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夏休みの映画3本 [映画]

気付けばもう9月。既に学生ではないので夏休みといってもずっと仕事でしたが、やっぱり8月が終わるのは何となく物寂しいですね。夏は苦手でも、夏休みはウキウキする良いイメージばかりなのが不思議です(^^)今年は5月に遊んだので旅行には行きませんでしたが、いくつか見た映画の中から3本を夏の思い出として選んでみました。そういえば、その5月の旅行記もまだ途中でしたね…9月はもう少し更新出来るように頑張りま~す。

オーシャンズ13(Oceans 13)
いよいよ3部作の3作目が完成しました。今回はラス・ベガスで、仲間の一人ルーベンが悪徳ホテル王ウィリー・バンク(Willie Bank)に騙されて新高級ホテル兼カジノの経営権を奪われてしまう。ショックで心臓発作を起こして寝込んでしまったルーベンのリベンジとしてそのホテル兼カジノのオープニングをぶっ潰そうとオーシャンたちが再集結する…。先が読めつつも適度なウィットの効いたひねりのあるストーリー展開と適度に力の抜けた俳優陣にゆる~く笑わせてもらいました。ホテルの星の数を減らす為に採点者の泊まる部屋にノミ、ダニをばら撒いたりアメニティに異物混入したりという場面は、ゲラゲラ笑いながらも採点者がかわいそうになってしまいましたが。

そういえば、今回はカジノで使うサイコロに細工をする為メキシコの製造工場へ潜り込んだはずが労働環境のあまりの悪さにストを起こして大騒ぎするといったアメリカの社会問題ネタをねじ込んできましたが、本当は日本を舞台にしたかったとか?舞台はベガスでも随所にヘンテコ日本風(中国風)の小道具が登場するし、ホテルのマークも筆書きのBだし、イギリス人コメディアン兼作家兼俳優のエディ・イザード(Eddie Izzard)扮するローマンは流暢に「リョクチャかゲンマイチャくれ」なんて注文してくれますし(^_^;)とにかく、これまでの男性主要登場人物は皆ちょこっとずつ顔を出してにやりとさせてくれますので、オーシャンたちの悪ガキのノリが苦手じゃないなら楽しめると思います。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
闇の帝王ヴォルデモートが蘇ったと言うハリーを信じない学友達と何の対策もしない魔法省に苛立ちを隠せないハリー。魔法省から派遣されたアンブリッジがホグワーツを無力化しようとしていると感じたハリーと仲間達は密かに自衛の魔法特訓を続ける。同時に、ホグワーツの外でも闇の帝王に対抗する不死鳥の騎士団が動き出していた。果たしてハリー達と不死鳥の騎士団はヴォルデモートとデス・イーター達から魔法界を守ることが出来るのか?原作にあまり興味の無い私がこの映画を見続けている理由は、ずばり次々に登場するイギリス人俳優達。大好きなゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)をはじめ、アラン・リックマン(Alan Rickman)レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)マギー・スミス(Maggie Smith)などが揃ってファンタジー世界の住人を演じているのを見るだけでも楽しいです。そこに今回はイメルダ・スタウントン(Imelda Staunton)までが加わって、しかもあの嫌味なドロレス・アンブリッジ役だというので、主人公の子供達そっちのけでワクワクしながら見に行きました。

