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マクベスの評価は…? [Keenlyside]

24日に初日を迎えたROHの「マクベス」公演の批評が出揃ってきましたので、こうした批評が一気に読めるSimonkeenlyside.infoのページを紹介します。好意的なものもあればけちをつけているものもあり、いつものように様々な意見を読むことが出来ます。それにしても、何人もの批評家がキーンリーサイドの声が「ヴェルディバリトン」かどうかについて論じていますが、個人的に歌手に求めているものは声の大きさや重さじゃなくて役の内面を表現できているかどうかなので、どっちでもいいです。って、こういうことに拘っているのって、批評家たちとよっぽど懐古主義のイタリアオペラファンくらいじゃないでしょうか?キーンリーサイド本人も、公演前のインタビューで「歌手それぞれに別の歌い方があるんだから、無いものを求めたりせず自分らしくやればいいんだと考えてる」と言っています。これから数日の間に沢山の批評が出てくると思いますが、気になったものだけ以下に抜き出しておきます。


☆Whatsonstage.comでのインタビュー:Simon Keenlyside discusses Macbeth
今回のマクベス公演に先立って行われたインタビューです。キーンリーサイドの音楽キャリアをざっと紹介した後、マクベスに対する意気込み、パッパーノとの共演について、などの本題に移っています。「全員を喜ばすことは出来ないけど、この役を表現するために今自分がやれる限りのことをする」そうです。

※5月31日追記
☆Wales onlineでのインタビュー:Cast issue for Simon brushed aside as he takes Verdi’s Macbeth to stage and screen
こちらのインタビューでは、腕の怪我の影響があるかどうか、オペラのマクベスとシェイクスピアとの違い、映画館へのライブ中継のこと、舞台で緊張するかどうか、そしてウェールズの家の環境について語っています。特に興味深いのは、映画館への中継がオペラの観客層を広げる良い機会なのではないか、という質問への答えでしょうか。「全員にオペラ好きになってもらう必要は無いけれど、若い人たちにはオペラという芸術があるということを知ってもらえば、必要な時には戻ってきてもらえると思う。個人的には、オペラという西ヨーロッパの芸術を維持し、継続していくために必要なだけの数の人々に愛してもらえればいいと思っているよ。」ということで、映画館中継の宣伝係としてはちょっと押しが足りないんじゃないかしら(笑)せっかくですから、私も13日は映画館に行って、ライブ中継を楽しもうと思います。

★Simonkeenlyside.infoのマクベス公演ページ
※批評が随時アップされていきます。

★The Times(本サイトは有料なのでSimonkeenlyside.infoのページをリンクしています)
※私の感想と一番近い批評(というか、私以上に評価が高いかも…)です。キーンリーサイドのマクベス像がかなり気に入った様子で、この演出は8年間キーンリーサイドを待っていた!とまで書いています。

★Opera Brittania
※Simonkeenlyside.infoにはまだ載っていない長文の批評です。このロイド演出について4パラグラフに渡って細かく記述、分析しています。キーンリーサイドのマクベスについては、おおむね好評ですが、「80年代のレナート・ブルソンのマクベスには及ばない」なんて、ヴェルディを歌わせたら神様のようなブルソンを引き合いにだしてます。…そりゃ当然及ばないでしょうとも!(もし、ブルソン全盛期のマクベスが見れるなら何でもしますよ、私は)。

★Whatsonstage.com
※Simonkeenlyside.infoにはまだ載っていない批評です。全体的に、少々の問題点もありながら概ね良くやっている、という好意的な内容です(四つ星ですしね)。キーンリーサイドについては、第1幕はバンクォーに食われていたが第2幕と第3幕は調子を上げてきた、短い間にペレアスからマクベスまでこなす多彩さは素晴らしい、と書かれています。
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Kew Gardens

レポートに引き続き、Reviewの紹介ありがとうございます。 

>キーンリーサイド本人も、公演前のインタビューで
Don Carloの時もでしたが、必ず目にする"Verdi baritone云々・・・”の話。 本人開き直ったかと思って、このインタビューを読みましたが、時代は変わるのだし、いろいろな声・演技があってもいいじゃない、と思ってしまいます。 ま、ファンだからのセリフかもしれません。 ただし、今回はVerdi BaritoneらしくなってきたというReviewもあるのが、目新しいでしょうか。 演技がTrade-offされているというのは、見てみないとわかりませんけれど。 

ところで、Financial Timesのreviewに、
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/77dcdef2-87ac-11e0-af98-00144feabdc0.html#axzz1NZFQ0TGK

”英語ネイティブがマクベスを演じる伝統”とかいう表現がありました。 The Timesにも”English baritone”とありましたが、そんな慣習がイギリスにはあるのかしら? 2006年はちょいと私の苦手なTHさんがやっていたので、English-speaking ですね。 
by Kew Gardens (2011-05-28 01:06) 

Sardanapalus

Kew Gardensさん>
>時代は変わるのだし、いろいろな声・演技があってもいいじゃない
本当にそう思います。第一、今「ヴェルディバリトン」って言い切れる歌手っているのでしょうか?ブルゾンとかヌッチ辺りが最後なのでは?確かにああいうごつい歌唱も魅力的ですが、私はバリトン百花繚乱の今、様々な解釈と歌唱が聞けるのが楽しいですけどね。

>演技がTrade-offされているというのは
こういう意見には賛成できないのですが、2日目を見た後は、初日はやはり少し硬かったかな、と思いました。この様子だと、Kew Gardensさんがご覧になる頃にはすっかり役になりきっていると思いますよ(^^)

>”英語ネイティブがマクベスを演じる伝統”
どうでしょうか?少なくとも、この演出で歌ったマクベスは3人とも英語ネイティブのようですね。(初演:マイケルズ=ムーア、再演:ハンプソン)単にとリビア的な指摘をしたかったのか、イタリア人に歌って欲しいと思っているのかは分かりませんが…。
by Sardanapalus (2011-05-28 18:27) 

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