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ギリシャ旅行記④:エギナ島 [旅行]

今回のギリシャ旅行では本土の遺跡を中心に回るため、有名な島々には行けませんでした。それでも、やはりギリシャに来たならどこでもいいから島にも行ってみたい、と思っていたところ、アテネ近郊のエギナ島(Aegina)に、保存状態の良い古代の神殿が残っていると聞き、足を伸ばしてみました。

まず、アテネの地下鉄1号線の終点ピレウス(Piraeus)にある港に向かいます。アテネ中心部からの所要時間は30分弱です。ちなみにこのピレウス駅、ギリシャで一番立派な駅舎じゃないかと思います(^_^;)
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エギナ島へはピレウス港からフェリーで1時間ほどです。フェリーは予想以上に大きくて揺れることもなく、内装も豪華で売店も充実しているので、涼しい船内でくつろいでいる間にあっというまに島に到着しました。あまりに快適だったので、降りるのが名残惜しいくらいでした(^_^;)

アテネとエギナ島の間には数社のフェリーが運航されており、夏期は朝から夜までほぼ30分~1時間おきに出航しています。チケット(約9ユーロ)は港の波止場にあるチケットスタンドでも買えますが、出航時間が一番近い便のチケットを買いたいなら、ピレウスの地下鉄駅から港に行くまでの間にいくつも旅行会社が並んでおり、そこで「次のフェリーのチケットが買いたい」と相談するといいでしょう。なお、片道も往復も値段は変わりませんので、復路のチケットは島から帰るときに波止場で買う方が、時間を気にせずにのんびり滞在できるかもしれません。フェリー以外にも、45分で到着する小型の高速船もありますが、船内は座席が並んでいるだけで売店もなく、速度が速いためかなり揺れるので落ち着きません。チケット代も割高(約14ユーロ)ですので、よっぽど急いでいる方でなければ、ぜひフェリーをご利用ください。他にも、「エーゲ海1日クルーズ」という、エギナ島、イドラ島、ポロス島の3つの島を1日で一気に巡る人気ツアーもありますので、そちらもチェックしてみてください。


<アフェア神殿>私がこの島に来た目的の古代神殿です。期待に違わず、保存状態の素晴らしい神殿および周辺の遺跡群でした。しかも、高台に建っているので景色も良くて大満足でした。
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<聖ネクタリオス聖堂>ギリシャ正教における近現代の聖人ネクタリオスを祭った、島で一番大きな聖堂。聖堂内部は大々的に修復中だったのが残念です。すぐ近くに修道院もありますが、今回は聖堂のみ。
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私は午後からのんびり出かけたので時間がありませんでしたが、エギナ島にはこのほかにも神殿の柱が一本だけ残るコロナ遺跡・博物館や海水浴のできるビーチが何カ所かあり、朝から一日遊びに行っても楽しいのではないかと思います。港には、タクシーや観光用の馬車が待っている(↓)だけでなく、車やバギーのレンタルもできます。
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なお、今回私は神殿と聖堂を巡るためにタクシーを使いましたが、神殿で30分、聖堂で10分停車してもらい、料金はちょっと値切って35ユーロほど。暑かったので、入り口の前に乗り付けてもらえてとても助かりました。(島民の話では本数が少なくて時刻表もほとんど頼りにならないそうですが、歩く元気のある方はバスでうんと安く回れます。)エギナ・タウンに戻ってきてから食べたピスタチオ・アイスクリームは美味しかったです!(ピスタチオは島の特産品)時刻表などの情報は古いのであまり利用できないですが、エギナ島の情報ウェブページはこちら
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レイネ

