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フランス旅行記:カルナックとモン・サン・ミシェル [旅行]

さて、断続的に書いている旅行記ですが、今回はフランスのナント在住の友人夫婦に連れて行ってもらった、カルナック~モン・サン・ミシェル1泊旅行について書いてみようと思います。

皆さん、巨石は好きですか?(^^)

ヨーロッパ全域、特にイギリスからフランスにかけて、巨大な石で構成される古代遺跡が点在しています。紀元前4500~2000年くらいの新石器時代に建てられたものですが、はっきりとした建造年代やそれらの建設意図・方法などが未だに分かっていない神秘的な存在です。一番有名なのは、イングランドのストーンヘンジ遺跡でしょうが、その他にも圧倒されてしまう巨石遺跡はいくつもあります。

今回訪れたのはその中でも有名な、フランス西部ブルターニュ地方に位置するカルナック(Carnac)の遺跡群です。ここのメネク、ケルレスカン、ケルマリオ列石は、それぞれ1キロを越す長さで有名なのですが、どれだけ長いかというと、こんな感じ↓。



1キロ以上延々と続く石の列の終わりは、肉眼では見えません。一つ一つはストーンヘンジほど巨大ではないですが、それでも大きいものでは高さ3メートルを超えていますし、とにかく整然と石が並んでいる様は圧倒されるものがあります。あまりに列石が長いので今では林になっている場所があったり、いきなり家が建っていたり、羊が放牧されていたりしますが、そういったのどかな雰囲気の中を無料でなだけ歩き回ることが出来るので、巨石文明に興味のある方はぜひ一度訪れてみてください。この列石の解釈は様々ありますが、民間伝承ではローマ軍が行軍中に石化したものだという伝説があるそうです。そう言われてみると、人間っぽい石もありましたねぇ。実際はもっと古いものなのですが。


 羊と列石

この他にも、ストーンサークル(Stone circle)と言われるストーンヘンジが小さくなったようなものや、ドルメン(Dormen)と呼ばれる石のうえに石が乗っているものや、メンヒル(Menhil)と呼ばれる巨大な直立した岩などが沢山あるので、カルナックの巨石分布地図を貰ってしっかり活用させてもらいました。遺跡と遺跡の間は農道や散歩道のようなところもあり、牧場から移動中の馬の列とすれ違ったりできます。

古代ヨーロッパ好きの私にとってはいつか訪れたい夢の場所だったので、同好の志Mちゃんと一緒にフランス人以上に盛り上がって石と写真を取りまくって、とても楽しかったです♪(^^)それにしても、古代遺跡の中でサッカーをする親子には驚きました(いいのかい!?)
おいおい、そこは遺跡ですよ~


カルナックには一泊したのですが、小さな漁村にも拘らず巨石遺跡をメインに据えた観光地となっていて、夏は休暇を過ごす家族連れでにぎわいそうな場所でした。先史博物館もありますので、ヨーロッパの古代史や、巨石について知りたい方はぜひ訪ねてみてください。滞在したホテルというか、民宿のようなオーベルジュ・ル・ラトリエ(Auberge le Ratelier)の石造りのコテージは、内装も落ち着いていたし部屋もアンティーク家具で揃えてあって、夕食も美味しくて大満足でした♪フロントには英語も通じますし、とてもお勧めのホテルです。

Creperie
お昼を食べたクレペリー(クレープ屋さん)

ブルターニュのお酒といえば、シードル(リンゴ酒)。このラベルにも巨石が(^^)




翌日は、ちょっとドライブして世界遺産モン・サン・ミシェル(Mont Saint-Michel)にも連れて行ってもらいました。

遠くから望むモン・サン・ミシェル

あまり来ることのないフランスの辺鄙な場所にあるので、いつか行こうと思いながら先送りになっていましたが、今回は友達の好意によって車でゆっくりと訪問できました。現在、モン・サン・ミシェルの周囲を掘り返して海を戻し、車の乗り入れを禁止にする計画が進行中ですが、私は今の干潟が広がっている姿も美しいと思います。世界遺産だから海を戻さないといけないのかな?

