ロンドン旅行記(2):ロンドンの美味しい食べ物 [旅行]
イギリスに一度でも行った事のある方は、その食事の不味さ、もしくは淡白さを経験なさったはずだと思います。海を挟んだフランス、スペイン、ポルトガル、ベルギーなどではそれぞれに趣向を凝らした美味しい料理があるのですが、イギリスには胸を張って紹介できるような「料理」が非常に少ないのです。
例えば、高級レストランで「イギリス料理」と言えるものを出すお店を私は知りません(笑)ほとんどがフレンチだったりイタリアンだったり、セレブに大人気の日本食レストランだったりします。こうしたレストランはそれなりに味も美味しいようですが、何しろインフレ率の凄まじいロンドンのしかも高級レストランでの食事なんて、銀座で寿司を食べるようなものなので気軽に行けるところではありません。それじゃあ、私のような貧乏旅行者は茹で過ぎた野菜や、マッシュポテトの上にのった歯ごたえのないソーセージや冷凍食品のパイといったもので我慢するしかないのでしょうか?いえいえ、大丈夫。きちんと探せば、大変な思いをしなくても美味しく(比較的)安く食事をすることが出来ます。
①フィッシュ・アンド・チップス(Fish and chips)
イギリス料理の代名詞といえば、フィッシュ・アンド・チップスですね。ありがたいことに、ほとんどのお店ではずれることはありません。ここでの「フィッシュ」は肉厚で甘くて巨大な鱈のフライ(というよりは天ぷらに近い)で、「チップス」は指の太さ程度のフライドポテトのことを指します。ちょっと中心から外れた辺りにはフィッシュ・アンド・チップス屋がありますが、ロンドンの中心で食べようと思ったら、パブ(Pub)に行くのが手っ取り早いです。パブで注文すると大きな平皿の上に半身の鱈と山盛りのチップス、それから茹でたグリンピースかサイドサラダがついてきます。揚げたてのフィッシュの衣はカリッ、中はホクホク(^^)毎日食べるにはしつこいですが、滞在中に一度は食べて損はないと思います。
②ポットパイ(Pot-pie)
これはパブで出てくる典型的なイギリス料理のひとつで、簡単に言ってしまえばシチューの入ったグラタン皿の上にパイ生地をかぶせてオーブンで焼いたものです。もし立ち寄ったパブでHomemade pot-pieといったものがメニューや店内の黒板に書いてあったら、ぜひお試しください。こちらも普通はチップスとサイドサラダがついて出てきます。もしかしたらパンもつくかもしれません。シチューの具はステーキ(Steak)=牛肉、鳥肉、野菜、チーズなど様々な種類があります。※Homemadeの表記がない場合は、あまり褒められた味ではない冷凍食品を使っている場合が多いので止めておいた方が無難です。
③中華料理
「え~ロンドンまで行って中華?」と思うかもしれません。が、日本の中華料理は「日本人用」なので、実はロンドンの中華街を試してみるのもなかなか楽しかったりするのです。そしてどこのレストランに行っても平均点以上の味だと思います(ここ重要)。ワンタンスープとか、チャーハンとか、野菜炒めとかは日本人の舌にも合う味付けだと思いますので、アジアの味が恋しくなったらぜひ訪れてみてください。
④ケバブ料理
日本でもシシ・ケバブといえば多少は知られていると思います。イギリスでは、多少どころではなく知られています(笑)はっきり言って、テイクアウト(イギリスではtake awayと言います)のお店といえば中華・ケバブがイギリス人の定番となっているくらいそこらじゅうにあります。イギリスでは羊肉だけじゃなくて鶏肉のケバブも人気があるんですよ。ドナーと呼ばれる縦にぐるぐる回っている巨大な肉の塊をそぎ落としたものと、シシと呼ばれる串焼きにしたものがあって、肉と大量のサラダにガーリックソースと青唐辛子ソースがかかったピタサンドのような状態で出てきます。ほとんどのお店でトッピングを選ぶことが出来ますので、トマト嫌いなら外せますし、辛いのが苦手なら唐辛子を抜くことも出来ます。一応お店の中にシンプルな食事スペースをとっている店が多いですが、持ち帰って家で食べる人がほとんどですね。皆さんも今日は早くホテルに帰りたいな~と思ったら、こういった夕飯を持ち帰ってホテルでのんびりおしゃべりしながら食べるのも良いものですよ(^^)
