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METのThe TempestがDVDになります! [オペラ(音源・映像・その他)]

2012年にMETで上演されたテンペスト(The Tempest)のDVDが8月にドイツで発売になります!発売元のDeutche Grammophonのウェブページに紹介されています。プロスペロとアリエルのジャケットはなかなかいい感じ。

まだ日本では発売日が決まっていないようですが、他のMETの映像と同様に日本でも購入できるようになると思いますので、情報が出たらお知らせします。

→でました。日本のAmazonでも予約できるようになりました。発売日は9月17日の予定です。なお、HMVでは、8月27日発売予定となっています。(Lumosさん、情報ありがとうございます!)

ちなみに、サイドバーにも載せましたが、カウフマンがバイエルン宮廷歌手(Bayerischer Kammersaenger)の称号を授与されたお祝いに駆けつけた(?)キーンリーサイドとターフェルとの3ショット写真がちょっと面白いのでご紹介します。カウフマンがこんなにがっはっはと笑っている顔は初めてみますが、カウフマンの合格発表に駆けつけた塾の先生の図、みたいですね(笑)



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あけましておめでとうございます [オペラ(音源・映像・その他)]

1月17日追記:リンクするのが遅くなってしまいましたが、ハイライトがYoutubeのROHチャンネルにアップされています。

Kinoxさんがコメント欄でご紹介してくださっている通り、同じ動画がガーディアン紙(The Guargian)のウェブサイトでも楽しめます。

1月8日追記: 放送後3日間はこちらからオンデマンド映像が楽しめます。それ以降は、ハイライトの映像が楽しめるそうですので、そちらのリンクが分かったらまたこちらに記載します。


なかなか記事の更新もないブログですが、皆様本年もよろしくおねがいいたします。

今回は久しぶりに1週間丸まる正月休みだったのですが、親戚との宴会に明け暮れた他は映画を見に行ったり温泉に行ったりしながらのんびりと過ごしました。欲を言えばもう少し本が読みたかったなぁ~。のんびりしている間にオペラの世界ではアラーニャとゲオルギューが離婚していたりしたようですが、個人的には今日1月7日にやっているRoyal Opera Liveという生放送イベントが楽しみでした。時差のせいで面白そうな部分がほとんど夜中になってしまうのが恨めしいですが、放送後にはオンデマンドになるとか、ハイライト動画が出るとかいう話です。録画した映像も多いですが、生のリハーサルやマスタークラスもあります。注目は新芸術監督のホールテン演出、キーンリーサイドとストヤノヴァの「エフゲニー・オネーギン」のリハーサルとパッパーノのマスタークラスです。

◆Royal Opera Liveストリームページ

<放送予定>
10.30am – Eugene Onegin rehearsal with Simon Keenlyside
10.45am – La donna del lago Model showing with director John Fulljames
12.00pm – The Minotaur stage rehearsal with the cast including John Tomlinson, Christine Rice and Johan Reuter
1.30pm – Antonio Pappano and Kasper Holten interview
1.45pm – Nabucco Chorus rehearsal
2.50pm – The Minotaur Sitzprobe with the cast and conductor Ryan Wigglesworth
3.10pm – Fight workshop. Jette Parker Young Artists
3.40pm – Eugene Onegin choreography rehearsal
4.00pm – Eugene Onegin vocal coaching
5.30pm – La bohème behind the scenes
6.00pm – Antonio Pappano vocal masterclass
6.30pm - La bohème vocal warm up. Youth Opera Company
7.00pm – Conductor preparation for La bohème with Mark Elder
7.30pm - Die Walküre backstage pass
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テンペストのLive in HD映像 [オペラ(音源・映像・その他)]