結果はご覧になった方なら分かる通り、アンブリッジが主役と言える出来(^^)子供達の中では不思議ちゃんルーナ・ラブグッド(Luna Lovegood)役のエヴァナ・リンチ(Evanna Lynch)がいいですね。ストーリーのまとめ方はまずまずだったと思いますが、ハリーが主人公なのだから、シリウス・ブラックの人柄とスネイプ先生の知られたくない過去の話の辺りをもっとしっかり見せた方が良かったと思います。どちらもハリーが成長する為に重要な出来事ですからね。全体としては、後2作に続けるために上手くまとめられていて充分楽しむことが出来ました。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
事故死した両親の葬式に、才能が無いのに東京で女優を目指している長女の澄伽が帰って来た。傍若無人に振舞う彼女にいじめられっぱなしの妹・清深と、それを見て見ぬふりをする血の繋がらない兄・宍道と、その3人の関係を不思議に思いながらも甲斐甲斐しく世話をする人の良い兄嫁・待子。実は数年前、東京へ行く為にナイフを持って父親相手に大暴れし、同級生相手に売春をして資金を貯めていた澄伽の行動を清深が脚色して描いたホラー漫画が受賞して雑誌に掲載されてしまい、それ以降姉妹の関係は険悪になっていたのだ。二度と漫画は描かないと誓った清深だったが、久しぶりに帰って来た姉の行動は相変わらずネタの宝庫。新進の映画監督から映画出演の以来が舞い込んで上機嫌になった澄伽は清深を許し、今後は姉妹としてやり直そうとするが…。個人的にこの夏一番ヒットした映画です。が、間違ってもお勧めはしません(笑)

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映画「バベル」 [映画]

アカデミー賞助演女優賞に菊池凛子がノミネートされたことと、鑑賞者の中に気分が悪くなる人がでたことで話題になっているアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)監督の「バベル(Babel)」を見てきました。

あらすじ:モロッコに関係改善の為の旅行に来た倦怠期のアメリカ人夫婦、モロッコで放牧生活を送る兄弟、妻に自殺され、聾の娘と交流しようと努力する日本人男性、不法就労ながらも長年アメリカで2人の子供達のベビーシッターをしているメキシコ人女性。一見バラバラなそれぞれの人生が、ある日モロッコで放たれた1発の銃弾が繋ぎ合わせ、一人一人の人生に変化をもたらしていくきっかけとなる…。

見終わって最初に感じたのは、「バベル」というタイトルはこの映画にぴったりだな~ということでした。いくつかのストーリーが平行している構成だったのですが、それぞれのストーリーにおいて共通のテーマとなっているのが他人との意思疎通、思いやり、コミュニケーションといったもの。神を超えようと思い上がって築こうとしたバベルの塔を破壊され、統一言語(コミュニケーション能力)を奪われた人間は、現在の世界でどのように生きているのかをじっくり描いている作品でした。

内容はあまり語るとネタバレしてしまうので控えめにしておきますが、同じ言語を話すからといって意思が通じ合うとは限らないし心だけで通じ合える関係もあるということ、何でもないような会話や関係がとても大切で貴重なものであること、そして自分は通じていると思っていても相手も同じように感じているかどうかは分からないということなど、多様な文化・人種・言語の人間が交わる現代だからこそ見えてくる問題が映像のあちこちから飛び込んできます。

いくつも平行するストーリーが時系列を前後して登場するので、かなり集中して見ないと置いてかれてしまうかもしれません。しかも、「この先この人どうなるの?」という中途半端なところで画面から消えてしまう人も何人かいて、ちょっと不完全燃焼に思われる部分もありました。日本の話はかなりしっかり作られていて、聾の不良女子高生とうまく会話がかみ合わない父親が母/妻の自殺から立ち直って新たな関係を作り上げていけそうかな、というところで終わるので救いが無いわけではないですが、それでハッピーエンドなのかと聞かれると、どうなのかな~?と大きな疑問符がつきます。

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映画「ドリームガールズ」 [映画]

ドリームガールズ オリジナルサウンドトラック 今年のアカデミー賞で助演女優賞を獲得した映画「ドリームガールズ(Dream Girls)」を見てきました。元になったのがブロードウェイミュージカルなので、スクリーン上でも実際の舞台のような演出があちこちに見られました。センスのいいカメラ割りと全体に漂う雰囲気は、やはりミュージカルから映画になった「シカゴ(CHICAGO)」と似ているように思います。