レンタカーを麓の駐車場へ乗り入れて、修道院へ。修道院までの細い道は、みやげ物屋とレストランがずらりと並んでいて、デザインのかわいい看板は面白かったのですが、人でごった返していて既に疲れてしまいました(^_^;)偶然ですが、この日は何かの祝日だったからか修道院への入場料は無料でした。ラッキー☆



内部は大量のツアー客で込み合っていたのですが、聖堂内ではラテン系のお姉ちゃん達が騒ぎすぎて「静かにしてください!」と係員に注意されていました。これだけの人が出入りしていると、心落ち着けて内部を見学するという余裕はないですね。いわんや祈るのは…ここでは無理でしょう(^_^;)聖堂の内装やステンドグラスは質素なものでした。時代によって要塞になったり監獄になったりしたという歴史を感じさせる下層部の重厚な石組みや、天井の高いホールや、干潟を見渡せる回廊には圧倒されましたが、一度入場すれば十分かな…。様々な建築様式が一気に楽しめるのは面白かったですけど、とにかく人が多いし下層は暗いし、ゆっくり眺めている暇がありませんでした。



この1泊旅行では、長年行きたいと思っていた憧れの場所2カ所に楽々と格安に行くことができて、とても幸せでした。それもこれも、この小旅行を計画してくれたMちゃんとその旦那S氏のお陰です(^^)フランス語から運転まで、お世話になりました。どうもありがとう!!
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コメント 16

keyaki

>ローマ軍が行軍中に石化したものだという伝説
へぇ〜 一旦国を離れると、何年も帰れなかったみたいですが、石になった兵士もいたんですね。

日本だと、このくらいの大きさだと庭石にいいとかで盗まれそう。庭石ってすごく高いらしいですから。あちらにはそういう習慣がないんで、管理しなくても保存できているってことかしら。

私は、フランスよりイタリア料理の方が好きなんですが、クレープだけは別、美味しいですよね。
by keyaki (2008-08-23 10:18) 

sarahoctavian

いいですねぇ~。行きたいなぁ。私は16年前にブルターニュに行って以来フランスが好きになったものです。フランス人にとってもブルターニュって特別な地方なんだと思います。アストリックスと巨石背負ったオベリックスは国民的英雄ですもんね。私もケルト人の歴史興味ありますです。
by sarahoctavian (2008-08-23 16:50) 

彩

わあ、なんて偶然。
夜が涼しくなったことだし、旅行ネタでも更新するかな~(すでに2回分を放置してるし;汗)、とちまちま作業してるとこなんですよ。その中にモン・サン・ミシェルの切手もあったりするし(笑)。

私が行った時は(もう10年も前になりますけど)、そこそこ混んではいましたけど、雰囲気が味わえないほどではなかったかな。
社会見学か何かで来てるらしい小学生くらいのちびちゃんがいっぱいいて、かわいかったのを覚えてます。
私はまた行けたら行きたいと思いましたが(笑)、個人旅行で行くのは結構大変でしょうね。

カルナックの巨石も、どっかで見たことあるような・・・と思ったら、やっぱり切手で持ってました。
便乗してArchaeologyのコーナーにでもアップしておきます(笑)。
by (2008-08-23 21:56) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>石になった兵士もいたんですね
それも、いくつか説があるらしくて、ローマ人だとか、徴兵された地元人だとか、なかなか面白いです。

>庭石にいいとかで盗まれそう
こういった遺跡の石の中には、中世の教会などに再利用されてしまったものも少なくないようです。今は、遺跡だと分かっているし、運ぶにも大変な労力が必要なので生暖かく保護されている状態のようです。世界遺産の場所よりは規制がかなりゆるいですけどね(^^)

>クレープだけは別、美味しい
私も、イタリア料理のほうが好みですが、クレープは美味しいです。しつこくないし(^^)

by Sardanapalus (2008-08-25 00:06) 

Sardanapalus

sarahoctavianさん>
>フランス人にとってもブルターニュって特別な地方
私も、今回初めてブルターニュへ行きましたが、本当に特別な場所という雰囲気がありました。ブルターニュ独自の文化が強く残っていますね。あまりフランスっぽくないというか、パリの雰囲気とは違って、心地よく滞在できました。どうもパリは落ち着かないんですけどね(^_^;)

