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歌曲「詩人の恋」 [音楽(クラシック)]

昨日の記事はあまりにも出来の悪い「椿姫」についてでしたが、昨日は夜のオペラの前に、無料のランチタイム・コンサートへ行ってきました。お目当ては大好きな歌曲集、シューマンの「詩人の恋(Dichterliebe)」

毎回お昼の1時から、オペラハウス内のクラッシュ・ルーム(Crush Room)という部屋(というか夜はレストラン)で行われるリサイタルなのですが、今回は「魔笛」でガッカリ→「美しき水車屋の娘」で再会・株上昇のロバート・マーレイ(Robert Murray)が「詩人の恋」を歌うというので、同時にウィグモア・ホールで開催されている大注目のジョイス・ディドナート(Joyce DiDonato)マイナー歌曲のリサイタルは諦めてコヴェント・ガーデンへやってきました。だって、やっぱり好きな歌が聴きたいじゃないですか。結果的に、ディドナートを蹴った価値は充分にあったと思います。第一こちらは無料ですしね!(笑)

マーレイは相変わらず元気いっぱいのチビコロ体型でしたが、歌い出せばその表現力はかなりのものです。プログラムは、シューマン「詩人の恋」、R・シュトラウス「作品31(Opus 31)」、サミュエル・バーバー(Samuel Barber)「過ぎゆきしものの歌(Melodies passageres)」と、かなりの充実振り。といっても、「詩人の恋」以外は初めて聞く曲ばかりでしたけど(^_^;)バーバーがリルケの詩に曲をつけた「過ぎゆきしものの歌」だけフランス語であとはドイツ語でしたが、マーレイの声はドイツ語の曲の方が似合っているように思いました。ドイツ語のほうが歌い慣れているというのもあるでしょうけどね。

シューマン:詩人の恋「詩人の恋」はいつもフリッツ・ヴンダーリッヒ(Fritz Wunderlich)の名盤(これは本当に名盤です。「詩人の恋」に興味があったらこのCDをどうぞ)を聞いているので、軽めのトーンで歌われるのがタイプなのですが、マーレイは低音が結構重たいので爽やかながらも激しい部分の多い歌唱だったと思います。特に悲しみを表す部分、例えば「彼女は僕の心を二つに裂いてしまった」と歌う部分などはその悲壮感が良く出ていて気に入りました。歌手本人も若いし、声も若いし、この詩の主人公の心の動きを表すには最適のタイプの声だと思うんですよ。青春て感じ(笑)全体としてもとてもレベルの高い演奏で、これが無料で聞けるとはロイヤル・オペラへの寄付者の方たちに感謝しなきゃいけないな~と思いました。マーレイはこのまま歌曲中心でキャリアを積むんでしょうか。個人的にはボストリッジよりも好みの歌い方ですが、ボストリッジみたいに売れっ子になれると良いですね~。

この満足度の高い無料コンサートの後だったので、余計に「椿姫」にはガッカリしちゃったんですよね。って、昨日から何回ガッカリって言ってるんだ私は(笑)


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コメント 3

娑羅

うわ!ヴンダーリッヒじゃないですか!
私、彼の「美しき水車小屋の娘」持ってます。
本当に素晴らしくて、何度聴いたか・・・・。
そして、私の中ではタミーノ=ヴンダーリッヒです。
初めて「魔笛」を聴いたのが、ベーム指揮の録音だったので。
by 娑羅 (2006-01-19 21:44) 

Sardanapalus

娑羅さん>
>ヴンダーリッヒ
>「美しき水車小屋の娘」
勿論、私も持ってますよ~!彼のドイツ歌曲は本当に誰にでもお勧めですね。彼の歌唱では、個人的には「詩人の恋」が一番好きです。

>タミーノ=ヴンダーリッヒ
近いうちに聞くつもりでいます!彼の声でタミーノの歌が聞けるのが楽しみです♪
by Sardanapalus (2006-01-20 00:53) 

dognorah

オペラで芽が出ないと歌曲専門もいいかもしれませんね。
私もTBします。
by dognorah (2006-01-20 20:30) 

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