⑤カレー料理
インドだけでなく、スリランカやバングラデシュなど様々な国のカレーを味わうことが出来ます。日本のカレーとは違いますが、それぞれに特徴のあるスパイスや具の入ったカレーを試すのも楽しいと思います。辛いのが苦手な人も大丈夫!スパイシーな味が苦手なイギリス人のために、コルマなどの辛くない料理も必ずありますので、ご飯がガッツリ食べたくなったらカレーを食べに行ってください。
さて、ご覧の通りイギリス料理で私がお勧めできるものは2つしかありません。第一、山盛りのマッシュポテトに焼いたソーセージを3本載せるだけで立派な料理になってしまうんですから、最初から期待しない方がいいのです。ローストビーフ?あれはあたりはずれが多いんですよね~。勿論、友人などが自宅で作ってくれるというならぜひ食べてください。ただし、脂身ゼロのあっさり赤身ですので、サーロインステーキなどのジューシーな柔らかい肉を想像している人は止めておいた方が無難です。
その代わりというか、種類に乏しいイギリス料理以外の旧植民地を中心とする世界の料理が楽しめるところはロンドンのいいところですね。日本ではなかなかきっかけがなくて食べていない国の料理に挑戦してみるのも良いかと思います。あ、ひとつ忠告しておきますと、ロンドンのイタリアンは自分で厨房に立ちたくなるくらい不味いレストランが鈴なりなので、できる限り避けた方がいいと思います。以上、ロンドンで食事に困らないための豆知識でした。
どんな食べ物が出てくるのかと思っていたのですが、なるほど、こうきましたか(笑)。
私はフィッシュ&チップスは、月に1回くらい食べたくなります。Bond Street駅を出てSouth Molton Streetに入るところにあるパブで食べたら美味しかった記憶があります。
ローストビーフは、日本から来た人が食べたいというと、Simpson's-in-the-StrandかRulesに連れて行きます。Simpson'sはイマイチですが、Rulesは美味しいと私は思います。店の中も面白いし。
イタリアンは、普通の店だとゆるゆるのパスタが出てきて閉口しますけど、イタリア人が経営しているお店を選べば美味しいですよね。日本人の間で有名なレストランがいくつかありますね。
さてさて、次の記事は、「ペレアスとメリザンド」ですか?わくわく♪
by azalea (2007-06-07 07:11)
自分はイギリスに行った事は無いのですが父が若い頃ロンドンに半年程住んでいてインドカレー、フィッシュ&チップス、ローストビーフばかり食べてたと言ってました。
Fish & Chips (シアトルに美味しい店がある), Pot Pie, Shish Kebab, Chinese(アメリカで中華は安くて量が多くてお得),Curry (シアトルはインド人が多いのでインド料理店も多い)全て馴染みがある食べ物なのでいつかロンドンに行っても食べ物には苦労しなくてよさそうなので安心しました。美味しいステーキは高いで滅多に食べませんがアメリカのビーフは殆ど赤身なのでこちらも問題ありません。逆に多分霜降肉のステーキの方が胃に合わないかもしれません。
by 蘭丸 (2007-06-07 15:38)
基本的に非常に薄味好みな私には、ロンドンの食事が妙にぴったり来てしまいました(笑)豆、好きだし(笑)でも本当に教えていただいたフィッシュ&チップスは美味しかったです。あの量だったら、炭水化物はチップスで十分以上ですよね(笑)、持って帰りたかったです。
by (2007-06-07 19:16)
azaleaさん>
>こうきましたか(笑)
はい、こうきました。ちょっと漠然としすぎているので、もっと細かいお勧めのお店なんかも紹介したいですね。
>日本人の間で有名なレストラン
そうそう、ロンドンで暮らしていればそういう情報も得られますが、旅行者はなかなか難しいですからね~。
>次の記事は、「ペレアスとメリザンド」
頑張ってなるべく早く書きますね!