>アストリックスと巨石背負ったオベリックスは国民的英雄
わ、ここでアステリクスが出てくるとは!(^^)ケルト文化圏では外せない漫画ですね。ケルト文化史の授業でいくつか読みましたよ~。実写映画も何作か作られたようですが、いかんせん日本では公開される望みも無く…。
by Sardanapalus (2008-08-25 00:14) 

Sardanapalus

彩さん>
おお、それはいいタイミングですね♪ぜひ、モン・サン・ミシェルと巨石の切手もアップしてください!私が行った日は無料だったので、いつもは高くて諦める客がわらわらと入場したのではないかと思います(^^)アップしたら、ぜひコメント欄に連絡くださ~い。

by Sardanapalus (2008-08-25 00:18) 

sarahoctavian

私も田舎を訪れて初めてフランスが好きになったクチですが、いつか改めてパリもじっくり・・と思ってます。フランス語できるといいんだけど。
アストリックスの人間版はドバルデュー・オベリックスで救われてると思います。二作目なんて、はっきり言って見る価値ゼロです! 大人も子供も大好きアストリックス、うちでは主人も息子も一通りクリアしてますね~。日本語訳もありますよね?なんとバイエルン語訳ってのも出てます。

by sarahoctavian (2008-08-25 04:58) 

Sardanapalus

sarahoctavianさん>
>フランス語できるといいんだけど
私も、フランスがイマイチ楽しめないのはこれが理由ですね。本当に、フランス語は全く分からなくて…(^_^;)これからも田舎を訪れたいと思うのですが、英語じゃあ厳しそうなんですよね。

>ドバルデュー・オベリックスで救われてる
これ、見てみたいんですよ~~!絶対はまり役ですよね。漫画では、日本語版もあったはずです。でも、バイエルン語にはビックリしました。そういえば、巨石案内センターの売店にもフランス語・英語・ドイツ語の3種類が揃っていましたよ(^^)お土産に買って帰るのかな。
by Sardanapalus (2008-08-25 22:46) 

ごま

もう、イギリスに行っちゃったかな?
いなぁぁぁ「モン・サン・ミッシェル」・・・
挨拶くらいはフランス語できるけど、セーヌ川クルーズでボートの中でお水を買って「いくら?」と聞いて「ドゥーズ」といわれて・・・・指で数えていたら「トゥエルブ」と言ってくれたボーイさんに笑顔でうなずいたら、笑ってくれました(爆)

橋のおかげで、潮の流れが変わってしまったので、海の上に浮かぶ姿を守るために改良工事をするとか聞きましたよ。干潮になると干潟も現れるそうですけどね。
いつかは行きたい場所です。
by ごま (2008-09-03 02:23) 

彩

モン・サン・ミシェルと巨石の切手、アップしたのでお知らせに上がりました。
(これは前からアップしてありますけど、クレープの切手なんてのもあったりしますよ♪)

旅行記編をアップしようと思うと、必然的に歴史編の方もさわらなきゃいけなくて、作業してるうちに、ものすごーく旅行行きたくなってしまいました(笑)。
フランス語・・・今から頑張って勉強したら、来年の8月には目下のチェコ語レベルくらいにはなるかしら・・・?
(そうそう、イギリスこそ行ったことないんですよね。ネイティブの英語怖くて;汗)
by (2008-09-07 14:17) 

Sardanapalus

ごまさん>
はい、もう旅行中です(^^)レスがおそくなってすみません。フランス語なんて、私は数すら数えられませんよぉ。それでもパリなら何とかなるんですが、田舎だとフランス語が話せないと厳しいですね。

>海の上に浮かぶ姿を守るために改良工事
そう、「改良」なんですよね。でも、工事完了後は自動車の乗り入れを全面禁止にするそうなので、またトラム代でお金がかかりますね…(^^;)
by Sardanapalus (2008-09-08 03:19) 

