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アンゲリカ・キルヒシュラーガー リサイタル@Queens Hall [音楽(クラシック)]

キーンリーサイドのリサイタルと同じ8月19日の午前11時から、エディンバラのQueens Hallで行われたアンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelika Kirchschlager)のリサイタルに立ち見で行ってきました。キルヒシュラーガーを生で聞くのは数年前の「ペレアスとメリザンド」の時以来で、初めてのリサイタルでした。

朝の清々しい空気の中、会場にたどり着いたところ、開演10分前なのにまだほとんどの人が会場外にたむろしています。どうもチケットのもぎり及び席への誘導がうまく機能していない様で、私も席とは反対の階段に行くように指示されてしまいました(^_^;)このホールで働いている知り合いに偶然出会っていなかったら、面倒なことになっていたところです。数年前にリサイタルを聞きに来たときはこんな混乱はなかったのですが、最近トップが変わってからいまいちなのだそうです。せっかく素敵なホールなので、スタッフ教育もしっかりしてほしいです。

そんなごたごたした入場でしたが、リサイタル自体はとても楽しめる内容でした。プログラムはブラームス、シューベルト、モーツァルト。どの曲もお昼前のさわやかな雰囲気にぴったりと合った選曲で、キルヒシュラーガーも気持ちよさそうにのびのび歌っていました。

中でも、モーツァルトの歌曲はどれも名曲ですがなかなか生で聞く機会がないので、5曲もじっくりと聞けて思わず笑顔になりました。特に「夕べの想い(Abendempfindung)」と「春のあこがれ(Sehnsucht nach dem Frühling)」 は自然の美しさを織り込んだ歌詞と、さらりと流れるように気張らない曲のコンビネーションが素晴らしく、キルヒシュラーガーの歌唱スタイルともよく合っていました。

「夕べの想い(Abendempfindung)」by ハント=リーバーソン


「春へのあこがれ(Sehnsucht nach dem Frühling)」 by ヤノヴィッツ※ソプラノですが日本語詞がついていたので…


これらの軽やかなモーツァルトとシューベルトをサンドイッチする形で歌われたブラームスも、前半はフォークソングのアレンジで軽妙に、後半はよりドラマティックな曲を並べて最後は「永遠の愛(Von ewiger Liebe)」で盛り上がって終了!この曲はキーンリーサイドの音源で親しんでいて大好きなので、メゾソプラノの声で(女性側からの歌として)聴けて大満足でした。名手ヘルムート・ドイチュ(Helmut Deutch)のピアノもさすがの演奏で、次々歌われる名曲の隅々まで堪能できました。

終演後はサイン会もあり、Tシャツ姿で現れたキルヒシュラーガーはにこやかにファンと談笑していました。朝からとても気持ちのいいリサイタルを聴くことができましたので、この後お昼ご飯を美味しくいただいたのは言うまでもありません(笑)この日は夜のキーンリーサイドのリサイタルも素晴らしかったので、非常に充実した1日でした。
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Kew Gardens

やっぱりいらっしゃったんですね~。 楽しみにしていた3月のキルヒー・ドイチュのリサイタルが、震災の影響でキャンセルしてしまったので、もしかしてと期待してレポートをお待ちしておりました。 ありがとうございました。 

彼女のリサイタルは、KeenlysideとのオペレッタCDプロモーションコンサートしか聞いたことがないのですが、自然体でさらりと歌っているイメージです。 メリザンドは特別と勝手に思っていましたが、
>後半はよりドラマティックな曲を並べて
わ~、聞いてみたかったわ~。

このリサイタルもBBC 3のLuncheon concertで取り上げられるかもと淡い期待を抱いていたのですが、無いようですね。 ちょっとがっかり・・・・。

ところで、ドイチュの伴奏はいかがでしたか? 生は聞いたことがありませんが、録音やCDなどでは、かなり骨太で、がっちりした構成だったような。 勿論、曲によって変わるのでしょうけれど。

by Kew Gardens (2011-09-08 21:07) 

名古屋のおやじ

キルヒシュラーガーの歌を聴くと、いつも往年の名ソプラノ(といっても声のポジションはメゾよりだったのですが)のゼーフリートのことを思い出します。
声の質も、そして歌が自然なのがいいですね。

オペラ以外で彼女の歌を聴いたのは、キーンリーサイドとのジョイントリサイタル。とても上機嫌で会場のカーネギーホールを後にしたことを覚えています。

それから、ヤノヴィッツも懐かしいですね。1回だけ彼女の歌を聴いたことがありますが、舞台姿に気品があって、会場に染み渡るように響く銀色の声。録音で聴くよりはるかに素晴らしい歌手だと思いました。

ロレイン・ハントにも大切な思い出があるのですが、それはまた別の機会にしましょうかね。
by 名古屋のおやじ (2011-09-08 21:29) 

Sardanapalus

Kew Gardensさん>
本当に、来日リサイタルのキャンセルは仕方のないこととはいえ残念でしたね。オペラの時より格段にリラックスした歌唱が聞けたリサイタルでした。彼女の声には変な力みがないのが素晴らしいと思います。最後のブラームスの曲たちは、キルヒシュラーガーも相当お気に入りのようで、最後まで緊張が途切れませんでした。

>BBC 3のLuncheon concertで取り上げられるかもと淡い期待
そうなんですよ!なぜかこのリサイタルは放送なし!私は「凄く」ガッカリです。プログラムも素敵だったのにぃ~。

>ドイチュの伴奏
そうですね、どちらかというと堅実なタイプで派手さはないですが、かといって目立たないわけではないので絶妙なさじ加減といったところでしょうか。彼に伴奏してもらえば、歌手はとても歌いやすそうです。
by Sardanapalus (2011-09-08 22:14) 

Sardanapalus

名古屋のおやじさん>
>キルヒシュラーガー
>声の質も、そして歌が自然なのがいいですね
同感です!私も、彼女の歌声に無理をしている部分がない(ように感じられる)のがとても好きです。それにしても、あのカーネギーホールのジョイントリサイタルをお聞きになっているとは、羨ましい~!

>ヤノヴィッツ
お恥ずかしながら、今回このビデオクリップで初めてまともに声を聴きました。音質は悪くても、生であればさぞ素敵な歌唱であろうと思わされる素晴らしさだと思います。この曲をここまで軽やかに歌うのはなかなか難しいですよね。

>ロレイン・ハントにも大切な思い出
彼女も、録音でしか聞いたことがないのですが好きなメゾの一人です。名古屋のおやじさんの思い出、いつかお聞きしたいですね。
by Sardanapalus (2011-09-08 22:31) 

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