ギリシャ旅行記、楽しく読ませていただいてます。
テッサロニケに行ったのは28年ほど前の学生時代。ヨーロパスかなにかの1ヶ月ヨーロッパの汽車乗り放題チケットを使って主に旧ユーゴスラビアを回り、最終地点がテッサロニケでした。ユースに泊まりましたよ。懐かしい。でも、今はもうこの年でユースに泊まる元気はないわ。。。
ヨットに乗るようになってから、ギリシャでも何度かセイリングしました。エギナ島へは2度寄りましたが、神殿は海上から眺めただけなんです。sardanaさんはどうやって行かれたのかと思ったら、やはりタクシーなんですね。(徒歩では坂道がきついからスクーターをレンタルするのがいいらしいけど)。アテネからフェリーだと片道一時間で9ユーロとは、速くて安いですね。ヨットだと半日かかります。
名物のピスタチオをつまみながら、飲み口のいいウゾを一瓶空けて、一晩頭痛に悩まされた思い出が蘇りました。。。

by レイネ (2011-06-29 01:25) 

keyaki

ギリシャってなんか謎の国....
イタリアのバーリから船が出ていて、真夜中に出航して、翌朝には着くそうです。近いのに遠い国って感じかな。ギリシャ人って、すごくイタリアに対抗意識があるみたい...自分たちの方が偉いんだぞ。。全部ギリシャの知識、技術なんだから.....みたいな。

しかし、今回のスペシャルオリンピックスの開会式、すばらしい競技場で、豪華でセンスのいい開会式で、アポロに扮した選手が黄金の太陽の馬車に乗って大空から降りて来るという趣向だったようで、破産しそうな国とは思えませんけど、大変な時でも、頑張って開催したということでしょうね。
by keyaki (2011-06-29 09:25) 

Sardanapalus

レイネさん>
ギリシャ旅行記へのコメントありがとうございます。

>主に旧ユーゴスラビアを回り、最終地点がテッサロニケ
そうそう、今でも国際鉄道はアテネじゃなくてテッサロニキ発着なんですよ。アテネから電車で6時間ほどかかるので、電車旅したい人には不便じゃないかと思うのですが、それが普通だから、ってかんじでした。

>エギナ島へは2度寄りましたが、神殿は海上から眺めただけ
あら、それは勿体無い!とてもいい状態で保存されていますし、1日クルーズの団体客と鉢合わせしなければ、独り占めできるくらい静かな遺跡ですよ。次回訪れる機会があれば、ぜひアテネからフェリーで、島内はタクシーまたはレンタルスクーターを利用して立ち寄ってみてください(^^)

>名物のピスタチオをつまみながら、飲み口のいいウゾを一瓶空けて、一晩頭痛に悩まされた
ウゾはかなり度数が高いとのことでしたし、暑いときにはやはりビールが欲しいので今回は飲まなかったのですが、ピスタチオを肴に飲むのは美味しそうですね~!覚えておきます。
by Sardanapalus (2011-06-29 22:21) 

Sardanapalus

>ギリシャってなんか謎の国....
これは、今回の旅行でかなり私も理解不能な体験をしました。遺跡への案内看板に従って行ったのに今は使っていない昔の入口に行かされたり、博物館の開館時間も全然違っていたり…。こんなので現地の人はよく我慢しているものです。

>イタリアのバーリから船が出ていて、真夜中に出航して、翌朝には着く
ユースホステルで同室になったオーストラリア人の女の子2人組が、クロアチアからバーリを経由して船で来た、と言っていました。クロアチアとギリシャって同じバルカン半島ですけど、直行便がないんですって。これも、何で?と思いましたが…。

>全部ギリシャの知識、技術なんだから
外国人からしてみればギリシャ・ローマ時代、とひとくくりにしてしまいがちですが、ギリシャ人は古代の栄光をかなり誇りに思っているように感じました。個人的に、古代ギリシャ人の英知には感嘆しきりですが、現代ギリシャ人の生活態度なんかには改善の余地があるように感じます(^_^;)

>すばらしい競技場で、豪華でセンスのいい開会式
>破産しそうな国とは思えません
あの開会式は凄かったですね。私が滞在した1週間は、デモも落ち着いていたのですが、ギリシャを離れて2日後くらいからまた警官隊とデモ隊の衝突が起きはじめたようです。財政再建のための法案が通ると15万人が失業するとかで、ここ数日事態は混沌としているみたいです。せめてスペシャルオリンピックスが終わるまでは、あまり変なことにならないといいんですけどね。
by Sardanapalus (2011-06-29 22:51) 

