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ラン・ランのリサイタル [音楽(クラシック)]

今話題のピアニストラン・ラン(Lang Lang)名古屋でのリサイタルへ行ってきました。最初は「パンダみたい」と思っていた名前ですが、漢字で郎朗と書くと意外と普通に見えてきます…どうでもいいことですが(^^)

プログラム
モーツァルト「ピアノ・ソナタ 第10番」
ショパン「ピアノ・ソナタ 第3番」
シューマン「子供の情景」
ラフマニノフ「前奏曲 変ロ長調、ト短調」
リスト「ペトラルカのソネット 第104番」~「巡礼の年第2年」より
   「ハンガリー狂詩曲 第2番」(ホロヴィッツ編)

とにかくCDとテレビでの協奏曲の演奏しか聞いたことのないピアニストだったので、どんな音を出すのか期待して行きました。音色は結構固めというかキツイ感じで、ペダルの使い方やアクセントはかなり独特だったと思います。もっと大人しくまとめてくるかと思っていたら、結構攻める演奏をする人でした。これはハマってしまいそうです(^^)

メモリー プログラム前半は今年頭に出した「メモリー」というCDと同じプログラム。少年期からの経歴をたどる、というコンセプトの選曲だそうですが、いたって真面目に弾いていたと思います。この中では、モーツァルトシューマンも個性が出ていて面白い演奏でしたが、ショパンが一番気に入りました。元々「子供の情景」はあまり好きでは無いし、ラン・ランにはドラマチックなショパンの方がモーツァルトよりも合っていたと思います。

しかし、ラン・ランの本領が発揮されたのはプログラム後半でした。「子供の情景」が終わった後のお辞儀で「よし、これで義務は果たした」というような顔をしているな~と思ったのですが、正にここからやりたい放題体の揺れも約2倍に(笑)ラフマニノフは着席と同時に怒涛のように弾きだして、2曲とも一気に弾ききってしまうし、その後のリストも「ペトラルカのソネット」を楽しそうに弾き終わると汗を拭きつつ会場に軽くお辞儀をして、そのまま「ハンガリー狂詩曲」に突入。しかも超高速(笑)

この曲は運動会のBGMとしてよく使われますが、このラン・ランの演奏を使った日には、心臓が破裂するかコース上で倒れるかのどちらかでしょう!(^_^;)かなり個性的なテンポのとり方とアクセントがあって、ペダルも思いっきり踏みまくっていた上に音響や残響を考えない大音量なので好みは分かれる演奏だと思いますが、私はこれくらいやってくれたほうが好きです。何より、弾いているラン・ランが楽しそうなのがいいですね。これはファジル・サイ(Fazil Say)のモーツァルト「ピアノ・ソナタ 第11番 トルコ行進曲つき」を聞いて以来の衝撃(笑撃ともいう^^)でした。どんな感じの演奏か知りたい人は、音割れが激しいですがYoutubeへどうぞ。(私は持っていないのですが、上の「メモリー」についているおまけCDのライブ録音の方が当然綺麗に録れていると思います)

Lang Lang - Dragon Songs アンコールでは一転、最新アルバムの「ドラゴン・ソングス(左リンクは輸入版)」に収録されている「平湖秋月」と日本向けサービスの「朧月夜」のジャズ風アレンジでしっとりとさせてくれました。「ハンガリー狂詩曲」で笑いそうになるのを必死にこらえて疲れたところだったので、リラックスするのにぴったりの選曲で助かりました(笑)最後はお約束(?)「熊蜂の飛行」でパワフルなリサイタルは終了。前半の計算されたソナタと「子供の情景」、後半の自己主張の強い小品群、リラックスしたアンコールと、ラン・ランの様々な面が楽しめたリサイタルでした。

名古屋は初登場だったのですが、「暖かく迎えてもらえて嬉しい」と語っていました。客席もほぼ満員だったし、次回はこの値段ではもう聞けないでしょうね~。でも、また行きたいです。ユニバーサル・クラシックスの日本語サイトによるとまだ今回の日本ツアーは何箇所か残っているようですし、大阪ではサイン会&無料演奏もやるそうなので、皆さんもぜひ聞きに行ってみてください。


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コメント 4

ロンドンの椿姫

おお、私好みのピアニストですね、それは。
たしか、随分先の切符が買ってあるるような気がするので、楽しみです。
こういう若くて、世界のトップグループに入ってまだそんなにたってないピアニスとの演奏が一番熱気と勢いがあって素晴らしい場合が多いです。
by ロンドンの椿姫 (2006-10-19 19:39) 

natalie

はじめまして。
いつも話題満載で、楽しませていただいています。

ヴァイオリニストの話題を、お見かけしませんが、ヴァイオリンの演奏はお聴きにならないのでしょうか?
29日に名古屋の電気文化会館コンサートホールで、デイヴィッド・ギャレットの
コンサートがあります。
ご存知かもしれませんが、演奏は最高ですし、人柄も素晴らしいです。
Sardanapalusさんの感想を知りたくて、恥じをしのんでコメントしました。
びあのHP上で、彼のインタヴューと動画の配信があります。
オペラの曲もレコーディングしています。
お時間がありましたら、ちょっと覗いてみてくださいね。

ちなみに、私、キーンリーサイドの大FANです。
これからも、色々な情報楽しみにしています。
ラン・ランさんの話題でなくて、本当にごめんなさい。
by natalie (2006-10-24 18:41) 

Sardanapalus

ロンドンの椿姫さん>
返事遅れて申し訳ありません!

>一番熱気と勢いがあって素晴らしい場合が多い
本当にそうですね。私も若手の元気な演奏の方が好きです。ラン・ランはかなりお好みだと思いますよ(^^)
by Sardanapalus (2006-11-03 11:44) 

Sardanapalus

natalieさん>
はじめまして!折角コメントしていただいたのに反応が遅くてごめんなさい!コメント嬉しいです。ありがとうございました。

ギャレットのことは前から注目していて、とても行きたかったのですが今回は残念ながら日程が合わずに断念しました。ネット上で公開されている映像やインタビューはよく見てますよ!ヴァイオリンのコンサートも好きですが、田舎住まいではなかなか行く機会が無くて…(>_<)

これからも気軽なコメントお待ちしていますね♪
by Sardanapalus (2006-11-03 11:49) 

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