あらすじ:グループでスターになることを夢見る黒人の仲良し女3人組エフィーディーナ(ダイアナ・ロスをイメージ)、ローレルは、エフィーの弟C.C.の楽曲を歌って地元デトロイトでオーディションを受け続けているがなかなか成果が出ない。だが、そんな彼女たちの可能性を見抜いたカーディーラーのカーティス・テイラーJrのとりなしで地元スター歌手ジェームス・アーリー(ジェームス・ブラウンをイメージ)のバックコーラスを代役でやったことで彼のツアーにそのまま参加、デビューへのきっかけをつかむ。しかし、いよいよグループ「ザ・ドリームス」としてデビューするという段階になってカーティスはリード歌手をエフィーから美形のディーナへ変更し、さらに楽曲も今までのソウルに「白人の音楽」であるポップスを混ぜ合わせたもの(モータウン)へと変更。カーティスと恋人関係にあったエフィーは、彼がディーナに心変わりしたことやリードを歌えないフラストレーションなどから次第に孤立するようになり、ついにはグループから強制的に脱退させられてしまう。ヒットするために邪魔者だったエフィーが抜けて順風満帆のはずのザ・ドリームスだが、カーティスのヒット曲を生み出すためには手段を選ばないマネジメントとメンバー、作曲家のC.C.の間には次第に埋められない溝ができていく…

非常によくできた作品だと思います。正直あまり期待していませんでしたが、とても感動的で内容の濃い作品でした。やはり舞台でロングランし、当時のトニー賞を取っただけのことはあります。何よりもまず楽曲が素晴らしい!最初から最後まで名曲揃いで、思わず体が動いてしまいます。そして衣装もかっこいい!!特にザ・シュープリームスをイメージしたザ・ドリームスの舞台衣装のウィッグと衣装の数々は素晴らしい出来でした。そして、彼女たちが活躍する60年代のアメリカ社会における黒人の立場、そして彼女たちがヒットするのと平行して(ある程度)向上していく黒人の地位などの社会問題も見事に取り込んだ脚本にもただただ感嘆するのみです。

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映画「バブルへGO!」と「墨攻」 [映画]

最近2つの映画を見ました。ひとつは「バブルへGO!~タイムマシンはドラム式」、もうひとつは「墨攻」。全く違うジャンルですが、どちらの出来も「まあまあ」でした。

「バブルへGO!」は、とにかくバブル期の東京のハイテンションさを笑うために見に行きました。ご都合主義的な話の展開でしたが、見に行った目的はかなり達成されたと思います(^^)あの眉毛の太いメイク、トレンディードラマのようなマンションの部屋、ディスコでのボディコン、タクシー券、アッシー君、ビンゴゲーム、ポケベル…出るは出るは、既に懐かしいモノたちが画面のあちこちに登場します。2007年からタイムスリップした主人公のローライズジーンズを「ずり落ちてへそが出てるよ」と指摘する1990年の人々に、ファッションも変わったね~としみじみしてしまったり。全体的に、1990年の東京という街はやっぱりちょっとおかしかったよね、と改めて確認させてくれる映画でした。パーティーのビンゴの商品が現金200万円ってねぇ(^_^;)

これ、バブル期の記憶が全く無い人や外国人が見たら絶対作り話だと思うでしょうね。そのバブル期の描写は良くできていたので内輪ウケはすると思いますが、いかんせん話のあちこちにツッコミどころがあるし、終わり方もあっそ、やっぱりねって感じであまり盛り上がれませんでした。阿部寛のファンは、彼のドン・ファンぶりが楽しめると思います。ちなみに、田舎の小学生だった私のバブル期の記憶というと、街に変てこなデザインの歩道橋が出来たり、正月にハワイへ家族旅行してくる友達が増えたこと、それから「ちびまるこちゃん」かなぁ~。


話はがらりと変わって、2本目の「墨攻」は、とにかく強国から攻め込まれた弱小国が戦の専門家に援助を頼んで城を守ろうとする話です。ということで、最初から最後まで戦闘の話(笑)その間に女騎馬兵と革離(主人公)のほのかなロマンスもあるんですが、だらしない王様と保身にしか頭が回らない老家来などにイライラしながら、「漢」らしい将軍、イケメンの弓の名手、頭のキれる王子などのカッコイイ登場人物たちの活躍を楽しみました。特に、革離役のアンディ・ラウは有能な司令官であるだけでなく、「兼愛(全てを愛すること)」や「非攻」といった思想を説く墨家として説得力たっぷりの好演でした。彼のファンは必見でしょう(^^)後、韓国の大スター、アン・ソンギが敵の将軍役で良い味だしてます。