Sardanapalus

彩さん>
>モン・サン・ミシェルと巨石の切手、アップ
拝見しました!カルナックの列石は写真だと思い込んでいたのであまりの渋さに驚きました(笑)モン・サン・ミシェルの方は、結構想像していたものに近かったです。本当、あんなものをよく建てましたよね。少しづつの積み重ねとはいえ、先人達の信念の強さには頭が下がります。

>ものすごーく旅行行きたくなってしまいました
あはは、分かります~。今度は、ぜひフランス語を身に着けて、フランス旅行してください!それと、イギリスの英語はこつをつかめば聞き取りやすいし、観光客慣れしているので、恐れることはないですよ。ただ、こちらが聞きに行くまで無視されますが(笑)
by Sardanapalus (2008-09-08 03:30) 

rosina

先日はお会い出来て楽しかったです。どうもありがとうございました。
あの博物館も同好の方と一緒だと更に(いつもは渋々着いて来る家族と一緒/独りなので)。

フランスも行ってみたいとは思いつつ、イタリア料理の方が好きなもので、どうしてもイタリアに行く事が多いのですが(私もクレープは好きです!)、カルナックはいつか訪れてみたいですね〜

by rosina (2008-09-09 02:54) 

彩

感想ありがとうございました。(^^)
カルナックのは凹版の印刷がお気に入りの“観光切手”ってシリーズの1枚です。(このタイプのモン・サン・ミシェルの切手もあるのですけど、年代物なのでなかなか手に入らない。)
最近はだいぶポップな印刷になっちゃって残念なのですが、職人芸の世界なので、なかなか採算が難しいのかも・・・

>今度は、ぜひフランス語を身に着けて
目下のチェコ語レベルって、挨拶と数と、レストランでオーダーができるって程度なんですけど(汗)。
チェコではそのレベルでも、随分ほめてもらえましたが(笑;そもそも日本人観光客がチェコ語を喋ると思われてないし)、フランスだとどうなんでしょうね~。
そもそも英語レベルも大したこと無いので、イギリス行って英語が通じなかったら、他に喋る言葉がないじゃん、と・・・。(非英語圏だと、お互いガイジンの英語だし、という根拠のない安心感があるのですけど。)

ちなみに、やってみたいのは英仏海峡横断の旅、だったりします。(ノルマン・コンクエストの旅というか;笑)
by (2008-09-11 23:43) 

Sardanapalus

rosinaさん>
わざわざ時間をとって、ダブリン市内を案内してくださってありがとうございました。考古学博物館は本当に楽しかったです!(^^)ああいうところは、やはり趣味の合う人と行くに限りますね。

>カルナックはいつか訪れてみたいですね〜
ぜひだんな様とお子様を引き連れて行ってください!最初は乗り気じゃなくても、あの列石を目にすればお子様も楽しんでくれると思いますよ♪クレープ美味しいし!(笑)
by Sardanapalus (2008-09-12 00:33) 

Sardanapalus

彩さん>
自分のブログにコメントしてしまってすみません。彩さんの切手ページは、奥が深くていつもじっくりと見てしまいます。

>>今度は、ぜひフランス語を身に着けて
>目下のチェコ語レベルって、挨拶と数と、レストランでオーダーができるって程>度なんですけど(汗)。
フランス語も、それで十分だと思いますよ。こちらが伝わるように努力していると分かれば、相手も親切に英語を交えて会話してくれると思います。特に、田舎の人たちは。

>イギリス行って英語が通じなかったら
イギリスには多様な方言と世界各地からの移民が住んでいますから、よっぽど文法的におかしくなければ通じますよ。皆さん聞き取りがうまいです(^^)最初に通じなくても、何度も繰り返しゆっくり喋っていれば大丈夫です。

>ノルマン・コンクエストの旅
いいですね~。私はロンドン-パリ間は何度か旅しましたが、毎回そのカルチャーギャップを楽しみました。一度はフェリーでドーヴァー海峡をフランスのカレー港からイギリスに向けて旅したいですね。「三銃士」に思いを馳せつつ(笑)
by Sardanapalus (2008-09-12 00:42) 

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