11月17日の公演を持って無事に終了したMETでの「テンペスト(The Tempest)」公演ですが、11月10日に映画館にライブ中継された映像が、既にネット上に公開されています。日本での公開は12月8日からですが、それまで待てない方は下記リンクからぜひどうぞ。ちなみに、他の公演日には衣装の一部だったタトゥーですが、この日は直に体に描いています!…だったら公演最初から描いておいても良かったのでは?と思わないでもないですが。衣装よりは描いたタトゥーの方が魔術師っぽい雰囲気が良く出ていると思います。しかし、ちょっと見ない間にアデスは貫禄が出てきましたねぇ、特にお腹周り(^_^;)

◆The Tempest Met 2012

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ミュンヘンの「オネーギン」ネット生中継! [オペラ(音源・映像・その他)]

私のボケで日本時間の換算を1時間間違えていたりしましたが、皆さん無事に視聴できましたでしょうか?個人的には演出には特に魅力に感じる部分はありませんでしたが、歌手は素敵だったと思います。Bayeriche Staatsoperのfacebookに舞台写真がいっぱい載っていますので、リンクを貼っておきます。

◆Bayerische Staatsoperオネーギンの舞台写真アルバム
◆Bayerische Staatsoper「ウォールの写真」
ウォールにもカウボーイ達とキャスト集合写真がアップされています。しかし、このキャスト写真、半分はあさっての方向見ているし逆光だし、もう少しうまく撮ってほしいですね(^^;)


Onegin Munich

直前の告知になってしまいましたが、明日24日のミュンヘンの「エフゲニー・オネーギン」公演が、ネットで生中継されます。初日の写真がBayerische Staatsoperのページに3枚だけ載りましたが、噂通りのゲイ(同性愛者)のオネーギンとレンスキーですね(^^)。この2人がゲイで恋人同士という設定の演出には不満がありますが、久しぶりのサイモン・キーンリーサイドのオペラ公演ですし、折角生中継してくれるので、頑張って夜更かしして観たいと思います。

◆Bayerische Staatsoperの生中継情報ページ

※実際にストリーミングが見られるURLはwww.streaming.staatsoper.deとのことです。
3月24日(土)19:00~21:50 ※日本時間25日午前3:00~5:50
Opera "Eugene Onegin"

Larina: Heike Groetzinger
Tatiana: Ekaterina Scherbachenko
Olga: Alisa Kolosova
Onegin: Simon Keenlyside
Lenski: Pavol Breslik
Gremin / Saretzki: Ain Anger
Triquet: Ulrich Ress

Conductor: Pietari Inkinen
Bayerische Staatsoper Orchestra & Chorus

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椿姫で年越し [オペラ(音源・映像・その他)]

今年もいよいよ残りわずかになってきました。ロンドン時間の31日18:00から、ROHの「椿姫」の録音が放送されます。日本時間では、1日午前3:00からの放送ですが、放送後は1週間オンデマンドになるはずです。
[1月3日追記]1月7日まで、こちらからオンデマンドで聞けます。

12月31日(土)18:00-20:40 (日本時間1月1日(日)3:00-5:40)
BBC Radio 3 Opera on 3 "Verdi's La Traviata"

Violetta Valéry.....Ailyn Pérez
Alfredo Germont.....Piotr Beczala
Giorgio Germont.....Simon Keenlyside
Baron Douphol.....Eddie Wade
Doctor Grenvil.....Christophoros Stamboglis
Flora Bervoix.....Hanna Hipp
Marquis D'Obigny.....Daniel Grice
Gastone de Letorières.....Ji Hyun Kim
Annina.....Gaynor Keeble

Conductor.....Patrick Lange
The Orchestra and Chorus of the Royal Opera House

それでは皆様、良いお年をお迎えください!
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ROHの「マクベス」ラジオ放送します [オペラ(音源・映像・その他)]

今日18日が千秋楽のROHの「マクベス」公演ですが、録音された音源がほぼ同時刻にBBC Radio 3で放送されます。キーンリーサイドの役作りの深いマクベスもお勧めですが、とにかくモナスティルスカの(イタリア語は時々怪しいけれど)素晴らしいマクベス夫人と、パッパーノのノリノリの指揮をぜひお楽しみください。日本では夜中の放送になりますが、放送後は1週間オンデマンドになりますので無理に夜更かししなくても大丈夫です(^^)


