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ウィーンの新演出「ドン・カルロ」始まりました! [Keenlyside]

更新できないうちに、ウィーン国立歌劇場の新演出「ドン・カルロ」が始まっています。この公演に際し、Wiener Zeitungにサイモン・キーンリーサイドのインタビューが載りました。相変わらずコメントに困る服着てますねぇ。インタビュー中でも触れられていますが、お得意の山登りかトレッキングでもしてきた帰りでしょうか。

◆Zweite Chance fuer die Stimme - und eine Wien-Premiere(ドイツ語)
◆A second chance for the voice – and an opening night in Vienna(SimonKeenlyside.infoの英語訳)

実は、初日はラジオ中継があったのですが、更新する時間が無くて告知できませんでした。すみません。が!便利な世の中になったもので、スウェーデンのラジオ局はウェブ上のプレイヤーの、ラトヴィアのラジオ局はWindows Media Playerファイルのオンデマンド音源をそれぞれ公開してくれていますので、お聞きになれなかった方はぜひお試しください。どちらの音源も、冒頭はオペラ解説が入っています。ちなみに、4幕版です。私も今聴いているところですが、ウェルザー=メストらしい端正な演奏ですね。オケの音で歌手の声を消してしまわないように心配りが効いているところは好きですが、個人的にはヴェルディにはもう少し泥臭さというか、重厚感が欲しいです。時々ウィンナーワルツかと思ってしまうような箇所もあり、どろどろの愛憎・政治劇っぽさは感じられないですね。それから、この人の指揮はテンポ設定が時々謎なのですが、ウィーンの常である歌唱とオケのタイミングのずれに眼をつぶれば、まずまず違和感無く聴けます(しかし、女官達の合唱部分は美しい演奏なだけに微妙なずれが気持ち悪いです)。歌手達は最初は様子を伺っているような部分も感じられますが、だんだん調子が上がってきますので、聞かせどころはレベルが高い演奏になっています。

ところで、ダニエレ・アバドの演出は舞台写真だけ見ると、カルロとロドリーゴが王宮に出入りできるとはとても思えない衣装なんですけど、何ででしょう??常に軍服なフェリペと見た目から差別化しているんでしょうか?百歩ゆずってカルロのフロックコートは何とか許容できるとして、ロドリーゴは、ひげはまあ置いておいても、まるで「指輪物語」のアラゴルンかと思わせる旅装なんですね。…う~ん、いくらなんでも貴婦人達の前でこの格好は無いでしょうよ(^_^;)この公演の舞台写真は、SimonKeenlyside.infoのページでまとめて見られます。

Don Carlo
Rene Pape /Philippo II
Ramon Vargas /Don Carlo
Simon Keenlyside /Rodrigo
Krassimira Stoyanova /Elisabeth
Luciana D`Intino /Princess Eboli
Eric Halfvarson /Il Grande Inquisitor

Chor & Orchester der Wiener Staatsoper
Franz Welser-Möst/Conductor
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コメント 2

Kew Gardens

>スウェーデンのラジオ局は・・・オンデマンド
ありがとうございます! 土曜日は新国立Lohengrinの楽日で頭が一杯。 録音しかけたつもりで寝てしまったら、一部録音失敗していたんです。 これで完璧に聞けます。 

オケはウィーンの響きとでもいいましょうか、弦パートが素晴らしく、あの音を引き出しているウェルザー=メストはさすがというべきでしょうか。 でも、
>テンポ設定が時々謎
ですよね。 それに、初日だからでしょうか、みんなアクシデントありでしたね。 歌の出入りと長さが違ったり、Keenlysideは音あげられなかったところもあったり。 それでもオケが指揮についていっていて、崩壊していないところが技量の凄さでしょうか。 とはいえ、2幕の女官たちの合唱に続くTebaldoソロは、かわいそうでした。 あれは、オケ早すぎですよ。 歌詞がまわらない。 ドイツ語が母国語だと、イタリア語のリズムとか気にしないのかしら。
>カルロとロドリーゴが王宮に出入りできるとはとても思えない衣装
ほんと、宮廷が舞台のDon Carloじゃなくて、Ernaniかと思っちゃいましたよ。 

ま、いろいろ文句はいいたくなりますが、前のMacbethほどひどい演出ではないですし、Keenlysideは好調そうなので、安心しました。 
by Kew Gardens (2012-06-18 21:53) 

Sardanapalus

Kew Gardensさん>
録り逃した部分も無事にお聞きになれましたか?とりあえず、演出は写真で判断するほど酷くないようですし、Keenlysideも好調な様子ですから私も一安心です(^^)

>みんなアクシデントあり
確かに、それぞれおっとっと、と思わされる部分がありましたね。まあ、ウィーンの初日では珍しくもない!?そうそう、ずれてもしれっと立て直せるのがここのオケのすごいところではあると思います(^_^;)

>ドイツ語が母国語だと、イタリア語のリズムとか気にしないのかしら
ウェルザー=メストのアプローチは基本的には嫌いでないのですが、テンポ設定だけはいつもどうしても気になります。今回は仰るとおり、イタリア語のリズム感というものは皆無ですね。デンティーノの歌唱と相性が良くないのもそのせいかと思います。フェリペの独白の部分も、全ての音にスラー指定でもついているのかと思う滑らかさ…曲としては美しい演奏ですけど、悲壮感や孤独感は感じられませんでした。
by Sardanapalus (2012-06-20 20:20) 

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