみたい。これはハイライトでは全く価値がないですよね。
CDも最近は売れないせいか、リブレットもついてないケースが多いし、なんだかなですね。
米アマゾンにはありますね。
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B000001G68/qid=1131723766/sr=1-8/ref=sr_1_8/104-1732043-4794354?v=glance&s=classical#product-details
by keyaki (2005-11-12 01:17) 

Sardanapalus

keyakiさん>
アバド版の詳しい紹介ありがとうございます。お値段もよろしいですねぇ。う~ん、苦しいなぁ。これ、ジャケットは(いつもの通り)ドミンゴのアップですよね?それなら近くのCD屋で見たやつだから、今度行って値段を見てみます。

>パッパーノのフランス語版って今までのドン・カルロとは別物
良くも悪くもパッパーノ節炸裂ですよね。好き嫌いは分かれると思いますけど、私は好きです。でも、あのままの指揮でイタリア語で歌われたら「?」です。

>ハンプソンが詰め寄るシーンは、あれは彼の歌唱のせいで別の歌に聴こえるんではないの?
いや~そんなことは無いと…思いますよ(笑)「フランドルに自由と平和を!」って歌う盛り上がりのメロディーは違うと思うのですが…。フィリポのメロディも違いますし~。試聴音源の直前の部分、フィリポに「何故帰ってきた」と聞かれた後のロドリーゴの答の「死刑執行人になるのは嫌だ」という部分のメロディも思いっきり違いますよ、ってそこをアップしろよ、って感じですね(^_^;)
by Sardanapalus (2005-11-12 01:44) 

keyaki

高いのに買ってがっかりでは申し訳ないので追記します。
はじめてじっくり解説を読みました。(もちろん日本語)

ええーとですね、
ヴェルディは自身で5回改訂を行ってます。
このCDは、最終的に改訂したものを、完全に再現、歌詞はオリジナル版に基づくフランス語を使ってます。所謂、1886年版、モデナ版またはイタリア語5幕版と呼ばれているものだそうです。で、4枚目のCDにパリ初演のために作曲されたもののうち、重要なナンバーを収録してます。
アバドの考えは、ヴェルディ自身が慎重な考慮の上で改訂した部分は、その最終的な形態こそが彼の意図を最も正しく伝えているのだということだそうです。
フランス語を採用したのは、当初から、フランス語のリブレットで作曲されたからだそうです。

パッパーノのDVDがどれを採用しているのかは知りませんが、1867年パリ初演(3幕にバレエを含む)版、1867年版と呼ばれるものなんでしょうね。

まあ、長ければいいということは絶対ないですからね、オリジナルは3時間47分、15分削って、やっとパリ初演にこぎつけたそうです。
by keyaki (2005-11-12 10:13) 

Sardanapalus

keyakiさん>
追記ありがとうございます!

>ヴェルディは自身で5回改訂
へえ~そんなに改定しているんですか。じゃあ、りょーさんが買ったCDの、5幕版なのにフィリポがロドリーゴの死を嘆くシーンが無いっていうのはそのうちのどれかのバージョンなんでしょうね。もしかしてこのアバド版と同じ「イタリア語5幕版」でしょうか。私がテアトロ・レアルで見たのは4幕版にこのシーンだけ突っ込んだ感じでしたけど。演出家のデ・アナが絶対入れたかったたようです。

>アバドの考え
>フランス語を採用したのは、当初から、フランス語のリブレットで作曲されたから
ふむふむ、アバドらしい選択ですね。頑張ってやりくりしてぜひ買いたいものです。

>パッパーノのDVD
これはパリ初演版のはずです。それが売りだったから(笑)バレエは踊らなかったですけど…。

>長ければいいということは絶対ない
実際パリ初演は長すぎて、しかもテノールに見せ場が無いので大失敗だったとか(^_^;)
by Sardanapalus (2005-11-12 20:20) 

>>じゃあ、りょーさんが買ったCDの、5幕版なのにフィリポがロドリーゴの死を嘆くシーンが無いっていうのは

そう、そう、1886年「モデナ版」です。
モデナ版が最後の校訂だったようですね?改訂に改訂を重ねて、結局フォンテンブローを復活させて、カルロのロマンスを一幕に戻した版、って感じのようです。なので他の構成は4幕版に近いんでしょうね。パッパーノ盤とあちこち違うようなきがします。

パッパーノのは、ギュンターとペタッツィオーニによるオリジナル改訂版、(だからどの版?(笑))だそうです。オリジナルにより近い、改訂前の姿なのでしょうね。でもバレエはありません。それより、王妃の庭のシーンで、最初にエボリとエリザベッタの会話があるのが興味深いです。