6月18日(土) 17:00-20:00 (日本時間19日午前1:00-4:00)
BBC Radio 3 "Opera on 3: Macbeth"
※リンク先のページに、舞台写真とあらすじが載っています。

Macbeth: Simon Keenlyside
Lady Macbeth: Liudmyla Monastyrska
Banquo: Raymond Aceto
Macduff: Dmitri Pittas
Malcolm: Steven Ebel

Orchestra and Chorus of the Royal Opera House
Conductor: Antonio Pappano
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ライブビューイング「ドン・カルロ」 [オペラ(音源・映像・その他)]

新年早々に、4時間を越える長丁場のライブビューイング「ドン・カルロ(Don Carlo)」へ行ってきました。大好きな作品ですし、好きな歌手が揃っている公演なのでかな~り期待して映画館へ行きました。前回の「ドン・パスクワーレ」のチケット半券を提示すると300円引きになるので、当日会場窓口でチケットを購入したのですが、さすがの人気演目で最前列の席しか残っていませんでした。お陰で、巨大な画面をずーっと見上げながらの鑑賞となってしまって非常に見づらかったのですが、そんな条件でも十分楽しめたと思います。

まず歌手達についてですが、全体的に調子はまずまずだったのではないでしょうか?やっぱり注目してしまうのはロドリーゴとフィリッポだったりしますが、このオペラではこの2人がキーパーソンなのでそれは仕方ない…です(^^)でも、今回ドン・カルロを歌ったロベルト・アラーニャは、歌唱も演技もとても健闘していたと思います。(何を隠そう、テレビで見た私の初ドン・カルロ体験は彼がタイトルロールだったので、やっぱりしっくりくるのかもしれませんが)政治や統治について思考をめぐらすというより一途な恋に狂った優柔不断なタイプのカルロ像が、この演出プランに上手くはまっています。そんなふわふわしたカルロなら、ロドリーゴによって理想の実現(フランドルの独立)のために巧みに誘導されて利用されそうになってしまうというのも頷けますね。もう、自分で考えることを放棄していると言うか、ロドリーゴに何もかも頼りっぱなしな感じです。

サイモン・キーンリーサイドはそんな打算的なロドリーゴを演出家の意図通りにクールに目立たず(笑)いやいや、一歩引いて見事に演じきっていたと思いました。声の調子も良かったのでしょう、いつも気になる手のモジモジもほとんどなかったですし、最期の場面はうつぶせに倒れたままアリアを歌いきっていました。フィリッポとの対決シーンで、一度外した剣帯を付け直したときにマントもはさんでしまったのはご愛嬌!?一人最前列で笑いをこらえるのが大変でした…。何でこう毎回ツッコミどころがあるんでしょうか?実際に劇場でお聞きになった方の中には、声が小さいとかオケに消されてるという意見が多かったのですが、さすがライブビューイング、音量調整もバッチリで全然気にならないというかしっかり聞こえてるじゃん!?という環境でしたので、このロドリーゴ像(王政改革の急進派でカルロの友情や信頼も理想の実現のために利用するのに、逆にその権力に丸め込まれてしまい、結局は理想の実現に至らない未熟な革命家)にイマイチ納得がいかない私でも、これはこれでありかな、と思わされてしまいました。(でも、最後は自分を犠牲にしてまでカルロの命を救おうとするんですよ~?そんなに打算だけの男かなぁ??…ブツブツ)

フェルッチョ・フルラネットの歌うフィリッポは何度聞いても素晴らしいですが、声自体はROHのDVDの方がコンディションが良さそうでした。でも、相変わらず説得力のある演技力が圧倒的で、広大な領土は継いだものの、教会には逆らえず臣下は信用できず妻の愛も得られず苦しむ王の孤独感がにじみ出ていました。