墨攻 (1)

墨攻 (1)

  • 作者: 酒見 賢一, 久保田 千太郎, 森 秀樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 文庫

日本の漫画↑が原作ですが、中国の戦国時代の城の様子、衣装やセットなどをしっかりと作りこんでいたと思います。

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なんとなく3兄弟… [映画]


この人と、


この人と、


この人。

並べてみましょう。…名付けて、襟巻き3兄弟(笑)

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映画「幸せになるためのイタリア語講座」 [映画]

※緊急告知※以下で紹介している「幸せになるためのイタリア語講座」が今夜(27日1:55~4:07)東海テレビで放送されます。地域限定ですが、視聴できる方はぜひ録画予約してご覧ください!

私はクリスチャンではないし、田舎に住んでいるのでクリスマスだからといって特別なことはしないのですが、その代わりクリスマスに関わる映画を見ることにしています。

幸せになるためのイタリア語講座 デラックス版 今年の大当たり作品は、大分前からず~っと気になっていた「幸せになるためのイタリア語講座」。もう、期待以上に素敵な映画でした!特にクリスマスの映画ではないのですが、クリスマスの夜がストーリーで重要な役割を果たしています。

あらすじ:コペンハーゲン近郊の街。市役所で週に1回行われているイタリア語講座には、それぞれに悩みや問題を抱えた受講者たちが集まる。妻を亡くした新米牧師、我が儘な父の介護に疲れた不器用な女、片思い中の内気なホテルマン、元サッカー選手の短気なレストラン店長、アルコール依存症の母に手を焼く美容師、好きな相手のアプローチを待つウェイトレス…努力しても上手くいかない日常生活が、このイタリア語講座を通して変わり始める。

ストーリーは淡々と進んでいきます。特に映画の冒頭はテンポが上がらないので、ちょっとの間我慢が必要です。年末の忙しない雰囲気の時こそ、こういうスローペースな映画をリラックスして楽しみましょう(笑)大丈夫、各登場人物が紹介されていくにつれて相関関係が分かるようになっていて、すぐに引き込まれます。頑張ってるのに何故か空回りしてしまう日常と、少人数だけどちょっと不思議な連帯感のあるイタリア語講座の対比が良い感じです。それぞれの人生が交じり合って支え合って、最後はほんわりと暖かい気持ちに。え~こんなに上手くいっちゃうの?っていう展開も、まあいいじゃないの(^_^)と許せてしまいます。そこら辺にいそうな登場人物達と、あえて綺麗に撮ることを避けたカメラワークも好感度大でした。

他に気に入った点は、イタリア語講座の授業と映画の端々で流れるイタリアオペラのメロディー達です。アルコール依存症の母を見舞った美容師が耳にする「ある晴れた日に」のピアノ演奏や、ヴェニスを背景に流れるちょっと物悲しいアレンジの「ムゼッタのワルツ」など、選曲のセンスも良かったです。

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映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」 [映画]

今冬の話題作「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」を見てきました。正直な感想としては、良くも悪くもクリント・イーストウッド監督、予想通りの秀作という感じでしょうか。どちらの作品でも、数々の細かいイベントを羅列してちょっとずつ観客に訴えてくる手法をとっているので、大きなクライマックスが無くて話が掴みにくい展開なのは正にイーストウッド的(^^)劇的な「お涙ちょうだい」場面はないので、感動して泣きたい人は別の映画を選んだ方がいいです。どっちかというと、現実世界の国家間戦争に対する本音と建前のゆがみや、国家と国民の関係を深く考えたい人にお勧めです。

