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パフォーマンス「ピノキオ」 [演劇]

さっそく今年の劇場はじめとして、コヴェント・ガーデンの地下にあるリンブリー劇場(The Limbury)で好評公演中の「ピノキオ(Pinocchio)」へ行ってきました。子供を対象にした作品と侮るなかれ、カラフルで工夫の凝らされた衣装やセット、馴染みやすいメロディーの歌、そして独創的な振り付け、どれをとっても素晴らしいクオリティでした。ついこの前は「マノン」に出て踊っていたバリバリ現役ダンサー兼振付家のウィリアム・タケット(William Tuckett)凄い人だ!背も高くてカッコイイし(笑)

あらすじ:一人寂しく暮らすきこりのジェペットが、ある日妖精の導きで森の大木から操り糸の無いマリオネットを見つける。彼の名前はピノキオ。早速学校に行かせるが、好奇心旺盛で自分勝手なピノキオはその途中で見かけた人形師の公演に大喜び、マリオネットたちと一緒に踊ってみせる。人形師ストロンボリは、糸無しで動くピノキオは金の卵!と早速大金を見せて自分のために働かないかと誘いをかけるが、ピノキオは「学校に行かなきゃ!」と難を逃れる。が、しつこいストロンボリと手下の狐と猫たちは学校に潜入、ピノキオを誘拐しようとあの手この手の悪巧み。ピノキオは逃げ回るうちに一人で見知らぬ場所に来てしまう。中々帰らないピノキオを探して大荒れの海にまでやって来たジェペットを見かけたピノキオは波に飲まれた彼を追いかけるが、大魚に飲み込まれてしまう。と、そこには同じように飲み込まれたジェペットがいた。料理をしようと焚き火を炊いたので煙たがった魚が吐き出した2人は浜にうち上げられる。自分のことではなく、ジェペットを思いやった行動に対するご褒美として妖精はピノキオを本物の人間の子供にして、しつこくいつまでも追いかけてくるストロンボリはピノキオによって彼自身の棍棒で返り討ちにされて、ハッピーエンド。

まあ、ストーリーは思いっきり子供向けですが、タケットさんよくここまでまとめたなぁ~と感心しました。コヴェント・ガーデンのページで見れるビデオでも「どのストーリーを入れてどれを外すか大変だった」と言ってますが、苦労は報われていると思いますよ。そうそう、連発される「学校行きたくないよ」という台詞とか、客席の半分を埋め尽くした子供達に大うけだったなぁ(笑)あまり大きな舞台ではないですが、セットの使い方も面白くて飽きませんでした特にストロンボリのマリオネットたちと布1枚の海と大魚のセットは凄く面白くて、次はどうなるのかワクワクして見てました。この「ピノキオ」は、バレエと歌と演劇を程よく混ぜた作品なのですが、それぞれの要素の使い方が上手かったです。

キャストは殆どバレエ・ダンサーらしいですが、特にジェペットのルーク・ヘイドン(Luke Heydon)とか、ダンスは勿論、台詞も上手すぎです。爺さんがあんなに切れよく飛んだり跳ねたりして良いのかい?とツッコミたくなってしまうほどのダンスにイタリア語なまりの爺さん台詞がメイクや衣装に見事にマッチ(笑)ダンスは絶対難しい振り付けですが、難なくこなしているのでちゃんと爺さんに見えるんですよ、これが。そしてとにかく変な動きで動きまくるピノキオのマシュー・ハート(Matthew Hart)は体中がばねみたいですね。本当にマリオネットのような動きで殆どの部分を踊りきって、最後に人間になってからも更に踊る。とにかく踊りまくる役でした。ヴァン・ヘルシング今回のキャストで一番の有名人は、ストロンボリ役のウィル・ケンプ(Will Kemp)映画「ヴァン・ヘルシング」←の狼男(写真右端)、GAPのCMでも踊ってました。カッコイイですが、今回はお間抜けな悪役なので変な付け髭に太鼓腹で、一瞬「誰?」(笑)しかも、この役はダンスよりも歌と台詞がいっぱいあって、タイミングがなかなか難しい役。ケンプは歌も平均以上、半分はイタリア語じゃないかと思うような変てこな台詞まわしも上手くて文句は無いですが、イギリスにはこういう役を専門にしてやっている人たちが山ほどいて彼らの笑いを取るテクニックはもう本当に凄いので、笑いを取る悪役としてはちょっと物足りない所もありました。っていうか、折角美形なんだから次回は王子役で踊りまくってるところが見たいなぁ(笑)妖精役のシャーロット・ブルーム(Charlotte Broom)はキックボードで登場して観客の失笑を買ってましたが、そんなことはすぐにどうでも良くなる素敵な可愛らしさが漂っていました。喋らない役(マイク音声)ですが、妖精としてのダンスで雄弁に語ってくれて素晴らしかったです。

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」 それにしても、こんな豪華キャストでこの作品が見れて、ロンドンの子供達は幸せですね~。いや、子供達だけじゃなくてこの公演には、マシュー・ボーンの「スワン・レイク」←の初代スワンとして有名なアダム・クーパー(Adam Cooper)も来てましたけど(笑)タケットの振り付けは初体験でしたが、これは他の作品も是非見たいです!今回はいつもブログで楽しくお話させていただいているShevaさんとご一緒させていただきました。バレエに詳しいShevaさんに色々と教えていただいて楽しさも倍増!Shevaさん、ありがとうございました~。


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dognorah

見られたのですね!タケットとクーパーは仲がいいのか、去年の夏にLinburyでやったタケット振り付けの「兵士の物語」にクーパーが主演していました。観劇記をTBしますね。
この公演は今度の日曜にTV(BBC4)でやるので、私はそれを見ます。
by dognorah (2006-01-05 06:15) 

Sardanapalus

>タケット振り付けの「兵士の物語」
ヤノフスキーも出てるやつですね。早速読ませていただきました。これは作品としての出来は今一なんですか。まあ、確かにストーリーを読んでもぴんと来ませんね。

>TV(BBC4)でやるので
ゆっくりくつろぎながら、お茶でも飲みながら見てくださ~い。
by Sardanapalus (2006-01-05 09:39) 

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