1872年のナポリ版を作ったときに、ロドリーゴとフィリポの二重唱、終幕のカルロとエリザベッタの二重唱に手が加えられたんだそうです。さらに、いわゆる4幕版は1884年のスカラ座版なのですね。

(どっちも正規盤で国内盤を買ったので、解説から受け売り)

アバドのは、このイタリア語モデナ版にフランス語歌詞をあてたものなのでしょうか?
by (2005-11-12 22:19) 

Sardanapalus

りょーさん>
詳しい情報ありがとうございます!なるほど~知れば知るほど面白いですね。テアトロ・レアルの情報満載のプログラム、繰り返された改訂のことについて語っているエッセイも入っているようなのでスペイン語が読めたら凄く役に立ちそうなんですけど、全く宝の持ち腐れです(^_^;)

>1886年「モデナ版」
>カルロのロマンスを一幕に戻した版、って感じのようです。なので他の構成は4幕版に近い
やっぱりヴェルディはあの1幕をどうしても入れたかったんですね(笑)あそこが無いとカルロの印象が薄いからかしら?

>パッパーノのは、ギュンターとペタッツィオーニによるオリジナル改訂版、(だからどの版?(笑))
わはは、正にだからどれ?ってやつですね。あれはヴェルディ本人の改訂したものではないんですか。バレエだけ抜いたものかな?今のところ初演に一番近い録音というのは確かでしょうね。

>王妃の庭のシーンで、最初にエボリとエリザベッタの会話があるのが興味深い
そうそう、ここで王妃が自分のベールをエボリに被ってもらう、ということになるんですよね。それでお間抜け(笑)カルロスはエボリをエリザベッタだと勘違いしちゃうわけで。私もここはなるほど!と思いました。
by Sardanapalus (2005-11-12 22:39) 

keyaki

では、私もCD解説から受け売り
>ギュンターとペタッツィオーニによるオリジナル改訂版、(だからどの版?(笑))だそうです。

ギュンターとペタッツィオーニは、ヴェルディがこのオペラのために作曲した音楽で発見されたもの全部を、年代と版ごとに分類して、リコルディから出版したんですって。1974年だそうです。
まさに(だからどの版?(笑))ですね。つまりその公演のオリジナルっちゅうことでしょう。解説書の書き方が適切ではないと思いますね。

私の解説書にはなんかフローシートまでついていて、私には宝の持ち腐れっぽいです。
研究熱心なSardanapalus とりょーさんならなるほど・・と役にたちそうですね。ご希望でしたらpdfでアップいたしますよ。(月曜日になりますけど)
でも同じ解説の可能性もありますね。

>アバドのは、このイタリア語モデナ版にフランス語歌詞をあてたものなのでしょうか?
そういうことです。それプラス、パリ初演のために作曲されたもののうち、重要なナンバーを別に収録してます。

CDとは関係ないですが、1978年スカラ座創立200年記念で上演されたのが、イタリア語版としては、モデナ版すなわちイタリア語5幕版に、すでに初演時に削除された、前奏曲と導入部、4幕にカルロとフィリッポの二重唱も加えて、全く新しいもので話題をよんだんだそうです。イタリア語派としては、なんで、これを録画してないんだろう? ということですね。
カルロとフィリッポの二重唱は、イタリア語でははじめてだったので、演出家のピエロ・ファジョーニがイタリア語訳を担当したんですと!
スペインのはどこからもってきたんでしょうね。このスカラ座版なのかしら??

なんか、私も急にドン・カルロ通になった気分。
by keyaki (2005-11-13 00:26) 

Sardanapalus

keyakiさんまたまたありがとうございます!しかしややこしいな~(^_^;)こんなにゴチャゴチャしてる作品だったとは…。うっかり底なし沼に足を踏み入れてしまったかも(笑)フローシート、いつでもいいのでアップしていただけると嬉しいです。こちらもネットでちょこちょこ探ってみます。

>スカラ座創立200年記念で上演
>カルロとフィリッポの二重唱は、イタリア語でははじめてだったので、演出家のピエロ・ファジョーニがイタリア語訳を担当
テアトロ・レアルのもファジョーニの翻訳でしょう、多分。あの部分をイタリア語で聞けるようにしてくれてありがとう、ファジョーニさん。もしくは誰かが翻訳したんだと思いますが、この公演はそのうちDVDになる(キャスト・指揮不明)ので、そこで確認してみます。
by Sardanapalus (2005-11-13 03:06) 

助六

録音で使用されている諸ヴァージョンについては、フンメルさんのサイトで話題になった時に、コメントさせて頂いたことがあります(http://hamburg.exblog.jp/1929664/)。話のタネになるかも知れませんので、一応コピーしておきます。

