フレディ・ケンプのリサイタル [音楽(クラシック)]
今ロンドンのシティ地区でひっそりと行なわれているシティ・オブ・ロンドン・フェスティバルのイベントのひとつ、Postcard from St. Petersburgというテーマでおこなわれたフレディ・ケンプ(Freddy Kempf)のリサイタルへ行ってきました。
プログラムは難曲として有名なバラキレフ(Balakirev)「イスラメイ(Islamey)」、チャイコフスキー『季節』より「5月」「6月」、ムソルグスキー「展覧会の絵」と、かなり聞きごたえのありそうなものでした。天気が良すぎたため会場のセント・ボトルフ・アルゲイト教会はかなりの高温だったので、落ち着いてピアノを弾く/聞くというような環境ではなかったのですが、いつも通り黒いスーツで登場したケンプの演奏は素晴らしいものでした。プロの集中力って凄いですね。
上述の通り、2階の回廊も含めて400人が座れるくらいの教会だったので音響の心配をしなくてよかったからか、前回の大阪でのリサイタル以上に「ため」が長く、フォルティッシモは爆音な上にピアニッシモは聞こえるか聞こえないかギリギリで、暑かったことを忘れるくらい引き込まれました。ただ単にピアノが壊れるかと思う程弾きまくるだけじゃなく、落ち着いたメロディのパートは表現力豊かに語ってくれるので、こういうロシア系の曲はケンプにピッタリだと思います。
「イスラメイ」は、初めて聞いたのですがとにかく凄い曲ですね(^_^;)どうやって弾いてるのか訳がわからない所がいっぱいでした。チャイコフスキーの小品2曲は、どちらもチャイコフスキーらしい美しい曲で、楽しく聞けました。そしてメインの「展覧会の絵」ですが、期待以上にケンプ節が炸裂していて、あっという間に終わってしまったような気がします。前回アンコールで弾いて驚かせてくれた最終曲「キエフの大門」は、今回のほうが当然ながら感動的で完成度も高く、11月の来日公演での演奏もぜひ聞きたいと思いました。それまでにCDにしてくれないかなぁ。アンコールは、タイトルは分かりませんが暑さをやわらげてくれるようなメロディの可愛らしい曲で、会場からはスタンディングオベーションを貰っていました。
小さな会場でのとても内容の濃いリサイタルでしたが、BBC Radio3が録音していたので、近いうちにネット上でも聞けると思います。興味のある方はこちらを時々チェックしてみてください。
イスラメイはもう何年も前、ポゴちゃんがなんとアンコールで弾いたものがもう、空前絶後のもの凄さ(笑)で、もう一生あれを凌駕するものは聴けないだろうと思っています(笑)。ブロンフマンもなかなかのものを聴かせるのですが、さて、フレディ・ケンプ、BBCで聴いてみることにしましょう。
by Bowles (2006-07-14 12:13)
折角シティにケンプが弾いてくれたのに、行けなくて口惜しいです。
イスラメイだけでも聞きたかったですが。
数年前にキーシンがリサイタルで弾いてくれたのを聴きましたが、数あるキーシンのド迫力演奏の中でも忘れることができない曲です。ケンプを聴きにいったらあれとつい比べてしまいそうで複雑な気分でしょうが。
by ロンドンの椿姫 (2006-07-14 21:24)
Bowlesさん>
>イスラメイはもう何年も前、ポゴちゃんがなんとアンコールで弾いたもの
えーっ、それは凄そうですね。しかもアンコールとは!!私は今回が初めてでしたので、どこがどう違うとか分かりませんが、それなりに楽しんでいただけると思います。放送は月末でしょうかね。詳細がでたら書き加えておきます。
ロンドンの椿姫さん>
けっこうお値打ちのリサイタルでしたし、本当に残念ですね。
>イスラメイ
>数あるキーシンのド迫力演奏の中でも忘れることができない曲
何というか、とにかく凄い曲としか言えないですよね。よくあんなの作曲できたもんです。
by Sardanapalus (2006-07-16 23:52)