助六

お久しぶりです。それも今更のコメントですが…。

学生時代、ギリシャ美術やギリシャ哲学に夢中で切実にギリシャを見たかった頃は、アテネ行き飛行機はチャーター便でも不便で高く、行くんだったら最低2週間はなんて思ってたらついに行けずじまい、ルーブルや大英博物館のコレクションで我慢(もちろん特に大英はすばらしいけど)してました。

ようやくアテネに行く機会が訪れた時には、当方の美術探訪熱ももう冷めており、ビーチやメシの方が魅力という始末でした。

デルフォイなどまで足を伸ばす元気はありませんでしたが、それでもパルテノンやエレクテイオンには腹の底から感動しましたし(秋口でしたので簡単に入場でき、暑過ぎずのんびり見学できましたがとんでもない土砂降りに見舞われました!)、ヘファイストスや風の塔も素晴らしかった。

島嶼部はコルフとセリフォスしか知りませんが、どちらにも残ってる神殿はなし。もう神殿にこだわりはなくビーチなどレジャー主眼で選んだ感じでした(笑)。

>クロアチアからバーリを経由して船で来た

コルフは私も10数年前、9月にバーリから夜行フェリーで入りましたが、まだ結構暑かったですね。
トリエステからスロヴェニアに入って、アドリア海沿いに南下しているという一人旅のフランス人女性がやっぱりクロアチアからバーリ経由だと言ってました。まだ内戦の記憶が消えてない頃で、「クロアチアは問題ないし、ボスニアやモンテネグロも大丈夫だけど、アルバニアを女性一人で横断するのはやめろと言われた」なんて言ってましたね。

セリフォスを訪れたのは10月下旬でしたが、まだ十分泳げ、宿は夏の半額、のんびり出来て最高でした。

ギリシャ本土に残る神殿は全般に保存がよくないけれど、へファイストスや特に様々な災禍に見舞われたパルテノンがあれだけ残ったのは殆ど奇跡に思えますね。

でも私が一番感動したギリシャ神殿はシチリアのセジェスタです。ナオスは未着工で存在してないけど外柱部分の保存状態と力強いプロポーションは素晴らしく、ドーリス神殿ファンには絶対おススメ。場所もすばらしい。
最も保存が良いとされる南イタリアのペストゥムは、ちょっとプロポーションがずんぐりしてて、セジェスタほどの感動はありませんでした。
でもギリシャ本土で見る神殿にはやっぱり一味違う感銘を与えられますね。

>遺跡への案内看板に従って行ったのに今は使っていない昔の入口に行かされたり、博物館の開館時間も全然違っていたり

そうそう、もうイタリア顔負けのメチャクチャさ、ギリシャ・アルファベットからの転写もまちまちで、同じ地名の綴りが標識によって違ってるから「あれ間違えたかな」なんて考えたり。

>ギリシャ人は古代の栄光をかなり誇りに思っているように
>現代ギリシャ人の生活態度なんかには改善の余地が

パリのギリシャ人の知人に言わせると、現代ギリシャ人は実は相当スラヴ系の血が混入していると考えられるだけに、ギリシャ語、古代ギリシャ、ギリシャ正教は対スラヴ防壁のアイデンティティ保証になってるということでしたね。古典ギリシャ語は必修だそうだけど、読めるとこまでは行く人は僅かだそうですが。

ギリシャは現在マジで国家破産寸前ですが、「破産しそうには見えない」ようなすばらしい競技場も開会式も正に借金財政に支えられてるからこそということですね。これは日本も似たようなもんですが。

スラヴの血が混入してる(なんて言うと普通のギリシャ人は怒りますが)かも知れないにしても、ギリシャ人は騒々しさでもいい加減さでも、大人しいポルトガル人などより余程地中海人種に私には映ります。