蘭丸さん>
お父さんが住まれていた頃は今より余計に「イギリス料理」の中から選ばなくてはいけなかったでしょうから、その3つは必然的に上位に来ると思います(^^)
>全て馴染みがある食べ物
そう、イギリスの食習慣はアメリカとよく似ていると思います。ROH遠征にいらっしゃる時は、アメリカのカレーとイギリスのカレーを比較してみるのも楽しいかもしれませんね♪
by Sardanapalus (2007-06-07 23:42)
りょーさん>
>非常に薄味好みな私には、ロンドンの食事が妙にぴったり
ふっふっふ、りょーさんは真のイギリス料理の恐ろしさをまだ知らないのですよ~。とか言ってみたりして。フォークで刺すと崩れ落ちる茹でた「だけ」の付け合せ野菜、麺の歯ごたえなんて存在しないスパゲッティ、お湯と粉で作るマッシュポテト…どうですか?(笑)
>炭水化物はチップスで十分以上
あんなに山盛りのチップスを食べてりゃ太るよなーと思いますよね。穀物がろくに育たないイギリスではジャガイモが主要炭水化物なんですが、ホームステイ先で毎晩ジャガイモの何かが出てきた時には炭水化物好きな私でもキツかったです。
by Sardanapalus (2007-06-07 23:52)
イギリスでホームステイしていた人の忠告に従って、イギリス旅行は全部,中華ですませました。ロンドンの中華街の中華はすばらしかったですけど、エジンバラのは得体の知れないものだったような記憶が...
もしかしたら麺が、一番細い、天使の髪とかいわれているスパゲッティだったかも......
イギリスの食べ物で感激したのは、朝食とサンドイッチが美味しかったこと。チェダーチーズが大好きなので、それがはさんであるだけで感激でした。
朝食は、フレッシュジュース、コーンフレーク、なんとか麦のビスケット、カリカリベーコンに目玉焼き、トースト,ミルクティー....朝食に力を入れていますよね。たくさん食べて、働けってことかしらね。
前にも書いたような気がしますが、エジンバラで泊まったペンションは、男は両目玉焼き、女は片目玉焼きでした。
>フィッシュ&チップス
一度だけ、そういう店に入って食べましたけど、ものすごく大きくてびっくりしたことだけ覚えてます。お持ち帰りの人もいて、新聞紙で包んでいたような.......
青いリンゴが美味しかったこと、ベリー類が抱負で美味しかったことかな。果物大好きなんで、満足でした。
by keyaki (2007-06-08 09:13)
>フォークで刺すと崩れ落ちる茹でた「だけ」の付け合せ野菜、麺の歯ごたえなんて存在しないスパゲッティ、お湯と粉で作るマッシュポテト…
ん~と。。。頑張ります。
あ、でも、ほんとに、スキムミルクと薄~いジュースはビックリしました(笑)
>イギリスの食べ物で感激したのは、朝食とサンドイッチが美味しかったこと
私もkeyakiさんに賛成!
