ミュージカル「プロデューサーズ」 [演劇]
もう先週の話になってしまいましたが、ロンドンで見てきたミュージカルの中で、最後に水曜日の夜に見た「プロデューサーズ(The Producers)」は、流石にお金もかかっている力作で、爆笑の連続でした!来日公演も終わったとこですね。皆さん、ご覧になりましたか?こんな面白い話、見逃したら損ですよ~(日本公演公式ページはこちら)。
ブロードウェーミュージカルの落ち目プロデューサーマックス・ビアリストックは、新作(「ハムレット」のミュージカル「ファニー・ボーイ」^^;)も大不評でやけっぱち。そこへやってきたのが、プロデューサー志望の税理士レオ・ブラウン。彼がふと思いついた「失敗作ミュージカルの帳簿改ざんで儲かる方法」を実行するため、二人は結託して最低のミュージカル作りに取り掛かる。ニューヨークの屋上に鳩と暮らす変なドイツ人フランツ・リープキントの書いたシリアスなナチス・ドイツ礼賛台本「ヒットラーの春」に、けばけばしいレヴュー演出が売り物のゲイの演出家ロジャー・デブリを合わせて「これで失敗間違いなし!」と喜ぶプロデューサー二人。いよいよそのミュージカルの1度限りのはずの公演が幕を開けるが…。
とにかく出てくるキャラが端役に至るまで奇人・変人のオン・パレード!マックスはニューヨーク中の裕福なおばあちゃん達とデートして公演資金を集めているし、レオはスヌーピーのライナスのように常に毛布の切れ端を触っていないと落ち着かないし、オーディションに来てそのまま事務所の受付係になってしまう美人スウェーデン人ウーラは「部屋を綺麗にする」と言って部屋中を白ペンキで塗りつぶしてしまうし、もうとにかく1幕頭からずっとハイテンションなギャグ満載!!主人公の二人のプロデューサー達、ドイツ人やゲイのことをブラックジョークにして笑い飛ばしていますが、あんた達もよっぽど可笑しいよ!(笑)その上にドイツ人とゲイが出てくれば、もはや笑いは止まりません、というくらいの可笑しさ。
ロンドン開幕時のスターキャストは既に変わってしまっていますが、それでも流石に芸達者な役者ばかりで、安心して見ていられました。特にマックスのフレッド・アップルゲート(Fred Applegate)は表情一つ一つが可笑しくて、歌も上手いし演技も上手いし、正にはまり役でした。もう一人気に入ったのはリープキントのニコラス・コリコス(Nicolas Colicos)。鳩にまで第三帝国礼讃歌を歌って聞かせるヒトラー狂のドイツ人を好演というか、正にどこから見てもドイツ人だったので、ネイティブ・アメリカンとはビックリですよ!この人も歌良し、演技良しで会場中を笑いの渦に巻き込んでくれました。他にはデブリの助手、カルメン・ギア役のジェームス・ドレイファス(James Dreyfus)も可笑しかった~。もちろんゲイ役で、しぐさがいちいち可笑しいんです。どう可笑しいのか説明できなくて悔しい~!正に、知りたい人は見てください、というやつです。
しかし、メル・ブルックス(Mel Brooks)はあの映画をよくここまで作り直しましたね~。ダンスの振り付け流石は売れっ子のスーザン・ストローマン(Susan Stroman)、カッコイイしオリジナリティに溢れているし、文句ありません!特に公演資金を提供してくれるおばあちゃん達の歩行器を使ったダンスは最高でした(笑)普段は大人しいウェストエンドの観客も爆笑!劇中のミュージカルとは違って、これだけのスタッフで作れば駄作になるはずがありませんね。トニー賞圧勝も納得の傑作で、左の写真のように大きくて内装は豪華だけどクーラーがない劇場で汗だくになりながら見た甲斐はありました(暑いのでプログラムを買うと紙製の簡易団扇(上写真参照)がついて来ます)。
数年前ニューヨークで見ました。劇中劇があって筋が複雑で英語がわからないと困ると思い、CDを買って予習していきましたが、実際の舞台は予想を遥かに超えて面白く、抱腹絶倒でした!時々笑いに置いていかれたのは、まぁ、仕方ないことですが。
そうそう、「ライナスの毛布」、おかしかったわ!
”Gay,gay,but I'm not a gay"というように歌うところがありましたよね。
by せり (2005-07-26 10:51)
せりさんもご覧になったのですね!もう、本当にお腹が痛くなるまで笑いました~(^o^)古典的なギャグ満載なのに、うまく構成されていて古臭くないし…必ずまた見に行きます(笑)
>”Gay,gay,but I'm not a gay"
ありました(笑)こういう台詞、タイミングが重要ですけど本当にぴったりで大爆笑でしたよ。この曲は、「Gay=華やかな」と「Gay=同性愛者」をかけてるんですよね。
by Sardanapalus (2005-07-26 19:17)