汚職、脱税、社会保障詐取は茶飯と言われ、年金給付開始の平均年齢は61歳というから、カネ出してやらざるを得ないドイツ人が怒るのもモットもかも。一時期ドイツ大衆紙がやってた「ギリシャの財政赤字など数限りなくあるギリシャの無人島を売れば補填できる」なんてキャンペーンはドイツで大受けでしたね。

日本では「国家破産」を振りかざせば、年金改革も緊縮財政も通るでしょうが、悠々とストを打ってくる欧州人の呑気な権利意識には呆れるべきか、見習うべきか、難しいですね。
暑い夏でも見事に節電を実行する日本人の良識はすばらしい国民財産ではありますが。

ストがなければそれでもギリシャは行きたい魅力溢れる国だけど、私はこの頃は本土は飛ばして直接島に行きたいと思うことが多く、そうするとパリから直行便が飛んでる島・時期は限られるし、フェリーはエーゲ海の風で欠航するリスクも馬鹿にできないから、どうも勇気が起きなくなってます。
どこでもそうだけど、行けるときに行っておくべきですね。

エディンバラも10年ほど前、アバド+シュタイン+ベルリンで「パルジファル」が予定されたことがあって、本気で考えたことがありましたが、結局アバドの病気によるキャンセルだったかで実現しませんでした。で、行ったことがありません。
フェスティヴァル期間中は宿も大変とか聞きましたが、どうなんでしょう?
by 助六 (2011-09-12 11:19) 

Sardanapalus

助六さん>
お久しぶりです~。充実したコメントありがとうございます!今回は夢だったギリシャについに行けたので、旅行中妙にハイテンションで帰国後どっと疲れました(笑)でも、また近いうちに(面倒になってしまう前に)再訪したいです。

>ようやくアテネに行く機会が訪れた時には、当方の美術探訪熱ももう冷めており、ビーチやメシの方が魅力
今は格安航空会社がヨーロッパ内を縦横無尽に飛んでくれるので、貧乏旅行者には計画もたてやすくうれしい限りです。私も、もちろん遺跡や美術だけでなく食事も楽しみにしていましたよ~。いろいろ美味しかったです☆

>シチリアのセジェスタ
>外柱部分の保存状態と力強いプロポーションは素晴らしく、ドーリス神殿ファンには絶対おススメ
本当ですか!?シチリアはまだ行ったことがないので、しっかり覚えておきます。本土の神殿は、保存状態はもう少し、という場合もありますが、やはりギリシャ文化圏の中心地だった威厳のようなものがありますね。

>スラヴの血が混入してる(なんて言うと普通のギリシャ人は怒りますが)かも知れないにしても、ギリシャ人は騒々しさでもいい加減さでも、大人しいポルトガル人などより余程地中海人種に私には映ります。
私も、ここまで「地中海的」な環境を味わえる土地は久しぶりでした。ポルトガルだけでなく、スペインやイタリアと比べても、かなり能天気・いいかげんな部分が目立ったように思います。そういう(悪名高い^^)地中海気質を押し出すことで、同じバルカン半島のスラブ圏との差異化を図っているのであれば、仕方のないこと?でも、確かにああいうゆる~い生活している人たちのために自分の税金を使われるのはドイツ人には納得いかない部分もありますよね。私も、無人島売るのがいいアイディアだと思います(笑)

>エディンバラ
>フェスティヴァル期間中は宿も大変とか聞きましたが
そうなんです、実はチケットよりも宿をとるのが一番大変です。もちろん、高級ホテルはよっぽど大丈夫ですが、安いホテルはすぐ満室になってしまいます。しかも特別料金ですし…。私が今回使ったのは、エディンバラ大学の学生寮です。バス・トイレ共同で朝食なしの代わりに、自炊もできて格安の上立地が素晴らしいので決めました。エディンバラ・フェスティバルは何度でも行きたくなる素敵なフェスティバルですので、ぜひ一度お試しください。パリからならば、Kings Cross駅でEurostarからEast Coast Trainに乗り換えできますので、交通の便もいいですよ(^^) あ、もちろん飛行機でひとっ飛びする方が簡単ですけれど。
by Sardanapalus (2011-09-13 21:20) 

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