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キーンリーサイドのパパ・ジェルモン@ミュンヘン [Keenlyside]


6月9日から15日の間、ミュンヘンで無事にパパ・ジェルモンとしてロールデビューを果たしたサイモン・キーンリーサイドの歌う「プロヴァンスの海と空(Di Provenza il mar il suol)」の音源がネット上にアップされていたので、こちらに紹介します。上の写真はSimonkeenlyside.infoより(帽子をかぶっている女性は、ヴィオレッタではなくてアルフレードの妹です)。


※うまく再生できない方はこちらからどうぞ。

この音源、アリアの後の親子のやり取りも含まれていますが、最初カウフマンの声とキーンリーサイドの声の区別がつきませんでした(^_^;)何度か聞いているうちに分かってきましたが、カウフマンの声って本当にバリトンっぽいんですね。お目当てのキーンリーサイドは、丁寧にアリアを歌っていると思います。

実は、この音源で気になったのは声よりも緊張感の無い指揮の方だったり…アリアの直後なんて、もたもたしているように聞こえてしまうのは私だけでしょうか。オケより先走ってるキーンリーサイドのテンポくらいがちょうどいいように思えますが。あの高揚感が無いヴェルディなんて、面白くない演奏ですね。オペラファン達のブログでは指揮者に対して一様に厳しい意見でしたが、思わず納得してしまいました。

◆批評◆
Abendzeitung

Opera Chic
Opera is Magic!
rossignols

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コメント 6

Stevie Wonder

音源アップありがとうございます!よく見つけられましたね。
私の行った初日はアリアの後拍手とブラボーがあったと思うので2日目以降でしょうか。歌い上げてるもののこんなにオケとテンポずれてたかなあ???
この指揮者は長い髪をポニーテールにしたアメリカ人女性で、ゲオリュギューとは明らかに合ってませんでしたが、おとなしい音の中女性らしい繊細な感情表現が独特かなとも思ったのですが。やっぱり主役歌手と合わなければオペラ指揮者としてつらいですよね。

ミュンヘンより暑かったウィーンでは、オペラ座当日券立ち見をSardanaさんの体験記をもとに挑戦してみました。グルベローヴァのウィーンさよなら公演の後の指輪前半2夜だったので倒れる人が出るほどハードでしたが、すごく楽しめました。ありがとうございます。
by Stevie Wonder (2009-06-20 05:40) 

Sardanapalus

Stevie Wonderさん>
>歌い上げてるもののこんなにオケとテンポずれてたかなあ???
やはり、日によって間合いがずれてしまうのでしょうね。あとは、座る場所によっても聞こえ方が違いますよね。

>繊細な感情表現が独特かな
たったこれだけの音源ではしっかりと判断できませんが、私がヴェルディに求めるのはわくわくするほどの躍動感なので、この指揮者の解釈とは合わないようです。オペラ指揮者としては、歌手と息を合わせるか、自分のやり方を納得してもらう説得力が必要だと思いますが、まさかゲオルギューはこの指揮者と折り合わずに降板したんではないですよねぇ?

ウィーンの立見席も堪能されたのですね!私の記事が少しでもお役に立ったのならばうれしいです。しかし、暑い中リングですか!!すばらしい体力です~。
by Sardanapalus (2009-06-20 09:25) 

助六

お久し振りです。

自分のやりたいことを大切にして、充実した休暇を過ごされてるご様子で何よりです。

1回目の上演観たんですが、いや、カウフマンとキンリーさんのシーンには笑ってしまいましたわ。声ばかりか、舞台姿だってどう見ても父子というより兄弟。

私が今まで色々観たトラヴィアータの舞台では、父ジェルモンは偶然か否かいつもそれっぽいおっさんが歌ってて、声も盛りを過ぎて音色も潤いを失い、旋律運びも硬化した壁みたいな歌唱が多かった。

いつかもっと若々しいバリトンで艶と柔軟性のあるジェルモン歌唱を聞きたいものと思ってまして、今回キンリーさんでその希望は見事にかなえられました。が、結果はなんと言いますか、ニュアンスに富んだ美しいカンタービレ歌唱は結構なんですが、何だかアルフレードと父ジェルモン、どちらが色男なんだか分からなくなってきて、ジェルモンが「お前の年老いた父が」などと歌うに至っては、思わずクスクス笑ってしまった次第。
今までよくぶつかった「硬いおっさん歌唱」のジェルモンも頑迷な田舎ブルジョワという性格設定には効果的な部分もあるんだと改めて感じさせられました。

