今回のミュンヘン滞在中に、ロマンティック街道の目玉のひとつ、ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)に足を伸ばしてみました。電車の便はあまり良くないのですが、ミュンヘンからの1日バスツアーに参加すれば、一人でも気楽に景色を楽しみながら訪れることができます。市街は美しく整備され、家々の窓には花が飾られていて、正にメルヘンチックなイメージそのままの街並みが観光客に大人気なのですが、私のお目当ては、ここの聖ヤコブ教会に置かれている、15世紀にバイエルン地方で活躍したティルマン・リーメンシュナイダーによる聖血祭壇!エルサレム入場~最期の晩餐~ゲッセマネでの祈りを扱った木彫祭壇の傑作で、10年越しの夢がかなってようやく実物を見ることができて大満足でした。祭壇の前でたっぷり時間を使った後は、お昼ご飯を食べてちょっと散歩したらもう集合時間(笑)なんだかあわただしい滞在でしたが、大好きな彫刻家リーメンシュナイダーの最高傑作を堪能できて、幸せな気分でミュンヘンに戻りました。次は、もっと田舎に散らばっているリーメンシュナイダーの作品たちを見にいけるといいなぁ。
中心の広場に面した建物と噴水
街の周りをぐるりと囲む市壁。半周くらい上を歩けるようになっています。
市壁の上から見た聖ヤコブ教会周辺
これが聖血祭壇。彫刻は細かい部分まで神経が行き届いている繊細な作品ですが、予想以上に大きい!
中央の主題は「最期の晩餐」。手前中央にいるのが裏切り者ユダ。
奥のキリストを切なく見上げる(と、私には思える)ユダ。ユダの心の葛藤を表しているようなこの表情が見たかったのです!!
ユダの目線から見ると、キリストの冷ややかな目が怖い~。状況が理解できない使途たちの困惑した表情も見所です。
聖血祭壇の他に、リーメンシュナイダーの工房で作られた「聖母戴冠」の祭壇もあります。
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ちなみに、こちらはローテンブルクにあるもうひとつのリーメンシュナイダーの作品「フランシスコの祭壇」。フランシスコ会教会(Franziskanerkirche)で無料で見られますので、お好きな方はぜひ。
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