パリでも86年にオペラ座が、プレートル指揮で67年仏語5幕版ほぼ全曲を上演しましたが、3幕2場のバレエはカットでした。96年シャトレ劇場におけるパッパーノ指揮「仏語5幕版」上演に至っては、67年版と84年ミラノ伊語版の下敷きとなった83年仏語版の恣意的混合に、70年A.Porterが「発見」したと称するページ(この「発見」に関しては、校訂版責任者のU.ギュンターが抗議するというハタ目には滑稽な「初物争い」まで生じました)やその他の版まで加えた継ぎ接ぎヴァージョンでした。勿論バレエはカット。私の憶測では、シャトレ上演の真の主は恐らく演出家のボンディで、彼が諸版の台本を比較、取捨選択し、それに音楽を貼り付けたのではないかと思います。シャトレ上演のEMI録音ジャケットには「ギュンター校訂仏語オリジナル版」などと記載がありますけれど。同様の記載は、84年録音アバド指揮ディスクにもありますが、これも些か「インチキ」で実態は86年モデナ伊語版に仏語テクストを嵌め込んだものです。77年スカラ座伊語5幕上演では67年版を相当取り入れていたアバドにしては不可解ですが。結局67年版の全曲録音は、現在入手困難の73年Matheson指揮BBC上演のVOCE録音のみの様です。
by 助六 (2005-11-13 07:26) 

Sardanapalus

助六さん>
ありがとうございます~。助かります~。

>96年シャトレ劇場におけるパッパーノ指揮「仏語5幕版」上演
>継ぎ接ぎヴァージョン
どうやらそのようですね。新しく書いた記事にリンクさせていただいたページでも詳しくそのあたりのつぎはぎ具合が説明されていました。

リンクしてくださったフンメルさんの記事も早速読ませていただきました。今年はシラー生誕200年とかで、あちこちで「ドン・カルロ(ス)」が上演されましたよね。かく言う自分もマドリッドで見たのですが、その公演もまたつぎはぎのバージョンだったような気がします。基本はイタリア語4幕版ですが、いわゆる「ラクリモーザ」の部分が入ってました。個人的には一番嬉しいバージョンかもしれません(笑)まあ、そのあたりの取捨選択のセンスも演出家や劇場の性格として考えれば面白いんですけどね~。
by Sardanapalus (2005-11-13 11:11) 

このシュターツオパーのページの一番上、
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node2/home/spielplan/repertoire_datum_stop.php
↓直リンアドレスこれ
http://www.staatsoper.at/Content.Node2/videos/don_carlos.wmv
で、ウィーンの「ドン・カルロス」が一部、見られますよ。バレエ曲もちょっと聴けます。pizza屋のロドリーゴに目が点になってしまって曲どころじゃないですが(笑)この演出がどうのこうのって言うわけじゃなくてですけどね。
by (2005-11-13 13:00) 

Sardanapalus

りょーさん>
実はこのコンヴィチュニーの演出は次の記事で取り上げようと思っていたところでした!丁寧なリンクありがとうございます。

>pizza屋のロドリーゴ
これがこのブログに時々登場するボー・スコウフスですよ。って、キャスト表見れば一目瞭然ですが(笑)カルロが「Pizza!」て注文してますね(笑)ここが常に削除されてしまうバレエシーン(ここではエボリの幻覚という設定らしい?)でしょう。ここまでくると驚いてばかりで、音楽がどうなのか良く覚えていられないですねぇ。来年も再演するようなので行けたら行きたい演出なんですが。
by Sardanapalus (2005-11-13 19:36) 

そうそう、スコウフスにヴァルガスですねぇ。ピザ屋のジャンパーや太縁メガネがけっこう似合ってますね(笑)けどなぜに「はいはい」しながら2重唱なのかなぁ?^^?エリザベッタが誰だろ、一瞬プロキナに見えたけど、違うみたい。次の記事楽しみにしてます^-^
by (2005-11-13 19:56) 

Sardanapalus

>スコウフス
>ピザ屋のジャンパーや太縁メガネがけっこう似合ってますね(笑)
ですよね!実はこの眼鏡君ロドリーゴが一番見てみたかったりします(笑)

>なぜに「はいはい」しながら2重唱
これ、私も最初に見たとき何をしているのかと思いましたよ~。コンヴィチュニーさん説明して~(^_^;)

エリザベッタはイアノ・タマール(Iano Tamar)さんのようです。
by Sardanapalus (2005-11-13 20:56) 

euridice

りょーさん
おもしろいビデオ・クリップ、ありがとうございます。
映画の予告編のように派手な作りで、観たい!って思わせられますね。映画でもけっこうそういうことありますけど、
予告編が一番おもしろいなんてことになったりして^^;〜は、
ともかくとして、観てみたいです、ほんとに。
by euridice (2005-11-13 21:41) 

Orfeo

TBさせていただきました!
by Orfeo (2006-07-14 20:40) 

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