キンリーサイドは何歌ってもプロで一定の水準は必ず維持する人だけど、あらゆるレパートリーで様式適合と個性でもう一つ突き抜けるものが加わればもう最高と思います。これはいつも抱く感想。
ヴェルディ・バリトンとしては、音色と旋律運びにもう一つ褐色の重量感みたいなものが欲しいとこ。

指揮は確かに焦点が定まらず散漫で失敗でしたが、もともと当初予定されていた指揮者の代役だし、オケ練習も全曲は通せず、今をときめく3人のスターに囲まれ彼女らの要求を容れざるを得なかったであろうこのブロンドの若い女性指揮者を責める気には私はなれません。
upして下さってる貴重な録音(これは1回目の上演ではないような?)を聞き返してみると、ルバートの感覚など悪くないものを持っており、より大きなスケールで一貫性のある音楽構築をできる条件と経験蓄積を与えられれば、世に多い正確だけれどメカニカルな伴奏に終始する指揮者よりは、オペラティックな感覚のある人である可能性もあるように思います。

ジェルモンのカバレッタは、テンポ設定とリズム的造形が難しく、間が抜けて聞こえることの方が多いと思います。最近は歌われることが多くなったけど、一時代前までは大抵カットされてたのはそのせいでしょう。

2幕フィナーレはカウフマンらがついて行きかねるほどの超高速テンポで、これは声に限界があるゲオルギューの要求だろうと想像してます。

ロンドンのトラヴィアータの感想も是非聞かせて下さいね。
by 助六 (2009-06-21 10:36) 

Sardanapalus

助六さん>
お久しぶりです。公演の詳しいレポートありがとうございます。代わりといっては何ですが、ロンドンの「椿姫」のレポート、了解しました。

>舞台姿だってどう見ても父子というより兄弟
>アルフレードと父ジェルモン、どちらが色男なんだか
やっぱりそうでしたか。キーンリーサイドは見た目も声も初老とは言いがたい(実年齢は置いておいて^^;)ので、どう想像しても親子じゃないよなぁ~なんて思っていたのです。しかも、言動はパパの方が何倍もかっこいいですから、これではますますアルフレードの影が薄くなってしまいますね…。

>ヴェルディ・バリトンとしては、音色と旋律運びにもう一つ褐色の重量感みたいなものが欲しいとこ。
ふむふむ。この音源を聞いて、やっぱりパパにしては全体的に軽い、という印象を持ちましたが、実際に聴かれた助六さんの印象とそう違いませんね。おそらく、若いけれど暗い声を持つルチッチとかジェラルド・フィンリーとかなら、助六さんの希望が叶えられるかと思いますが。

>オペラティックな感覚のある人である可能性もあるように思います。
指揮に関しては、助六さんの意見をふまえつつ聴きなおしてみましたが、やはり間延びしている感が否めませんでした。でも代役だったのですね?今回は実力が発揮できなくても仕方がないと思います。ロールデビューとディーヴァがいましたしね(^^)ジェルモンのカバレッタは、やはりテンポ設定が難しいのですね(まあ、キーンリーサイドがオケに先走るのは良くあることですが)。カバレッタを魅力的にするのは難しいでしょうが超高速の2幕フィナーレはぜひ一度聴いてみたいような聴きたくないような…。そこが締まらなかったのが批判されている一番の理由でしょうか。
by Sardanapalus (2009-06-22 05:22) 

keyaki

キーンリーサイドのプロヴァンス...聞かせて頂きました。
カウフマンより若々しい美声じゃないですか。

指揮者さんは、ケリー・リン・ウィルソンという方のようですが、彼女はニースで、ライモンディのファルスタッフとクーラ、フリットリ、ライモンディのオテロを振っているので、顔と名前は知っています。同じヴェルディでもズンチャッチャは難しいのでしょうかね....
by keyaki (2009-06-26 17:12) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>キーンリーサイドのプロヴァンス
>カウフマンより若々しい
なはは…カウフマンは本当に陰のある声ですものね~キーンリーサイドは軽いし。やはりこの2人で親子というのは無理があると思います。見た目も声も(^^)

ウィルソンの情報、ありがとうございます。私もテレビで指揮しているのを見たことがあります。それにしてもヴェルディを多く指揮しているにしては、あまり精彩がないような…やはり「ズンチャッチャ」は勝手が違うのでしょうか。
by Sardanapalus (2009-06-26 19:36) 

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