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ミュージカル「レ・ミゼラブル」 [演劇]

昨日千秋楽だったミュージカル「レ・ミゼラブル」の名古屋公演に行ってきました。実は、ロンドンでは何度も(笑)見たのですが、日本版は機会が無くて今回が初体験でした。ヴィクトル・ユゴー著の名作「ああ無常」をミュージカルにしたもので、ブーブリル&シェーンベルクの代表作。ロイド=ウェーバーの「オペラ座の怪人」と共に、ロンドン発のミュージカルの代名詞ともいえる作品です。

あらすじ:パンひとつを盗んだ罪で19年も懲役刑になっていたジャン・ヴァルジャンの半生の物語。ヴァルジャンは仮出獄になって「自由」な人生に希望を持つが、どこでも前科者として非道な扱いを受けて自暴自棄になってしまう。絶望したヴァルジャンは、パンとワインと宿を与えてくれた司教の銀のカップを盗んで夜逃げするが、警官に捕まってしまう。ところが司教は、盗まれたカップは与えたものだと説明し、更に銀の燭台を忘れていってはいけないよ、と燭台までもヴァルジャンに与える。警官が去った後、「この燭台で真面目な人物になりなさい」と諭されたヴァルジャンは改心して仮出獄証を破り捨てて名前を変えて働き市長までのぼり詰めるが、そこには監獄警察長だったジャヴェールが市警察にいて、脱獄したヴァルジャンを探していた…

あ~だめです、これ以上まとめられない。他にももっといっぱい魅力的な登場人物がいる(原作よりは少ない)んですけどね~。ちなみに、4月は東京・日生劇場公演ですので、興味のある方はぜひ見てみてください!といっても、大人気公演なのでチケット入手は難しいと思いますけど…。

初めての日本版、どうだったか?そりゃ日本語の字余り感は気になりましたけど、全体的にレベルは高かったと思います。ヴァルジャン役はテレビにもちょくちょく登場する長身の大人気俳優、山口祐一郎。この日は千秋楽ということもあってか、調子もよくて声に伸びがありました。演技はちょっと物足りないところもありましたが、彼はとにかく声の人で、高音までしっかり聞けたので充分です。ヴァルジャンをしつこく追いかけるジャヴェール警視岡幸ニ郎さん。彼も長身で、すらっとした体型でハンサムなので私のイメージのジャヴェール(がっしり体型の長身)では無いのですが、彼なりのジャヴェール像が見えて楽しめました。特に最後の自殺シーンは、アイデンティティの揺らいでしまった悲しい男の姿をじっくりと見させてもらいました。どうでもいいですが、やっぱり私はジャヴェールが好きです(^^)

ヴァルジャンの工場で働いていたが隠し子が発覚して首になり、子供を養うために娼婦になってしまうファンテーヌ井料瑠美。演技は嫌いではないですが、弱音になると声のビブラートが凄くて気になってしまいました。ファンテーヌが死に際にヴァルジャンに託す娘コゼットは剱持たまき。はっきりいって、この役は私の注目外なので曲が歌えれば文句無いのですが、彼女は声も外見もはまっていましたね。コゼットをファンテーヌから引き取っていた宿屋の亭主テナルディエとその妻は、地元名古屋出身の駒田一瀬戸内美八でした。がめつくてもかなりお茶目なテナルディエと、とってもきつい妻でした。宿屋での妻の下ネタがあまり受けて無いのが新鮮でした(英語版だといつも大ウケ)が、あの翻訳じゃちょっと笑えないですかね。

多分一番有名な曲「オン・マイ・オウン」を歌うエポニーヌ役の坂本真綾は、報われない恋をしている元気いっぱいの女の子を好演していました。声も役に良く合っていたと思います。エポニーヌが片思いをしているのにコゼットに一目ぼれしてしまう学生マリウス役は泉見洋平、かなり可愛らしいマリウスでした。あまりのオーバーアクションに時々笑ってしまったり…。反王政運動学生グループのリーダー、アンジョルラス役はすらりとしてカッコイイ東山義久でした。私はダンサーとしての彼しか知らなかったのですが、この歌中心の役をしっかり歌いきってました。はっきり言ってビックリしました。こりゃ、ファンが多いのも頷ける役者ですね。

は~。主要キャストに一言コメントするだけでもこんなに長くなっちゃいましたね。キャスト個々の顔を知りたい方は東宝ホームページへどうぞ。とにかく結論としては、演出も微妙に違っていて予想以上に楽しめました。当然英語の方が歌詞は滑らかですが、舞台転換のスムーズさは日本がいいです。というか、どんな舞台でも、日本の舞台転換と照明の使い方のレベルは世界一と言えるでしょう。ということで、集中力が途切れることなく見れました。

観劇後は久しぶりに会った観劇友達と感想を話しながら夜まで飲めたのも嬉しかったです~。次の観劇予定が立ってないのが悲しいですが、また近いうちにどこかへ観に行きたいと思っています。


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stmargarets

東宝のHPみにいっちゃいました。
石井一孝がいまやバルジャンなんですねー。年を感じてしまう(笑)。
岡幸二郎もいいけど、鈴木綜馬のジャベール見てみたいなぁ。
by stmargarets (2006-03-28 07:11) 

