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キーンリーサイドいろいろ(2) [Keenlyside]

ええと、まとまって情報が来る時は来るといいますか、tamikoさんが去年と今年読売新聞に載ったキーンリーサイドの記事を紹介してくださいましたので、改めて記事にしたいと思います。

その前に、今度はほぼ確実なラジオ放送情報です。2003年のクリーヴランドでのコンサート形式の「ドン・カルロ」がBBC Radio3のOpera on 3に登場します。音質は良くないですがストリーミングできます。

11月5日(土)  BBC Radio3 Opera on 3  
オペラ「ドン・カルロ」
フランツ・ウェルザー=メスト指揮 クリーヴランド交響楽団
ドン・カルロ: マーカス・ハドック
エリザベッタ: ミリアム・ガウチ 
ロドリーゴ: サイモン・キーンリーサイド
フィリポ2世: サミュエル・レイミー
エボリ: イヴォンヌ・ナエフ


クリーヴランドのラジオ放送局WCLVで既に何度か放送されている音源ですが、エリザベッタがちょっと弱いことを除けばなかなかレベルの高い公演で、テノールとバスが直前で交代するドタバタがあったとは思えないです(笑)指揮が軽めなのは正にウェルザー=メストの面目躍如?弦楽器の美しさは素敵ですが、荒々しさはないです。テンポも速めですし、何と言うか「都会的」で最初に聞いたときはちょっと物足りなかったのですが、何度か聞くうちに馴染んできました。個人的には、キーンリーサイドのロドリーゴは当然(笑)ですが、ナエフのエボリがお気に入りです。

使えないRadio3のホームページには1週間先までのスケジュールしか出ていないので開始時間はまだ不明ですが、おそらくこちらの18時から19時の間に始まりますので日本はまた真夜中ですね(^_^;)詳細が分かったらまた記事にします。

では本題の読売新聞のキーンリーサイド関連記事をどうぞ。

2004年10月19日

初来日のキーンリサイド 「カメレオンのように柔軟に」

 英国を代表するバリトン歌手の一人、サイモン・キーンリサイド氏(45)が今月、来日した。得意とするモーツァルトのオペラなどについて聞いた。
 今回はウィーン国立歌劇場の来日公演に同行。「フィガロの結婚」の好色なアルマビーバ伯爵を演じた。1988年に独ハンブルクでオペラ・デビューした際にも歌った役だ。「これまでに指揮者のリッカルド・ムーティなど様々な音楽家や演出家と共演したことで、多くのことを学び、役作りを深められた」と語る。
 高い音程まで艶のある声でカバーする<ハイ・バリトン>歌手として定評を得て、モーツァルトでは「ドン・ジョヴァンニ」の主人公や「魔笛」のパパゲーノも持ち役としている。
 多くの舞台を経験した「フィガロの結婚」の音楽は、「フィガロが愛や結婚の喜びなどを表してシンプル」なのに対し、「伯爵は階級が上なのに子供っぽく、浮気もする悪い夫で、突然怒り出すなど、大変複雑な表現要素がある」と分析。「その違いはとても面白く、舞台はやりがいがある」という。
 指揮者の小澤征爾とは今回がはじめての共演だった。「作品を新しい視点で見ている感じで、楽譜をよく研究している」とし、その解釈は「伝統的なドイツ風の印象」と受け取った。
 自分の歌に対しては、「今回はウィーンの歌劇場が持つ大きな歯車の一つだと思っている」と語るにとどめ、「私自身はカメレオンのように、どんな役や歌劇場の公演でも柔軟に変われる歌手でありたい」と強調する。
 来年9月には、世界屈指と称賛されるドン・ジョヴァンニ役を、ベルギー王立モネ歌劇場の来日公演で歌う。「高い山に挑戦するような大変な役だが、指揮の大野和士は素晴らしい音楽家。とても楽しみにしている」と抱負を語った。  

最後にはちゃっかり宣伝も入ってますね(笑)タイトルにもなっている「カメレオン」、パパゲーノとジョバンニのどちらも当たり役とし、ペレアスやヴォルフラムでも評判のいい彼らしい発言ですね。

2005年6月27日

ドン・ジョヴァンニ役 サイモン・キーンリサイド 
役作り「高い山に登るよう」

 現代屈指の「ドン・ジョヴァンニ歌手」と言われるバリトンのサイモン・キーンリサイドに、役作りの難しさなどについて聞いた。

 --モーツァルトの歌劇は、得意な演目ですね。
 「ええ。<ドン・ジョヴァンニ>のほか、<フィガロの結婚>のアルマヴィーヴァ伯爵に<魔笛>のパパゲーノと、まったく性格の違う三つの役を歌っています。いずれの場合も舞台ではその役になりきる。後者2作品でモーツァルトは、人間のありのままの姿を描いており、それは人生の鏡のようなもの。だから歌っていて心地良いんです」

 --では、ドン・ジョヴァンニ役はどうですか。
 「それら二つと全く別物で、演じるのはとても疲れる。何より違うのは、ゲーテが言ったように、<ドン・ジョヴァンニ>は神への挑戦を続ける点です。多くの愛や恋を手に入れた末、最後に一つ残ったのが、神に勝てるか。フランス革命前後のヨーロッパを象徴し、神を神とも思わない破壊的な要素がある」

 --大変に難しい役というわけですね。
 「何でも出来るということを、人々に見せないといけない。高い山を登るような気がして、とても負担が大きい。何と言ってもこれは、たくさんの女性を征服し、成功しても、そうとは思わない役柄ですからね」

 --ベルギー王立歌劇場の演出・舞台には、どんな感想をお持ちですか。
 「一見、機能的なアール・デコ風ですが、注意深く見る必要があります。歌詞、せりふと舞台装置の間に必要な統一性を備え、演技にも重きを置く形になっている。暗めの装置の中で様々な表現に挑まなければなりませんが、単にきらびやかな舞台で歌うより、こちらの方がずっと良かったと思っています」             

こちらは以前まとめた記事と被る発言。彼のジョバンニは「革命」「神への挑戦」「自由」が重要なキーワードみたいですね。

tamikoさん、興味深い記事をありがとうございました!


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