「マクベス」バックステージビデオ [Keenlyside]
現在「マクベス」公演真っ最中のROHが、リハーサルの様子と、キーンリーサイドとパッパーノのインタビューのビデオをアップしてくれましたので紹介します。王冠がぐらぐらのキーンリーサイドや、テイクアウトのご飯を片手に歌いながら夫人に指示を出すパッパーノ(こんなことしてる指揮者はじめて見ました…)など、英語が分からなくても楽しい画もあります。(6月1日追記:非公開になっていましたが、再アップされていましたのでリンクを直しました。ついでに、インタビューを訳しましたので、以下に掲載します。サムネイルがパッパーノになっちゃってちょっと残念…)
キーンリーサイド: 「シェイクスピアやブレイクのような偉大な天才で私が好きなところは、逃げ場の無いところで人物にスポットライトを当てて、しかも善悪を判断するのではなくて、『これがお前だ』と単に示すところです。マクベスは…一貫して暗いけれども、暗さというのはそこに強い光が当たると更に暗くなるんです。登場人物たちは皆、巨大な感情の波の上にいるけれども、その下には変えることの出来ない情動や自然界、そしてもちろんシェイクスピアの力が働いている。そして、ヴェルディはそれを最初の場面からよく織り込んでいると思います。」
パッパーノ:
「この音楽には、この後のどの作品でもヴェルディがなし得なかったレベルの雰囲気があります。有名な話ですが、ヴェルディは初日になってもまだマクベスとマクベス夫人の間の最初のデュエットをリハーサルしていたんです。ここは策略を巡らせながら非常に柔らかく歌うのですが、ヴェルディにとってはいつまでも満足できる出来にならなかったんです。マクベス夫人以上に興味深いキャラクターというのはいるでしょうか?私はいないと思います。」
キーンリーサイド:
「最後のほうで、物事が上手くいかなくなったときに召使が『奥様がいらっしゃいました』と伝えにくるんですが、マクベスは単に『何だ』と呼びかけるんです。しかも、『ああ、どうしたんだ』じゃなくて、『一体何の用だ!』と…何故そんな言い方をするのかというと、2人の間に軋轢があるからです。そして、この歯軋りするような苛立ちが次第にもっと最悪なものになっていくんです、この女が絶え間なく苛立たせるおかげでね。」
さて、上のビデオでもずっと左腕にサポーターをつけているキーンリーサイドですが、何と5月30日の公演では、サポーターなしで登場しました。(左の写真参照)
先日、ステージドアで「この公演はずっと着けたままやるよ」と言っていたばかりだったので、最初は目の錯覚かと思ってしまいました。週末に医者にでも行って、経過が良いからとって良いと言われたのかと思いきや、単に無くしたのだそうです。思わず、何でやねん!と(英語で)ツッコんでしまいましたよ(^_^;)普通、常に着けてるものを無くさないでしょう?というファン達の冷たい視線の中、「いや、車でウェールズの家に帰る途中のサービスエリアでドア開けたときにどっかいっちゃったんだよね~。」と説明してくれましたが、それにしてもありえない。おかげで、この日のマクベスの最期の場面では腕を守るために階段落ちができず、非常に悔しそうでした。サポーターをつけなくて良くなったということではないのが少し残念ですが、これからのマクベス公演のためにも、さっさと新しいサポーターを作ってくださいね。
キーンリーサイド: 「シェイクスピアやブレイクのような偉大な天才で私が好きなところは、逃げ場の無いところで人物にスポットライトを当てて、しかも善悪を判断するのではなくて、『これがお前だ』と単に示すところです。マクベスは…一貫して暗いけれども、暗さというのはそこに強い光が当たると更に暗くなるんです。登場人物たちは皆、巨大な感情の波の上にいるけれども、その下には変えることの出来ない情動や自然界、そしてもちろんシェイクスピアの力が働いている。そして、ヴェルディはそれを最初の場面からよく織り込んでいると思います。」
パッパーノ:
「この音楽には、この後のどの作品でもヴェルディがなし得なかったレベルの雰囲気があります。有名な話ですが、ヴェルディは初日になってもまだマクベスとマクベス夫人の間の最初のデュエットをリハーサルしていたんです。ここは策略を巡らせながら非常に柔らかく歌うのですが、ヴェルディにとってはいつまでも満足できる出来にならなかったんです。マクベス夫人以上に興味深いキャラクターというのはいるでしょうか?私はいないと思います。」
キーンリーサイド:
「最後のほうで、物事が上手くいかなくなったときに召使が『奥様がいらっしゃいました』と伝えにくるんですが、マクベスは単に『何だ』と呼びかけるんです。しかも、『ああ、どうしたんだ』じゃなくて、『一体何の用だ!』と…何故そんな言い方をするのかというと、2人の間に軋轢があるからです。そして、この歯軋りするような苛立ちが次第にもっと最悪なものになっていくんです、この女が絶え間なく苛立たせるおかげでね。」
さて、上のビデオでもずっと左腕にサポーターをつけているキーンリーサイドですが、何と5月30日の公演では、サポーターなしで登場しました。(左の写真参照)
先日、ステージドアで「この公演はずっと着けたままやるよ」と言っていたばかりだったので、最初は目の錯覚かと思ってしまいました。週末に医者にでも行って、経過が良いからとって良いと言われたのかと思いきや、単に無くしたのだそうです。思わず、何でやねん!と(英語で)ツッコんでしまいましたよ(^_^;)普通、常に着けてるものを無くさないでしょう?というファン達の冷たい視線の中、「いや、車でウェールズの家に帰る途中のサービスエリアでドア開けたときにどっかいっちゃったんだよね~。」と説明してくれましたが、それにしてもありえない。おかげで、この日のマクベスの最期の場面では腕を守るために階段落ちができず、非常に悔しそうでした。サポーターをつけなくて良くなったということではないのが少し残念ですが、これからのマクベス公演のためにも、さっさと新しいサポーターを作ってくださいね。
あれっ、再編集でもしたんでしょうか? 私も昨日このクリップをみつけて、DLしていたのですが、確かにサムネール変わってますね。
相変わらずインテリジェンスを感じさせるKeenlysideの発言ですが、表情豊かですね。 HD Live viewingなんかのインタビューより、リラックスしているように思います。 恰好もよく見るジャケットとジレだから、落ち着けられるのかしら?
それより、30日のカーテンコールの写真をみて、愕然。 いえ、サポーターがないより、自前のあごひげ。 のばしつづけるのかしら? あくまで趣味の問題ですが、似合わないんじゃないかと。
by Kew Gardens (2011-06-02 00:11)
Kew Gardensさん>
そうなんですよ~。再アップされた動画では、サムネイルが変えられちゃったんです。ちぇっ。
>HD Live viewingなんかのインタビューより、リラックス
ビデオ収録だと分かっているから、とか、ROHで慣れているから、とか普段着だから(笑)、とか色んな要因はありそうですが、確かにリラックスしていますね。リハーサルが上手くいっているから、というのもあるのかしら。
>自前のあごひげ
そうですね~。何せマクベスですから、ひげは必須なんですよね。まだせめて、あのへんてこなヤギのようなあごひげじゃなくなっただけでもましだと思わないと…(^^)写真でみるよりは、実物の方が違和感は少ないですよ。
by Sardanapalus (2011-06-02 16:36)