わぁ、懐かしい!
知ってる名前もちらほらですが、みんな昇進してるんですねぇ!マリウスの若手だった石井君が(このひと、ディズニーのアラジンですよね?)ヴァルジャンかぁ~...
しかし、このオハナシをよくたった3時間にまとめましたよね。ブログにあらすじを書くのは不可能でしょう(笑)長いエピソードがほんの一行の歌詞に閉じ込めてあったり、すごいです。
Sardanapalusさんには日本語の歌詞新鮮だったんですね(笑)独特ですよね?一音に一単語くっつけられる英語に対して、一音に一文字しかくっつけられない日本語だとさらに内容を収めるの大変そうですよね。でもわたし、まだだいぶん覚えてるぞ、けっこう歌えるかも(笑)
by (2006-03-28 13:47) 

Sardanapalus

おお、コメントありがとうございます!レミゼで盛り上がれて嬉しいです~。

stmargaretsさん>
>石井一孝がいまやバルジャン
そうなんですよ!この前大々的にキャストを変えたときにヴァルジャンになりました。私は見ていないのですが、熱いヴァルジャンだそうですよ。さもありなん(笑)

>鈴木綜馬のジャベール
実は私も見てみたいです!生まれて初めて見に行ったキャッツでスキンブルシャンクスやってた頃から、綜馬さんは好きなのです(^^)

りょーさん>
あらすじは、本当にカンタンにはまとめられませんね。どの登場人物も重要な部分が有るし。

>みんな昇進
そうなんですよ。昔のマリウスやアンジョルラスが!って感じでしょう?東京公演、久しぶりにいかがですか?そうそう、確か石井さんはアラジンの歌部分の吹き替えしてます。

>日本語の歌詞
凄く頑張っていると思いましたけど、やっぱり日本語にするのは難しいでしょう。響きの関係からか、ヴァルジャンの囚人番号まで変えてますからね(24601→24653)。
by Sardanapalus (2006-03-28 23:34) 

>>ヴァルジャンの囚人番号
ああ~、そうでしたね!思い出してきた~。
カッコよく歌いきらなきゃいけないところで、フォーをヨンで我慢しても、にーよんろくぜろいち~!!じゃ、ねぇ、歌いにくいし盛り上がらないよ(笑)ところで、このミュージカル、最初はフランス語で作ってたんでしたっけ?
by (2006-03-28 23:58) 

Sardanapalus

りょーさん>
何だかちょっとチャット気分ですね(笑)

>にーよんろくぜろいち~!!
そう、やっぱり最後の伸ばす音は「AN」で終わらせたかったみたいですね。で、多分「オーワン」に近いということで「ごーさん」にしたのでしょう。

>最初はフランス語
その通りですよ。初演したのにフランスじゃロングランできなくて、CDをつくったら、それをイギリス人プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュが気に入って新しい作品にしたんだったと思います、確か。
by Sardanapalus (2006-03-29 00:04) 

Orfeo

何回か書いているんですけど(あれ?前のブログだったかな?)、私のミュージカル初体験はロンドンでのレミゼ・プレミエだったんですよ。バービカン劇場での興奮は今も忘れられません。それ以降、ロンドン、NYでは何度も見ていますが、日本ではいまだ見れず、です。
by Orfeo (2006-03-29 09:17) 

Sardanapalus

Orfeoさん>
>ミュージカル初体験はロンドンでのレミゼ・プレミエ
素晴らしい初体験ですね。日本ではミュージカルは見ないんですか?予定が合わないとか?

ロンドンのレミゼは、ロイド・ウェーバーの我が儘で小さい劇場に打つだれてしまいましたけど、まだまだ元気にロングラン中です。2年くらい前のキャストはバランスが取れていて最高でしたけど、一番最近に見たときは学生達が今一でした。特にマリウスは芝居しか良いところが無くてガッカリ(^^;)
by Sardanapalus (2006-03-29 18:13) 

黒子

「レ・ミゼ」通いをしいた黒子です。
日本版も楽しまれたようで嬉しいです!!
日本版は1994年から見ていますが、アンジョルラスの岡幸二郎さんがジャベールになって、カテコのあいさつで「後ろから見ていて、前はあれをきていたんだなと・・感慨深かったです」といわれていました。
岡さんのアンジョルラスは去年の「2000回記念バージョン」で見ましたがやっぱりカッコいい!!

石井さんのバルジャンは熱いです(爆)
ただ・・・「Bring Him Home」でマリウスに「若い彼を~~~」というには実年齢ではマリウスとどっちが若いんだ!!と突っ込みたくなります(爆)

綜馬さんのジャベールはだんだん「目の力」がすごくなっていて、ガブローシュに見破られるところでも容赦なくガブローシュをにらみつけます。
「One Day More」ではマリウスの「私は戦おう~」で握りこぶしにキスしています。

通った理由の一つにアンサンブルさんたちを見るのが楽しいというのもありますが今の日本のカンパニーは「ひとまず見ておけ!」と言いたいくらい良く練り上げられています。

日本では来年20周年なのだそうですが、またキャストも変わるのかもしれませんね。
by 黒子 (2006-03-31 14:29) 

Sardanapalus

黒子さん>
千秋楽もご一緒できて楽しかったです~。オススメしていただいた通り、よく纏まっていた公演だったと思います。中日劇場の大きさも適度で良いですね。

>石井さんのバルジャン
>実年齢ではマリウスとどっちが若いんだ!!
本当ですね!(笑)外見も若いんだから、髭とったらあれ?ってなっちゃいそう。

>綜馬さんのジャベールはだんだん「目の力」がすごくなって
目に見えるようです(笑)
by Sardanapalus (2006-04-01 19:44) 

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