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映画「ドリームガールズ」 [映画]

ドリームガールズ オリジナルサウンドトラック 今年のアカデミー賞で助演女優賞を獲得した映画「ドリームガールズ(Dream Girls)」を見てきました。元になったのがブロードウェイミュージカルなので、スクリーン上でも実際の舞台のような演出があちこちに見られました。センスのいいカメラ割りと全体に漂う雰囲気は、やはりミュージカルから映画になった「シカゴ(CHICAGO)」と似ているように思います。

あらすじ:グループでスターになることを夢見る黒人の仲良し女3人組エフィーディーナ(ダイアナ・ロスをイメージ)、ローレルは、エフィーの弟C.C.の楽曲を歌って地元デトロイトでオーディションを受け続けているがなかなか成果が出ない。だが、そんな彼女たちの可能性を見抜いたカーディーラーのカーティス・テイラーJrのとりなしで地元スター歌手ジェームス・アーリー(ジェームス・ブラウンをイメージ)のバックコーラスを代役でやったことで彼のツアーにそのまま参加、デビューへのきっかけをつかむ。しかし、いよいよグループ「ザ・ドリームス」としてデビューするという段階になってカーティスはリード歌手をエフィーから美形のディーナへ変更し、さらに楽曲も今までのソウルに「白人の音楽」であるポップスを混ぜ合わせたもの(モータウン)へと変更。カーティスと恋人関係にあったエフィーは、彼がディーナに心変わりしたことやリードを歌えないフラストレーションなどから次第に孤立するようになり、ついにはグループから強制的に脱退させられてしまう。ヒットするために邪魔者だったエフィーが抜けて順風満帆のはずのザ・ドリームスだが、カーティスのヒット曲を生み出すためには手段を選ばないマネジメントとメンバー、作曲家のC.C.の間には次第に埋められない溝ができていく…

非常によくできた作品だと思います。正直あまり期待していませんでしたが、とても感動的で内容の濃い作品でした。やはり舞台でロングランし、当時のトニー賞を取っただけのことはあります。何よりもまず楽曲が素晴らしい!最初から最後まで名曲揃いで、思わず体が動いてしまいます。そして衣装もかっこいい!!特にザ・シュープリームスをイメージしたザ・ドリームスの舞台衣装のウィッグと衣装の数々は素晴らしい出来でした。そして、彼女たちが活躍する60年代のアメリカ社会における黒人の立場、そして彼女たちがヒットするのと平行して(ある程度)向上していく黒人の地位などの社会問題も見事に取り込んだ脚本にもただただ感嘆するのみです。

エフィー役でアカデミー賞助演女優賞のジェニファー・ハドソンは、パワフルな歌声と迫真の演技で、すっかり主役を食っちゃってました(^_^;)もちろん、ダイエットしてディーナ役を熱演のビヨンセ・ノウルズも美しくて歌えて、素晴らしかったですよ。カーティス役のジェイミー・フォックスもいつも通り隙の無い演技で抜け目のない敏腕マネージャーを好演していましたし、アーリー役のエディー・マーフィーもいい声を聞かせてくれただけでなく、ヒット曲が出なくなってからの憔悴した薬漬けの生活も熱演していました。

他の俳優陣もC.C.役で出しゃばらないのに印象に残る演技を見せてくれたキース・ロビンソンをはじめ隅々まではまり役だったので、ストーリーに入り込んで楽しむことが出来ました。特に懐かしかったのはダニー・グローバー(「リーサル・ウェポン」でメル・ギブソンの相棒役)!当時から「定年近い」とかいう役柄(^^)でしたけど、更に老けましたね~(当然か)。お元気そうで嬉しいです。

アルティメイト・コレクション いつまで上映しているか分かりませんが、ミュージカル映画が好きな方も苦手な方も、機会があったらぜひ見ていただきたい作品です。作品中流れた歌が頭から離れないので、近日中にサントラを買う予定です。ついでに本家ザ・シュープリームスのベストアルバムも買っちゃおうかな~。


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nnzpck_project21

こんばんわ!初めて訪問させて頂きました。この映画は、私も今月初めに、横浜で観ました。出演した演技人は、ジェイミー・フォックスを除いて、演技力ではちょっと。。。と当初は思いつつ、物語が進むにつれ、3人(実は4人!)のサクセス・ストーリーと、周囲の熱い人間模様に感動してしまいました。監督のビル・コンドンは、この映画のドリームガールズを、シュープリームスに、ディーナ役のビヨンセ・ノウルズを、ダイアナ・ロスに、非常に強くイメージして製作したとコメントしていましたね。エンディングのパターンは、わかっていても、年甲斐も無く泣けました。また、遊びにきます!
by nnzpck_project21 (2007-03-20 21:33) 

Sardanapalus

liberty74new..さん>
はじめまして!コメントとnice!ありがとうございます。

>物語が進むにつれ、3人(実は4人!)のサクセス・ストーリーと、周囲の熱い人間模様に感動
そうですね、この配役で普通の映画だったらイマイチ盛り上がらなかったかもしれませんが、私もあの脚本と音楽と少々過剰なくらいの演技に圧倒されてしまいました。先の読める終わり方も、こういう作風ならば許せてしまいます(^^)

またいつでも遊びに来てくださいね~♪
by Sardanapalus (2007-03-21 00:15) 

シェリー・ルー

ドリームガールズ・・見て観たい映画の一つなんですけど。
なかなかどうして時間が取れない(泣)
Sardanapalusさんのコメ読んで、ますます行きたくなったけど、
いつまで上映されるかしら。。。番宣か何かで見た、
ジェニファー・ハドソンさんの歌声にぶち抜かれてましたよ。私。。。
スクリーンで観ると迫力倍増ですよね、きっと。
何とか時間を捻出しないと・・・
by シェリー・ルー (2007-03-28 20:44) 

Sardanapalus

シェリー・ルーさん>
>なかなかどうして時間が取れない(泣)
丁度年度末で忙しい時期ですからね~。でも、ぜひぜひ時間を作って見に行っていただきたい作品です。ハドソンの歌声が気に入ったのなら、はまること間違いなしですよ!(^^)
by Sardanapalus (2007-03-28 21:20) 

クリス

そうそう、カメラ割りは私も好きでした。魅力を最大限伝えようとする努力がみえましたもん。
どっちかっていうと、ミュージカルは映画より舞台が良いですね(あたりまえ?)。日本語ミュージカルって未体験なんで、次はそういうのを観ても良いかなぁ?と思ってます。
by クリス (2007-04-24 06:34) 

Sardanapalus

蟻銀さん>
>魅力を最大限伝えようとする努力
ミュージカルを映画化するときには重要なポイントですよね。

>ミュージカルは映画より舞台が良い
はい。まあ、3次元で物語が展開する生の舞台の方が良いというのは当然と言えば当然ですが。劇場の多い東京に引っ越されたことですし、ぜひ日本語ミュージカルにも足を伸ばしてみてください。
by Sardanapalus (2007-04-25 21:24) 

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