正直に言うと、「父親たちの星条旗」を見た後は、結局はアメリカ人好みの父親賛歌的な内容や現代と戦時中がだらだらと交錯する展開があまり評価できなかったのですが、アフガニスタンやイラクに戦略も無く派兵し続けている今のアメリカ国民に戦争の虚しさと絶対的な正義や悪は存在しないことを訴えるためにはこういう構成が有効なのでしょう。アメリカでは1作目しか見ない人も多いでしょうからね~。日本では「硫黄島からの手紙」の方しか見ない人が多そうですが(^_^;)それでも、「父親たちの星条旗」がすり鉢山の山頂にある星条旗掲揚記念碑から見える現在の海岸線の映像で終わり、「硫黄島からの手紙」はその記念碑の隣に建つ日本兵の戦没慰霊碑から見える海岸線が映って始まるという構成からも、この2作は合わせて見るべき作品でしょう。

あらすじ:第二次世界大戦末期、太平洋上に浮かぶ硫黄島をめぐる日米の攻防をそれぞれの側から描く2部作。「父親たちの星条旗」ではアメリカ兵が星条旗をすり鉢山に立てている写真をめぐる上層部の思惑と国家に利用される兵士達の困惑を描き、「硫黄島からの手紙」では、硫黄島での徹底抗戦を指示した栗林中将を中心に、日本軍兵士達の硫黄島での最期の日々を淡々と伝える

こんなとこでしょうか。登場人物が多くて細かく書き出すと長くなるし、どちらかと言うと感性で見る映画だと思うので詳しいあらすじは書かないほうが良いでしょう。とにかく、アメリカも日本も関係なく、軍事体制下の国家における人間関係や社会情勢に見え隠れする「国民がとるべき態度」と「本音」のせめぎあいにいちいちドキッとさせられます

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映画「椿山課長の七日間」 [映画]

椿山課長の七日間かなり久しぶりに映画を見てきました。やっぱり映画館の大きなスクリーンで見るのは良いですね。映画は西田敏行伊藤美咲になる(笑)というのが話題の「椿山課長の七日間」です。

あらすじ:有名デパートに勤める仕事人間の椿山は、ある日職場で急死してしまうが、あまりにも重大な事実を知る前に死んでしまったという理由で死後7日目まで生前とは正反対の美女の姿で地上に戻れることになる。同時に地上に戻った生みの両親を探す男の子を助けつつ、椿山は生前親しかった人達の驚くべき秘密の数々を知っていくことになる。

原作はこのところ作品の映画化ラッシュの浅田次郎、ということで当然笑って泣ける話です。家族全員で楽しめるような、上手くまとまっている作品でした。俳優陣では西田敏行と伊藤美咲だけが注目されていますが、ヤクザの組長が現世に戻ってきた姿の成宮寛貴も良かったと思います。そして、またまたヤクザ役(笑)の國村準も良い味を出しています。他にも役柄に合った俳優を使っていて、話に説得力が出ていたと思います。ストーリーについては、原作が朝日新聞に連載されていた頃に飛び飛びで一部を読んだ記憶がありましたが、結末は全く未知の状態で見たので話の展開を純粋に楽しめました。公開中なのでネタバレはしませんが、あれだけ伏線をはってあるのだから原作は映画ほどハッピーエンドではないでしょうね(^_^;)

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映画「ダ・ヴィンチ・コード」 [映画]

世界同時公開の話題作「ダ・ヴィンチ・コード」を見に行ってきました。いや~、久しぶりにあんなに混んでる上映館に入りました(田舎なもので、普段はスキスキのシネコンです)。原作をかなり気に入っている身としては、どんな感じに映画化されるのか期待と不安の入り混じった状態だったわけですが、意外と良く出来ていたと思います。

あらすじ:ルーヴル美術館の館長ジャック・ソニエールが美術館内で無残な状態で死んでいるのが発見され、その場に残されたダイイング・メッセージからハーヴァード大学教授のロバート・ラングドンが筆頭容疑者として呼び出される。ソニエールの孫である暗号解読官ソフィー・ヌヴーは、荒々しくしつこい捜査で有名なファーシュ警部の捜査網からラングドンを救い出そうとするが、二人は自然と館長が殺された背景にある、歴史的、宗教的な大きな秘密に関する争いに巻き込まれていくこととなる。果たしてダ・ヴィンチの残した暗号の導く先にあるものは…?