このオペラでは、どうしても男声陣に比べてキャラクターが弱い女声陣ですが、マリーナ・ポプラフスカヤはカルロへの愛とフィリッポや祖国への忠誠の間で揺れるエリザベッタを好演していたのではないでしょうか。相変わらず全然好きになれない声ですが、天真爛漫な王女から異国の王妃へと成長していく演技は説得力もあり、今までの彼女の歌唱の中では一番良かったように思います。いつもデカ目にしすぎなメイクも、今回は比較的ナチュラルでしたしね。もう一人の重要人物エボリ公女を歌ったアンナ・スミルノヴァですが、残念ながら歌唱も演技も不十分という印象です。まるでひとりだけお相撲さんのようにどしどしと歩き回る姿には気品が感じられず、演技も大根、歌もイマイチ…という悪い方に3拍子揃っています。ここで彼女が踏ん張ってくれていればもっと楽しめたと思うので、非常に残念です。

演出に関しては、このハイトナーの演出はあまり好きになれないので物足りなかったり突っ込みを入れたい場面も多いのですが、そんなことばかり言っていても仕方ないので、DVDにもなっているROHの公演との違いに注目してみていました。まず一番に感じたことは、ROHでの上演時よりも改善された場面が多かったということですね。特に異端審問の場面は、ROHよりMETの方が断然いいです。(でも、ここまで手直しするならロドリーゴとテバルドにもマント着せて欲しかった!なんでここはマント無しなんでしょう?変~。)後は、ROHのDVDよりも奥行きのあるカメラワークのお陰でセット自体をかなりじっくりと鑑賞できたのは良かったです。

今回の上演には休憩が2回あり、インタビューにはプリンシパル4人と指揮者が順番に登場しましたし、アラーニャと殺陣師たちの殺陣のリハーサルも見られて面白い特典映像だったと思います(司会のヴォイトとジョルダーニの「西部の娘」の告知コーナーだけは、最後のキス攻撃に閉口してしまいましたけど…)。1度目の休憩には、まず直前まで歌っていたキーンリーサイドとフルラネットが登場し、直前の場面でのキャラクターの心理状況やキャラクターのオペラの中での位置付けについていたって真面目に語っていました。予備知識として印象に残っているのは、ロドリーゴはカルロを操って自分の理想を実現させるために利用しようとするけれど、結局フィリッポに丸め込まれてしまう未熟さがある人物である、というキーンリーサイドの発言と、フィリッポが心情を明かす唯一の相手がロドリーゴであり、おそらく彼が息子であればよかったと感じている、というフルラネットの発言でしょうか。どちらも、戯曲では読み取れてもヴェルディのオペラでは削られてしまっている重要な要素ですが、この2人はかなりそれと分かる演技をしていたと思います。それにしても、フルラネットの喋る声はいつも素敵ですね~(^_^*)第3幕開演前にはポプラフスカヤが登場し、ヴェルディの役に取り組む理由や共演者との相性、指揮者ネゼ=セギャンの素晴らしさについて熱く語っていました。そして、2度目の休憩の際に登場したいつもハイなアラーニャは、ほぼでずっぱりのドン・カルロを歌う難しさや、最初に大変なアリアがあることについて相変わらずべらべらと喋りまくっていましたが、最後にフランスの皆さんに、とフランス語で挨拶した後「アリガトウ」と言っているように聞こえて、満員の館内がどよめきました。フランス語は全くダメなので本当は何と言っていたのか分からないのですが、それまで色々喋ってくれたのに最後の一言でその内容をほとんど忘れてしまいました(笑)まさかフランスで「アリガトウ」って言うのが流行っているわけではないですよね??→解決しました。フランス語で"A bien tout!"(じゃあ、又!)と言っていたのだそうです。(マドモワゼルさん、ありがとうございます)最後に、フランス語ネイティブのカナダ人指揮者ネゼ=セギャンがヴェルディを指揮する醍醐味などを早口で語ってくれました。指揮の出来自体は、ちょっともたもたしていた場面が有ったかな?と思いましたが、好みの問題もあると思います。いずれにせよ、首は痛くなりましたが見に行って良かったです。
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METライブビューイング「ドン・パスクワーレ」 [オペラ(音源・映像・その他)]

