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ベルリン・フィルハーモニー弦楽五重奏団コンサート [音楽(クラシック)]

10月10日に行われたベルリン・フィルハーモニー弦楽五重奏団(Philharmonisches Streichquintett Berlin)のコンサートへ行ってきました。日本語訳された名前が少々紛らわしいですが、この五重奏団を結成したのはソロでも活躍中のチェリストで、いわゆるベルリン・フィルに現在所属しているのはバイオリンの2人とヴィオラの計3人です。過度な期待はせずに行きましたが、とても素敵なコンサートでした。


写真はBerlin Philharmonikerのページより



◇メンバー◇
トーマス・ティム(Thomas Timm)※ベルリン・フィル団員(第2バイオリン首席奏者)
ロマーノ・トマシーニ(Romano Tommasini)※ベルリン・フィル団員
ヴォルフガング・ターリツ(Wolfgang Talirz)※ベルリン・フィル団員
タチアーナ・ヴァシリエヴァ(Tatjana Vassiljeva)
ナビル・シェハタ(Nabil Shehata)

◆プログラム◆
モーツァルト;ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.97 第2楽章
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ (弦楽四重奏曲 第1番 Op.11 第2楽章)
グリーグ:ホルベアの時代から
レスピーギ:リュートのための古い舞曲とアリア第3集
バーバー:弦楽のためのアダージョ
ピアソラ:ブエノスアイレスの冬、ブエノスアイレスの春

~アンコール~
バッツィーニ:妖精の踊り
ボッテジーニ:ベッリーニの歌劇「夢遊病の女」による幻想曲



色々な作曲家の作品を聞けて面白かったこのコンサートですが、その中でも一番素晴らしかったのは間違いなく「アンダンテ・カンタービレ」でした。

まずこのチャイコフスキーらしいロマンティックな哀愁漂うメロディがたまりませんね。しかも、ヴァシリエヴァのチェロパートは出だしの1音で会場の空気が変わったほど素晴らしく、他のメンバーも丁寧な演奏で彼女を支えていて感動的な演奏でした。ブラボーの声がかかったのも納得です。この1曲を聞けただけでも、このコンサートに行った甲斐がありました♪ヴァリシエヴァは既に何度か来日しているそうですが今まで機会がなかったので、今回聴くことができて非常に嬉しかったです。
この他にもチェロが活躍する曲を中心に組まれたプログラムでしたが、全体を通してバランスの取れた美しいアンサンブルを聞かせてくれました。決して広くはない会場は3分の2程しか埋まっていなかったですが、熱心な拍手にこたえてアンコールでは超絶技巧曲を2曲演奏してくれました。1曲目はバイオリンがメインの「妖精の踊り」で、ソロを担当したティムは多少のミスがありましたが大熱演でした。やはりこういう派手な曲は盛り上がりますね。

でも、個人的に圧巻だったのがアンコール2曲目に演奏された「ベッリーニの歌劇『夢遊病の女』による幻想曲」でした。この曲のことを全く知らなかった私は、「夢遊病の女」を題材にしたコントラバスがメインの曲という時点でビックリしたのですが、いざ曲がはじまって更にビックリ!コントラバスでこんなに忙しく弾きまくる曲を今だかつて聴いたことがありません!弦楽アレンジの動画を探せなかったのでピアノ伴奏のものを以下にアップしておきます。特に4分を越えてからの超絶技巧部分は聞き応えだけでなく見応えも(^^)十分です。

このとんでもない曲を楽しそうに弾ききってくれたのが、バレンボイムもお気に入りだというシェハタ。若干24歳でベルリン・フィルのコントラバス首席奏者となったその甘い音色とテクニックは圧巻と言うしかありません。現在はベルリン・フィルを辞めてソリスト・指揮者を中心に活動しているそうですが、コントラバスをここまで軽々と弾きこなす人をはじめて見ました。彼の音に興味のある方は、ぜひ下の動画をご覧ください。




そんな感じで、最後まで手を抜かない演奏者達の奏でる名曲の数々を気持ち良く聴けたコンサートだったと思います。機会があれば、またぜひ聞きたい五重奏団でした。
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コメント 5

華子

こんにちは!
いいですね~、生演奏。コンサートに行きたくなってきました(笑)

ピアノは子供の頃習っていた人は結構いると思うんですが、
チェロとかハープとか普段の生活であまり身近にない楽器を弾ける人って尊敬しちゃいます。
かく言う私もバイオリンやってた事あるんですけどね(ほんの3年くらいだけど)...。

by 華子 (2009-10-27 04:09) 

Sardanapalus

華子さん>
地元は田舎なのでこういうコンサートは珍しいのですが、非常に楽しめました。ロンドンに行けばそれこそ毎日コンサートが開かれていますから、次にロンドンに行くときにチェックしてみてはいかがですか?

>バイオリンやってた事あるんですけどね
えええ~~!華子さんにはそんな秘密があったんですね!!かっこいいなぁ♪
by Sardanapalus (2009-10-27 19:49) 

Tomi Yamazaki

長野県の伊那文化会館に行きました。途中、電車の中でメンバーのビオラの人に声をかけられました。私はバイオリンを肩に担いていたから。「そうです。今からコンサートに行きます。」とドイツ語で言ったので、次トーマス君が僕のブースにおいでと、言いました。写真を撮らしてもらいました。後で、バイオリンのケースにサインをお願いします。と、言ったらOKでした。後で高校生みたいな女の人がいて、「チェロです。」と言いました。トーマス君は彼女はロシア人だといいました。それで、ロシア語は喋るの?とロシア語で、聞きました。「ダー」でした。トーマスは彼女には「ダーダーと言っていれば、良いんだよ」と言う感じでした。私はバイオリンをやっていても、下手なので、合唱をしています。と言いました。後で、演奏会に行ったら、さっきの女の子の素晴らしい演奏にびっくりしました。後で、バイオリンのケースにサインをしてもらいました。後で、タチアナを金沢のラフォルジュねに呼ぶ事にしました。後で、私は、ベルリンに行って、「メサいや」に今年の3月5日に出演しました。かねてからの願いでした。叶いました。そして、ビオラの先生にもあえました。
by Tomi Yamazaki (2013-12-26 22:01) 

Yamazaki Tomi

タチアナさんのアンナダンテ・カンタービレは、とても、良かった。まるで、さっきの高校生の女の子は、女王様に変身しました。金沢にも、来てもらった。タチアナは、バイオリンの庄司紗矢香ととても、なかよし、で、山田和樹らと、サンクトペテルブルグのラ・フォルジュねに3人とも、出演したとか。
by Yamazaki Tomi (2014-01-03 07:54) 

Sardanapalus

Yamazaki Tomiさん>
お正月で帰省していてお返事が遅くなりました。コメントありがとうございます!この素敵な五重奏団のメンバーの方々とお知り合いになられたのですね。演奏だけでなく、人柄も素晴らしいメンバーですね。タチアナさんの演奏は、本当に印象的でしたので、機会があればまたぜひ聞きたいです。
by Sardanapalus (2014-01-05 23:58) 

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