イングリッシュ・ブレックファーストと言えば、ポアロさんがヘイスティングスのモリモリの朝食をみて呆れていたのを思い出します(笑)ボリュウム満点でしたね。
それと、これは食事じゃないですけど、スコーンはさすがに美味しかったです。
by (2007-06-08 23:46)
keyakiさん>
>イギリス旅行は全部,中華
今は日本でもおいしい各国料理が食べられますから、余計に中華が無難かもしれません。
>朝食に力を入れていますよね
伝統的な朝食は目玉焼きとベーコンとベイクドビーンズにトースト、ジュース、紅茶、それにフルーツやヨーグルトを加える場合も多いですね。イギリスではBreakfastといえばこういったボリューム満点の朝食セットのことを指します。本当に大量なので、ブランチとかによく食べていました。確かに元気が出ますね。
>青いリンゴが美味しかったこと、ベリー類が抱負で美味しかったこと
フルーツは確かに美味しいものが多いです。私もフルーツ好きなので、さくらんぼとかみかんとかマスカットとか良く食べてました。梨とかスイカのようなみずみずしいフルーツは日本の方がおいしいですけどね。
by Sardanapalus (2007-06-09 00:29)
りょーさん>
>ん~と。。。頑張ります
よっしゃ、次回イギリスへ行くことになったら、マーマイトにも挑戦してもらいましょう!(^^)…うーんでも、不味い食事にお金を払うのは悲しいですから、やっぱりチャレンジしないほうがいいです。
>ポアロさんがヘイスティングスのモリモリの朝食をみて呆れていた
ふふふふ、ヨーロッパ諸国では朝食は軽くとるのが普通ですからね。ポワロさんの美意識には反するでしょうねぇ。
>スコーンはさすがに美味しかったです
大雑把に作る方が美味しいものは実に美味しいです、イギリス(笑)
by Sardanapalus (2007-06-09 00:35)
イギリス在住の友人(ものすごい食いしん坊)いわく、
「イギリス人は日本人ほど、美味しいモノを食べたい!という執念が無いみたい。だから食文化が発展しなかったんだヽ(`Д´)ノ 」
実はワタシ、食べることに対する欲求が希薄でして(食べないで生きていられるなら楽チンだな~とたまに思う)、イギリスでもテキトーにマーケットとかでつまめるモノ買ってくればいいかなって思っていました;;;
んでも、フィッシュアンドチップスとポットパイは食べておきたいかも。
あと、お腹すいたら中華に行きます(笑)!
by しま (2007-06-09 11:53)
しまさん>
>イギリス人は日本人ほど、美味しいモノを食べたい!という執念が無いみたい
そうそう、その通りです。料理にも食べるのにも時間をかける習慣が無いのです。だから、エネルギー補給できれば何でもいいや、っていう姿勢なんですよね~。
>マーケットとかでつまめるモノ買ってくればいいかなって
あ、その方が目の前にあるものを自分で選択できるだけ安全かもしれませんよ。特に、MARKS&SPENCERという日本で言うなら成城石井みたいな高級スーパーは加工食品が美味しいことで有名です。他は、Tescoという最大手チェーン(そして安い)もなかなかやります。スパゲッティや冷凍食品のようなものもイロイロありますが、日本のコンビニのようにお店にレンジやポットがあるわけでは無いので気をつけてください。ホテルの部屋の湯沸かし器でお湯が作れるので、カップヌードルなんかをスーツケースにつめて持っていくと便利かもしれません。
by Sardanapalus (2007-06-10 01:58)
こんにちは!初めてコメントさせていただきます。
実は私もロンドンに2泊だけですが行ってきまして、ペレアスとメリザンドを観て来ました。(5/23)
同じ日でしたら、もしかして、すれ違っていたかもしれませんね。
ロンドンは日本人が多かったのですが、リールは私の視界には入りませんでした。ひとり旅なので、同胞が見当たらないと、なんとなく淋しくなります。
見かけたからといってお話するわけでもないのですが・・・。
↑でazaleaさんがおっしゃっていた老舗レストランのRulesへ行ってきました。ひとり専用テーブルがありました。味もサービスも素晴らしかったです。
by alice (2007-06-10 15:59)
aliceさん>
コメントありがとうございます!こちらからaliceさんのブログをリンクさせていただきましたので、これからもよろしくお願いします。こちらからも日参させていただきます。
>ロンドンに2泊だけ
わざわざ「ペレアスとメリザンド」のために日程を延ばされたのですね?すごーい(@_@)23日、私も見ていましたよー。おそらくすれ違っていたことでしょう(^^)4度も見てしまいましたが、千秋楽だからか一番完成度が高い公演でした。今ちょうど「ペレアスとメリザンド」の記事を書いていますので、よろしかったらそちらもご覧ください。
>老舗レストランのRules
記事を読ませていただきました。美味しそうですね!Rulesは老舗の余裕が感じられて素敵ですね。やっぱり今度はお勧めレストランの記事も書くべきかしら?
by Sardanapalus (2007-06-11 02:19)