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映画「ダ・ヴィンチ・コード」 [映画]

世界同時公開の話題作「ダ・ヴィンチ・コード」を見に行ってきました。いや~、久しぶりにあんなに混んでる上映館に入りました(田舎なもので、普段はスキスキのシネコンです)。原作をかなり気に入っている身としては、どんな感じに映画化されるのか期待と不安の入り混じった状態だったわけですが、意外と良く出来ていたと思います。

あらすじ:ルーヴル美術館の館長ジャック・ソニエールが美術館内で無残な状態で死んでいるのが発見され、その場に残されたダイイング・メッセージからハーヴァード大学教授のロバート・ラングドンが筆頭容疑者として呼び出される。ソニエールの孫である暗号解読官ソフィー・ヌヴーは、荒々しくしつこい捜査で有名なファーシュ警部の捜査網からラングドンを救い出そうとするが、二人は自然と館長が殺された背景にある、歴史的、宗教的な大きな秘密に関する争いに巻き込まれていくこととなる。果たしてダ・ヴィンチの残した暗号の導く先にあるものは…?

ダ・ヴィンチ・コード(上) とにかく世界中で売れに売れたベストセラー小説の映画化ということでここ数ヶ月大騒ぎでしたね。個人的にはやっぱりトム・ハンクス(Tom Hanks)はラングドンではないし、オドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)はソフィーにしては甘すぎるし、サー・イアン・マッケラン(Sir Ian Mckellen)だと最大の助言者サー・リー・ティービングのあのいやらしさ(原作ではデブ)が抜けてしまうと思いましたが、思っていたよりは原作のイメージが崩れることはなかったと思います。特に、私みたいな歴史・キリスト教・西洋美術オタク(笑)でないと分かりづらかったと思われる、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」とジーザスとマグダラのマリアと聖杯についての関連性、それがどのように現代に通じているか、などといった点は映像の力で大分分かりやすくなっていました。それにしてもティービングは高そうな機材を持ってましたね~あんなの欲しい…。

映画で良かったのは、ぱぱっと町や状況が変わったことが分かるところです。ルーヴル美術館、ティービングの屋敷、パリ、ロンドンなどなど、個性的に撮れていると思いました。(ロンドンの全景では、あ、私あの辺に住んでた!!とか思いながら家を探しちゃいましたけど^^;)後、撮影を拒否したウェストミンスター寺院を上手く「それらしく」再現しましたね(笑)CGで過去とオーバーラップする手法もなかなか面白かったです。

後、ティービングとラングドンの、オタクトークの時の目の輝き(笑)分かります分かります。この事件が起こって聖杯へのキー・ストーンが見つかったことで、今まで時間とお金をかけて必死で研究してきたことの、最後のかけらが見つかった状態なんですよ。ジグソー・パズルで最後のピースが見つかったような感じなんです。「こうなるんじゃないか」と仮定していたことがその通りだと証明できたり、繋がらないと思われていた事柄が実は密接な関係を持っていたり。同類の研究家同士がその知恵を持ち合ってパズルを完成させていく瞬間の楽しさといったら♪歴史家って、こういうところがやめられないんですよね~。

物足りなかったのは、オプス・デイ(Opus Dai)側の描き方でした。あれじゃあ単なる金に目がくらんだカソリックの手先って感じになっちゃうよー!アリンガローサとシラスにもうちょっと時間を割いて欲しかった~。特に小説のシラスの最期は、ぜひ映像で見たいと思ったほど気に入っていたので残念です。マゾっぽい演技をさせたらピカイチのポール・ベタニー(Paul Bettany)で見てみたかったなぁ~。あのシーンがあってこそ、非道な行動に対する彼なりの理由と意義が分かるような気がするんですけどね。アリンガローサ共々、大組織によって使い捨てられそうになっているのを何とかしようと一線を越えた行動にでてしまう人間の哀しさのでている人たちなので、もっとしっかりと描くべきでしょう。

 とりあえず不満な点もありますが、こういう映画はブッシュやキリスト教過激派にでも見てもらって、「神」と「教会組織」は違う存ジーザス・クライスト・スーパースター在だということ、歴史では勝者が善になるということ、ジーザスに子供がいると判明するだけで崩れてしまうような信仰は偽物であることなどを自覚して欲しいですね。重要なのは物理的なことではなくて、精神面ですよ~。これくらい、「面白い解釈をするやつがいるもんだ」と考えてみるべきです。(モンティ・パイソンの「ライフ・オブ・ブライアン」とかミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」←なんかも同様な宗教的反発を受けてますね…私はどっちも大好きです^_^;)


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Aliceinthecities

「ダヴィンチ」もう観たのねー、さすがSardanapalusさん!わたしは原作もまだ読んでいません。というか、ここまでのベストセラーになってしまった今では、なんか意地張っちゃうのです・・・「タイタニック」騒ぎのときも「観てやんないよー!」って感じだったし。映画も物凄い宣伝作戦が繰り広げられていてちょっと退いちゃうねー(「ダヴィンチ・ユーロスター」とかね)。それにカンヌでのプレミアでは相当不評だったそうですよ。トム・ハンクスの演技があまりにもメロドラマっぽすぎるとか。それにしてもハンクスさんの髪型ってどうなんだろう・・・
by Aliceinthecities (2006-05-24 22:10) 

Sardanapalus

Aliceinthecitiesさん>
原作ファンだから見たよ~。カンヌで不評だという記事も読んだ(笑)正直言って、ハンクスには全く期待してなかったので(^_^;)確かに、どう見てもハンクスが無い知恵を搾り出している感じで、教授とは思えなかったわ。あの髪型といい、演技といい、どこがハリソン・フォード似の中年男なんでしょうねぇ。
by Sardanapalus (2006-05-24 23:57) 

Lina

歴史バカ&宗教オンチの私には前回同様、人の解説なしでは理解
不能だった...にもかかわらず意外と普通に楽しめました。
トム・ハンクスとオドレイ・トトゥ親子に見えたは私だけか?(笑)
イギリスのシーンとかでは私も「あ、ここ来た事ある!なつかしい~」
とか思ったり。やっぱ何時かまたイギリスに行きたいな~。
実は原作まだ読んでないんですよ、今度買ってみよ...。
ちなみに日本語版と英語版、どっちがオススメですか?
中国語のは余計難しく見えるから却下です(笑)
by Lina (2006-05-26 01:43) 

Sardanapalus

Lina>
>トム・ハンクスとオドレイ・トトゥ親子に見えた
ぷっ、そうね。ソフィーは原作だともう少し年上の設定なんだけど、トトゥはどうしても若く見えるね。

>原作
>日本語版と英語版
英語は専門的な単語がいっぱいでてくるから、日本語の方が漢字から意味がつかめるかも。翻訳も上手いし文庫本もでてるから、お勧めは日本語かな。
by Sardanapalus (2006-05-26 22:33) 

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