※1月13日追記:コメント欄で話題になった休憩時間のインタビュー映像がYoutubeにUPされましたので、以下にリンクしておきます。


今シーズンのMETライブビューイング3つめの演目は、ドニゼッティ作曲の喜劇「ドン・パスクワーレ(Don Pasquale)」。ちょっとマイナーな作品ですが、私は「愛の妙薬」と同じくらい好きです。今回の公演は、一般的な目玉はアンナ・ネトレプコの歌うノリーナのようですが、私個人的には何よりオットー・シェンクの人気演出(2006年初演)と、マリウス・キーチェンの怪演が光っているらしい医者マラテスタを見られるというのが何より楽しみでした。

実際に見てどうだったかと言いますと、いや~楽しかったです。ネトレプコはお肉がついた分ますます元気な歌声を朗々と響かせながら跳ね回ってジョン・デル・カルロの巨大なパスクワーレを振り回し、キーチェンのマラテスタは医者というよりまるでイカサマ師のノリで悪知恵を働かせ、マシュー・ポレンザーニのエルネストはあくまでもダメ男(褒めています)。あっという間に時間は過ぎてしまいました。いや~キーチェンのマラテスタははまり役ですね!歌よし演技よしでのびのび演じているのでこちらまで楽しくなってきます。演出の方は、実は大絶賛とはいかなかったのですが、この作品の魅力は十分に伝えていたと思います。マラテスタとノリーナの場面は非常に面白かったのですが、ノリーナがネコをかぶっている場面や、パスクワーレの家がノリーナの趣味の家具で模様替えされてしまう場面などはもう少し振り幅を大きくして思いっきりギャグにした方が笑えると思うんですよね。2006年に、ROHのジョナサン・ミラー演出(こちらは一般的には不評なのですが)を見たときは、この辺りの処理が非常に上手くて感心したので、余計に物足りなく感じてしまったのかもしれません。

さて、実はこのライブビューイングでもうひとつ楽しみだったのが、休憩時間のインタビューでした。初日の朝にポレンザーニに息子が生まれて、皆が「エルネスト」にしろと言ってきたけど「ジョヴァンニ」にした話とか、ネトレプコとキーチェンの夫婦漫才とかを楽しみましたが、やっぱり注目だったのが次回のライブビューイング演目「ドン・カルロ」のCMで登場したロベルト・アラーニャとサイモン・キーンリーサイドの2人へのインタビューでした。グレーのジャケットでキめたアラーニャの隣に、用務員のおじさんブルゾン?のようなものを青いシャツの上に着たキーンリーサイドが、なるべく画面に映らないように努力…していたように見えました(笑)司会のスーザン・グレアムの質問に対して、2人とも至極真面目に答えていたと思います。特に印象に残ったのは、キーンリーサイドの「5幕版の『ドン・カルロ』ではテノールのことを常に考えて歌っています」という言葉。確かに、シラーの原作に比べてオペラだと、ロドリーゴに比べてカルロの魅力ってあまり伝わってこないんですよね。そんな中、主役を押しのけて脇役がストーリー展開を邪魔しないように気をつけているということでしょうが、私としてはロドリーゴが目立ってくれても全く問題なしなんですけど~(^^)そして噂に聞いていた通り、グレアムが「ありがとう」と言い終わる前に画面から消えていくキーンリーサイドには、思わず噴出してしまいました。

