SSブログ

オペラ「1984」初日の批評 [オペラ(音源・映像・その他)]

 さて、昨日5月3日は私が以前紹介したサイモン・キーンリーサイドが主演する新作オペラ、「1984」の初日でした。ということで早速各紙に批評が載ったわけですが…オペラ自体の評価は今一ですね~(^_^;)これ、もちろん有名なジョージ・オーウェル(George Orwell)「1984年1984年(Nineteen-Eighty-Four)」が原作(日本語訳のAmazonのページへは左の写真からどうぞ)なので、もともと「どんよりしてそう」「オペラに向いてるのか?」「拷問シーンはどうするんだ」などの心配の声が挙がっていたし、やっぱりストーリーが問題なのかなと思いながら内容をよく読むと…。

        

まず歌手達は皆頑張ってる、特にキーンリーサイドは歌も演技も◎(彼のおかげで見れるオペラになっているとまで書く批評家も)、脚本もまずまず、だけど音楽が駄目という評価がほとんどでした。なんだ、主題そのものより曲のクオリティが問題にされてるんじゃん…って、おいおい、マゼール頑張ってよ!(笑)今更曲をかきなおす事は無いと思いますが、タイムズ(The Times)紙には、ソンドハイムの「スウィーニー・トッド(Sweeny Todd)」よりも語り口調の音楽で退屈、一番メロディアスなデュエットはまるでロイド=ウェーバーの「オペラ座の怪人」からひっぱってきたようだ、なんて書かれちゃってるよ?(笑)それから、1幕目が100分もあるのに、2幕目はたった45分で終わっちゃうっていうのもどうなのかな~。まあ、私の感想は実際見てから書きますが、う~ん、こりゃあまり期待しない方が楽しめるかしら(^_^;)


このオペラに興味のある方には、英語ですがネットで無料で読める記事へのリンクを載せときます。凄いのはガーディアン(The Guardian)で、歌手以外、脚本もセットも音楽も滅多切り(☆一つなんて初めて見た(苦笑))…もうちょっとポジティブなのはテレグラフ(The Telegraph)紙ですか。ちなみに、ロイヤルオペラハウスの「1984」ページはこちらで、「1984」公式ページはこちらです。


nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 8

Lina

1984年って私の生まれた年じゃん。
この年ってなんかあるの??
機会があったら見てみたいです。
by Lina (2005-05-05 20:18) 

Sardanapalus

いや、何かあった訳じゃなくて、「1984年」は、1940年代に書かれた近未来SF小説。未来は真っ暗、って感じの重た~い話だけど、イギリス文学の代表作の一つだね。英語の「Nineteen-Eighty-Four」ならそっちでも売っているはずなので、気が向いたら読んでみても良いかも。一応ロンドンが舞台だし(笑)ただ、本当に重苦しい話で希望も何も無いからLinaの趣味じゃないのは確実だよ。
by Sardanapalus (2005-05-06 02:00) 

NO NAME

あの恐い「1984」オペラ化ですか。
キーンリーサイド、雰囲気的に
あの役にはぴったりでしょう。
1984年なんて、とっくに過ぎてしまったのも
なんだか感慨・・です。
でも、1984年より前に、ああいう社会、あったし、
あるんじゃないかしら、今も。
by NO NAME (2005-05-17 09:31) 

Sardanapalus

コメントありがとうございます。キーンリーサイド、正にはまりまくってましたよ。小柄でちょっと影のある雰囲気とかが「ウィンストン」っぽかったです。そう、オペラのコンセプトは正に「1984年の出来事」じゃなくて、小説やオペラ中でもウィンストンが言うように「1984年…いや、その50年後かもしれないし、50年前かもしれない」世界でした。
by Sardanapalus (2005-05-18 22:47) 

しんしん

私もキーンリサイドのファンです。3月のROH「ワルキューレ」初日に客席でキイーンリサイドをみかけました。 陰りがあって疲れた感じ、ほんとにウィンストンそのものでした。 ガールフレンド(多分)のほうが彼より背が高かったし。 「1984」をナマでご覧になったなんて羨ましいです。私はキーンリサイドと同い年(!)なので冷戦まっただなかの頃読んで懐かしいものがあります。ネズミをつかった拷問シーンがありましたよね......
by しんしん (2005-05-24 23:33) 

Sardanapalus

しんしんさん>
反応が遅くてごめんなさいm(__)mもしまだ来てくださっていたら、またコメントお願いします。キーンリーサイドはワルキューレも見に行っていたのか~。ENOの「ルル」だったかでもガールフレンドと一緒に来てるのを見かけた人がいますよ。オペラ歌手って他人の出てるオペラを普通に見に行くものなのかな?

>陰りがあって疲れた感じ
正にそうですよね~。小柄で眉毛が無い(薄い)から余計に疲れて見えるというか、陰があるというか、まあそこが好きなんですけど(笑)このオペラに嵌ったのはひとえに彼のウィンストンのお陰です。

>ネズミをつかった拷問シーン
形は変わってますが、ちゃんとありましたよ~101号室のシーン。もう、ウィンストンがかわいそうでかわいそうで。「こんな拷問シーンをお金払って見に来てるなんて、ここにいる客は皆サドか!?」とか思っちゃいました(笑)
by Sardanapalus (2005-06-18 18:53) 

sakag510

ORF 2007/01/25 放送予定
Donnerstag, 25. Janner 2007,19:30 Uhr -21:01 (0330JST-0501JST)
Aus dem Konzertsaal
Simon Keenlyside, Bariton; Julius Drake, Klavier.
Ausgewahlte Lieder von Claude Debussy, Francis Poulenc, Maurice Ravel, Nikolaj Rimskij-Korsakow, Sergej Rachmaninow, Johannes Brahms und Richard Strauss (Aufgenommen am 19. Janner im Mozart-Saal des Wiener Konzerthauses)
by sakag510 (2006-11-27 19:10) 

Sardanapalus

sakag510さん>
おお~素晴らしい情報ありがとうございます!早速記事にさせていただきますね。
by Sardanapalus (2006-11-28 11:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。