ダ・ヴィンチ・コード(上) とにかく世界中で売れに売れたベストセラー小説の映画化ということでここ数ヶ月大騒ぎでしたね。個人的にはやっぱりトム・ハンクス(Tom Hanks)はラングドンではないし、オドレイ・トトゥ(Audrey Tautou)はソフィーにしては甘すぎるし、サー・イアン・マッケラン(Sir Ian Mckellen)だと最大の助言者サー・リー・ティービングのあのいやらしさ(原作ではデブ)が抜けてしまうと思いましたが、思っていたよりは原作のイメージが崩れることはなかったと思います。特に、私みたいな歴史・キリスト教・西洋美術オタク(笑)でないと分かりづらかったと思われる、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」とジーザスとマグダラのマリアと聖杯についての関連性、それがどのように現代に通じているか、などといった点は映像の力で大分分かりやすくなっていました。それにしてもティービングは高そうな機材を持ってましたね~あんなの欲しい…。

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映画「Vフォー・ヴェンデッタ」 [映画]

封切からかなり経ってますが、「マトリックス」で有名なウォシャウスキー兄弟による「Vフォー・ヴェンデッタ」を見てきました。個人的に、「甲殻機動隊」とかが好きなウォシャウスキー兄弟は「マトリックス-リローデッド(2作目)」の人間とロボットの精神と社会構成とか、あの辺りの哲学や倫理的にゴチャッとした話が好きそうだな~と思っていたので、今回はどっちに転ぶのか、と様子見も兼ねて見に行きました。どうでもいいですが、邦題はせめて「復讐のV」にして欲しかったです。カタカナじゃ訳が分からない!個人的にはvendetta=ドン・ジョヴァンニの騎士長の言葉なんですけどね(笑)

あらすじ:第3次世界大戦後の帝国・全体主義が支配する近未来のイギリス、終身議長のサトラーの台頭によってナチス・ドイツのような政治が行われ、同性愛者、異教徒その他のマイノリティは全て排除されて「平和になった」イギリスのロンドンが舞台。既に封鎖された強制収容所から過去に脱走して潜伏していたと名乗る男が11月5日にセント・メアリー教会を爆破し、ガイ・フォークス(!この日についてはこちら)の仮面を被ってテレビ回線をジャックし、1年後の11月5日「ガイ・フォークスの日」の国会議事堂爆破を予告、国民全員に議事堂の周りに集まるように要請する。弟と両親を国家の手によって亡くしているイヴィーは、偶然に助けられたVに協力するように仕向けられるが、警察や公安もVの正体を追いかけ始めることとなる…

原作はイギリス80年代のコミックですが、やっぱり「全体主義の独裁政府の監視・統制下でのテロ攻撃に正義はあるか」みたいな事を強調した作品でした。映画自体は非常にマニアックなジャンルですが、その爆破の日の後の社会がどうなっていくのか、結局Vは何者で正義か悪か、といった重要なところを観客に委ねて考えさせる点に高感がもてました。あの変な仮面を被った大勢の人が静かに議会に向かって行進する様は、かなり感動的だったりします。ポスター関係のデザインのかっこよさも良いですね。

流石イギリスのコミックということで、細かいところがむちゃくちゃ「イギリスっぽい」ですし、オーウェルの「1984」の影響(全体主義国家、作中の童謡に登場するセント・メアリー教会の爆破)やガイ・フォークスが説明無しに登場する辺り、かなり地域性が高いと思います。Vは黒衣に包まれて仮面をとらない謎の男で秘密の住処に住んでいるなど、「オペラ座の怪人(小説)」との共通点もありつつシェイクスピアの詩を読むような流麗な英語で自己紹介したりする中々お茶目なキャラだと思います。これもイギリス的。80年代はゴシック・ホラー・ロマンスが流行ってましたからね~、イヴィーとVの関係もかなり影響受けていると思います。ロマンスというより親子愛ですが。

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