この充実した「ドン・パスクワーレ」のライブビューイングは、日本では今度の金曜日まで各地の映画館で上演中です。オペラ本編も、休憩時間のインタビューもオススメです。私は次回の「ドン・カルロ」が待ち遠しいです~。
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ロイヤル・オペラ来日公演:関係者のブログと批評 [オペラ(音源・映像・その他)]

さて、今回のロイヤル・オペラの来日公演は18年ぶりのイベントということで、日本だけでなくイギリスでも話題になっているようです。更に、今回の来日公演の裏事情や公演以外のオフの過ごし方が良く分かる、関係者によるブログは爆笑必死です。ざっと今まで見つけた分を以下にまとめてみましたので、ぜひ覗きに行ってみてください。ついでと言っては難ですが、反応の遅い日本の新聞とは違い、イギリスの新聞にはいくつか批評も載っていますので、そちらもご紹介します。


Simonkeenlyside.info
キーンリーサイドの公式ページ。批評や写真は順次アップされていきます。

【関係者によるブログ】

JAPAN TOUR
そのものずばりのタイトルのこちらのブログは、ロイヤル・オペラコーラスの団員数名による共同ブログで、日本滞在記と公演の感想に加えてバックステージ写真が満載の、とても面白いブログです。団員・スタッフはVirginとBAに分かれて日本入りしたこと、休日には富士山&箱根、鎌倉、日光、お台場、京都などにそれぞれ観光に行ったこと、そして初日の夜のレセプションパーティーの写真もいっぱい載っています。個人的には、免税で買ったジンを飲むためにトニックウォーターを探し回る様子や、高層ビルを抜けて1回転するゆりかもめとお台場の海&温泉に興奮する様子が面白かったです。こちらのブログ情報によると、キーンリーサイドはどうやら合唱団の一人と一緒に野鳥保護区に行ってきた模様(^^)ちゃんとお目当ての鳥は見れたでしょうか?ちなみに、こちらの記事にはレセプションとステージドアでのキーンリーサイドの写真も載っています。このブログをご覧の方で興味のある方がいるかどうかは分かりませんが、ネトレプコの写真はこちらから見れます。

Royal Opera House-tour-
こちらはロイヤル・オペラハウスのブログです。普段は何とも中途半端な記事が多く、本当に公式ブログなのか疑問に思うほど知られていませんが(笑)、リンクしたtourカテゴリーには、今回の日本公演の様子がほぼ連日アップされています。「椿姫」初日の不調のヤオに舞台上のコーラス全員が乾杯の歌の間に密かに応援していたことなど興味深い裏話が満載ですが、上のブログよりはかしこまった感じです。

【新聞批評】

ガーディアン紙(The Guardian)来日ツアー同行記
Royal Opera Japan tour diary: Scrimping and singalongs in Tokyo
Royal Opera Japan tour diary: Wilting wigs, weapons and a tiny shot at fame
Royal Opera Japan tour diary: The second understudy steals the show
Royal Opera Japan tour diary: the embassy pit-stop
ガーディアン紙の記者がツアーの初日まで同行していたようで、その様子をウェブ上で記事にしています。ヴィオレッタの手紙をアルフレードに手渡す女の子のオーディションの話はなかなか興味深いです。最後の記事には、キーンリーサイドが2日間の巨大杉(縄文杉かな?)を追う興味深い旅に行ってきたことに加えて、嬉しいことに2015年に再び来日公演を行う可能性が高くなった、と書いています。これはぜひぜひ実現させていただきたいですね!

