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2005年の「ドン・カルロ」:ウィーンとマドリッド

        
Q.この超陽気なオペラのタイトルは何でしょう?(笑)

左からカルロスエボリフィリポカルロスです。ということで、答は「ドン・カルロス」でした!…もちろん、冗談ではないですよ(写真はFAZ.NETより)。これが今年ウィーンで上演されたフランス語版の「ドン・カルロス」、演出は話題の奇才演出家、ペーター・コンヴィチュニー(Peter Konwitschny)です。この陰気なオペラのどこにこんな陽気な場面が入るのかというと、何と初演版と銘打って演奏された1996年シャトレ座でも削除された、第3幕のバレエシーンなのです。タイトルはずばり「エボリの夢(Ebolis Traum)」。どうやら、バレエシーンの音楽を使ってエボリの描く理想の生活を歌手達が演じているようです。より詳しいことは、こちらのビデオをどうぞ。直リンクが駄目な方は、ウィーン国立歌劇場「ドン・カルロス」のページ(写真の下のVideobeispielをクリック)で見れます。

エボリはカルロスとくっついて、国王夫婦と仲良く暮らすというのが夢なのかな?カルロスが「ピッツァ!」と電話で注文すると、何とロドリーゴが届けに来ます。そして、家族4人(フィリポ、エリザベッタ、カルロス、エボリ)で食卓を囲んでカンパ~イ!…エボリの頭の中ってどうなってるの?(^_^;)それにしてもロドリーゴ役のボー・スコウフス、青いピザ屋の制服がよく似合ってますね(笑)ここ以外、ロドリーゴはずっと黒ぶちビン底眼鏡君ですけど、こういうキャラ設定はドイツ語圏で流行っているんでしょうか?(バイエルンの「タンホイザー」でもヴォルフラムは眼鏡に長髪のもやし君だったし)

ウィーンでは同時期にイタリア語版の「ドン・カルロ」も上演されました。こちらはフランス語版とは打って変わって、歴史的で重厚な演出のレパートリーの演出を使ったものでした。こちらのビデオはこちらか、歌劇場のページからどうぞ。こうして、言語も幕構成も演出も違う「ドン・カルロ(ス)」を一時に見れるなんて面白い企画ですね!

それから、同時期にマドリッドのテアトロ・レアルでも「ドン・カルロ」の公演がありました。こちらの演出はフーゴ・デ・アナ(Hugo de Ana)です。私も見てきた公演ですが、こちらはイタリア語4幕版に、ロドリーゴが死んでからのフィリポとカルロの二重唱が入っていました。プログラムについていたリブレットで確認しましたので、私の記憶違いでは無さそうです。同じプログラムの中にあるデ・アナのインタビューによると、追加シーンはここだけのようです(何せスペイン語なので単語で推測するしかできないのですが^_^;)。これは既に何度か再演されている演出なのですが、ここは今回追加したのか、元々からこういう構成だったのかは分かりません。

全体としては流石はスペイン、実在するエスコリアル宮殿の部屋や祭壇、カール5世の巨大な像などを丁寧に再現したセットに、これまた肖像画から作った豪華な衣装が次々に登場するきらびやかな大歴史スペクタクルでした。地味な部分を集めた、ちょっと昔の舞台映像はこちらで見れます。歌手は…画質が良くないので私には誰が誰やら(^_^;)う~ん、でも髪は茶色いけどロドリーゴはディーマ??ということはカルロはYUKIさんの好きなルイス・リマ?…誰か助けてください(>_<)

で、このウィーンとマドリッドの「ドン・カルロ」(イタリア語版)を比較しているのがForumopera。(ここのサイト、「ファウスト」でもメトとコヴェント・ガーデンを比べていましたね。)フランス語ですが、ロボット翻訳で英語にして読みました。舞台美術はどちらも時代劇風だけどマドリッドの方が豪華で時代考証がしっかりしている、音楽的には、指揮者はマドリッドのジーザス・ロペス=コボス、オーケストラは当然ウィーン、コーラスはどちらも素晴らしい、歌手は、男声陣はマドリッド、女声陣はウィーンの方が良かったという評価です。ちなみに、この批評家はコンヴィチュニーの演出の「ドン・カルロス」批評してますが、どうやらお気に召さなかったようですね(笑)私は彼の解説を読んだら更に見たくなりましたけど~。ふーん、国王夫婦に出すディナーの鶏肉を焦がしちゃったからピザ屋を呼んだのかぁ、なるほどそれなら出前は助っ人ロドリーゴで納得だわ(笑)


とりあえず、勢いのままにダラダラと書きましたが、一段楽したので「ドン・カルロ」祭はこれで一度キリにしておきます。といいつつ追加記事を書きそうな気がしますけど(笑)盛り上がるきっかけをくださったりょーさん、こんなオタクな記事を読んでくださった皆さん、ありがとうございました~。

りょーさんの「ドン・カルロ」祭関連記事
Don Carlo
続行 ドン・カルロ祭 (笑)

「ドン・カルロ」祭過去記事
第1弾:オペラ「ドン・カルロス」
第2弾:「ドン・カルロ」と「ドン・カルロス」
第3弾:「ドン・カルロ」:史実と戯曲とオペラ


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コメント 2

keyaki

>?…誰か助けてください(>_<)
YUKIさんをさしおいてなんですが、とりあえず
間違いなく、
ドン・カルロ:リマ 
ロドリーゴ: ホロストフスキー
エリザベッタ:ファンティーニ

もうこれ以上資料は必要ないかとは思いますが、自分用にPDFにしましたので、参考になるところがあるかどうかわかりませんが、どうぞ。
アバド、フランス語5幕版のリブレットです。または、フランス語5幕インチキ版ともいわれているようですが。(笑)
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/mitodellopera2/lst?.dir=/%ca%a9%c8%c7DonCarloLibretto&.order=&.view=l&.src=bc&.done=http%3a//briefcase.yahoo.co.jp/
by keyaki (2005-11-14 19:58) 

Sardanapalus

keyakiさん>
いつもありがとうございます。

>ドン・カルロ:リマ 
>ロドリーゴ: ホロストフスキー
>エリザベッタ:ファンティーニ
ですよね、当たってて良かった(笑)

>アバド、フランス語5幕版のリブレット
きゃーー♪(←嬉しい悲鳴です)ありがとうございます!凄い凄い!じつはこのCD、やっぱりぱっと手が出る値段じゃなかったのでお金をためて、と思っていたのですが、リブレットだけでもこうして読めて嬉しいです~。補遺のロドリーゴの死を嘆くシーンの歌詞を読むだけで泣けてきます(笑)やっぱりこのオペラ、主役はロドリーゴとフェリペでしょう。
by Sardanapalus (2005-11-14 20:51) 

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