フィナンシャルタイムズ紙(The Financial Times)
Royal Opera House tour, Japan
こちらも来日公演に同行した記者による「マノン」と「椿姫」の簡単な批評です。なぜかネトレプコ絶賛の「マノン」は2つ星で、主役が交代した「椿姫」は4つ星です。演出に対する評価ですかね?日本のクラシック市場規模に対する読みが浅いことや、高価なチケットの売れ行きが悪いなど、この不況なご時勢、ロイヤル・オペラが日本にツアーすることに否定的な記述が目立つようです。ビーチサンダルやタンクトップの観客がいた、なんて書いてますがイギリス人に服装を云々されたくないですね。コヴェントガーデンの安い席もラフな格好している人は多いですよ。第一、チケットの話はNHKホールのキャパの事分かって言ってるんでしょうかね?本家のコヴェントガーデンでも売り切れることは少ないのに…。世界にイギリスの文化を広めるイベントのどこがそんなに気に入らないのでしょう?大体、お金がかかることが不満なら同行しなければあなたの旅費分浮くんですけど~(笑)
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METライブビューイング「ハムレット」 [オペラ(音源・映像・その他)]

METから世界中の映画館に生中継された3月27日の「ハムレット」公演が、ようやく日本でも10日(土)から公開になりましたので、早速見てきました。16日(金)まで1週間に渡って日本各地の映画館で上演されます。上映館や上演時間情報は松竹のMETライブビューイングページでご確認ください。




この日の上演での序曲のホルンのソロとその後のファンファーレのまずさについては既にラジオ中継で聞いて分かっていましたが、映像つきで聴くと更にずっこけそうになりますね(^_^;)しかも、冒頭の戴冠式の合唱の後にソロで歌うクローディアス役のジェームズ・モリス(James Morris)の歌唱がまた、音をとるのを諦めたような、歌っているのか語っているのかすら分からない歌唱で悪い意味で驚かせてくれますし…。映像で見ればあまり気にならないかもしれない、と思っていたのですが、やっぱり気になってしまいました。ヴォータンなどでの素晴らしい歌唱の印象が残っているから、余計に違和感があるんですよねぇ。

Hamlet [DVD] [Import]そんな感じで出だしはちょっと凸凹がありましたが、その後場面が変わってハムレットが登場してからは、サイモン・キーンリーサイド(Simon Keenlyside)が気合の入った演技と歌唱でそんな「つまづき」を忘れさせてくれました。今回と同じ演出(最期は別バージョン)のDVD(左写真からamazonにリンク)は何度も見ていますが、今回の公演の方が断然深い解釈に基づいた役作りをしています。(まあ、DVDの収録の時はその2時間前にバスに轢かれた(!)らしいので、体調があまりよくなかったのかもしれませんが)やっぱりキーンリーサイドのハムレットははまり役ですねぇ~。これが日本にいながら楽しめるなんて、METには感謝、感謝です。「ハムレット」はアリアというよりもセリフを語るような歌唱部分が多いオペラなので、詳細な役作りとか演技力とか表現力といったキーンリーサイドの長所が生きるんでしょうね。シェイクスピアの原作からあちこちカットされているとはいえ、有名なセリフなんかはきちんと入っているので、そういう見せ場を流してしまわずにしっかり表現してくれているのも、演劇ファンとしては嬉しい限りです。特に第2幕のクローディアスとガートルードとの会話のシーンでの、ハムレットの隠し切れない叔父への怒りとそれを取り繕うかのようなおどけっぷりが大好きなのですが、今回のバージョンも堪能させてもらいました。特に、クローディアスに「わが息子よ」と声をかけられて「私の名前は(あなたが殺した先王と同じ)ハムレットです!」とあてつけるところはカメラワークもなかなか上手くて緊迫感がありました。…って、ここは後に続く有名な酒飲みアリアへのつなぎの場面なので、オペラとしては全然聴かせ所ではないんですけどね(^_^;)勿論、こういう「演じる」場面だけでなく、「歌う」場面も初日のような「頑張って大声をだしている」雰囲気は無く、絶好調に近い歌唱だったと思います。これはぜひDVDにもしてほしいものです!

今回評価が分かれているマーリス・ペーターセン(Marlis Petersen)のオフェーリアですが、声だけよりも演技つきで聴く方が断然好印象でした。

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