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サンフランシスコのリサイタルに向けてのインタビュー&BBC Radio 4: Tales from the Stave [Keenlyside]

今月末にアメリカのサンフランシスコでサイモン・キーンリーサイドのリサイタルが行われますが、それに先立ってSan Francisco Classical Voiceのページにインタビューが載りました。かなりカジュアルな雰囲気のインタビューで、内容もヨセミテ国立公園には何度も行っているとか、小さい子供がいるとなかなか大自然の中に冒険に行けなくてストレスがたまるとか、最近は奥さんの仕事の都合もあってなかなか帰れないウェールズにある農場に、高価だけど美しい日本の楓を植えた話とか、リサイタルとは直接関係のない話が満載です(^^)

もちろん、今回の英語歌曲のプログラムのことと、ピアノ伴奏のマルティノーとの25年に渡る関係についても語っています。また、オペラやクラシック音楽が若者の間に広まっていると思うか、という質問に対しては、レコーディング技術の進歩で素晴らしい録音の数々が入手可能だし、ジュリアード音楽院や世界中に才能豊かな若手音楽家が大勢いる、と言いながらも、デビュー当時も今も客席を見れば白髪の海(^^)なので、魅力を感じるまでに時間を要する芸術もあるし、それを支えるのに十分なだけのファンがいてくれればいいんだ、と現実的な回答をしています。

◆Baritone Simon Keenlyside: Force of Nature




それから、キーンリーサイドは10月18日に放送されたBBC Radio 4のTales of the Staveという番組にゲスト出演しました。この番組は、有名な作品の自筆楽譜をプレゼンターの推理小説作家フランシス・ファイフィールドと専門家たちが見ながら作品の背景などについて討論する、という非常にマニアックな内容なのですが、このシーズンの第1回目の放送で取り上げたのはモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」でした。そこで、ドン・ジョヴァンニ役として定評のあるキーンリーサイドもゲストに招かれたということのようです。30分の番組ですが、最初から最後までオタクな話題で盛り上がっています。Radio4のウェブページ上でオンデマンドで聴けますので、「ドン・ジョヴァンニ」好きな方は下のリンク先からぜひ聞いてみてください。

序曲はオープニングナイトの前夜に徹夜で書かれたので筆跡が非常に荒いとか、紙の上にコーヒーカップの跡のようなしみ(多分インク壺)があるとか、カタログアリアの最後の繰り返し部分は書き直されているとか、楽譜の途中で紙の質が変わっているとか、「ドン・ジョヴァンニ」好きなら一聴の価値のある面白い内容です。特に、もともと作曲された音と実際に上演された(されている)音に違いがある箇所や、速度指定やもともとの歌詞など自筆譜でしか分からない部分で盛り上がる専門家たちの話を聞いているだけで、オペラへの理解がより深まったように思えます。例えば、ジョヴァンニの最期の場面の「いやだ」の2つの音は序曲の冒頭の2つの和音と同じとか、気にしたことがなかったので面白い指摘でした。

他にも、おそらくエピローグがカットされたウィーン版のために、ジョヴァンニが「アー!」と最期の叫び声をあげる前にドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ、ドン・オッターヴィオが「アー!」と叫ぶように作曲されていたのに、後から削除されているというのも面白いです。専門家たちも指摘していますが、ただこの1音を歌うためだけにこの3人が舞台上に登場する様子を想像するとちょっと笑ってしまいます。番組の最後は、キーンリーサイドが「触れることができるだけで嬉しいし、名誉なことだ」という楽譜の上に左手(利き手)を載せて「こんなの馬鹿らしいと思われるかもしれないし、こうして触れるだけじゃ何も変わらないと思うだろうけど、でも変わるのさ」と言って終わります。こういう、専門家たちの愛のあふれる討論は聞いていてこちらまで楽しくなってきますね。(日本の伝統芸能なんかも、こういう番組を作って紹介できればいいんじゃないでしょうか。)

◆Tales from the Stave: Series 7 Episode 1 "Don Giovanni"
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パリのペレアスラジオ放送とDVD「ドン・カルロ」Gramophone Awards 2011受賞 [Keenlyside]

10月10日追記:Gramophone Awards 2011の授賞式の動画がアップされましたので、記事に追加しました。

サイドバーには既にアップしていますが、本日BBC Radio 3にて、サイモン・キーンリーサイドがペレアスを歌った「ペレアスとメリザンド」が放送されます。こちらは、今年5月のパリ、シャンゼリゼ劇場での公演を収録したもので、France Musiqueではとっくに放送済みです。ラングレの指揮するオケも素晴らしく、キーンリーサイドのペレアスにデセイのメリザンドとナウリのゴローと、歌手も揃った好演です。放送後は1週間オンデマンドになりますので、3連休中にのんびり聞いてみるのもいいかと思います。

10月8日(土) 18:00-21:40 (日本時間9日午前2:00-5:40)
BBC Radio 3 Opera on 3 "Pelleas et Melisande"

Melisande ..... Natalie Dessay
Pelleas ..... Simon Keenlyside
Genevieve ..... Marie-Nicole Lemieux
Golaud ..... Laurent Naouri
Arkel ..... Alain Vernhes
Yniold.....Khatouna Gardelia
The Doctor ..... Nahuel di Pierro

The Paris Orchestra and Chorus
Conductor .... Louis Langree




キーンリーサイドによる授賞のコメント(2:10)


そして、ROHの「ドン・カルロ」のDVDが、グラモフォン・アワード2011(Gramophone Awards 2011)のDVDパフォーマンス部門で受賞しました。どうやら授賞式には代表でキーンリーサイドが登場し、トロフィーを受け取ったようです。おめでとうございます~!個人的には、演出に少々物足りない部分があったり、女声陣がイマイチだと感じたりするのですが、全体的には充実した公演になっていると思います。ROHのホームページにも、受賞を告知する記事がアップされています。

Don Carlo: Live From the Royal Opera House [DVD] [Import]

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  • 出版社/メーカー: 東芝EMI株式会社
  • メディア: DVD


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Klassik Radioインタビュー動画 [Keenlyside]

9月29日のハンブルクでの「ゲーテのファウストからの情景(Szenen aus Goehes Faust)」のコンサートパフォーマンスに出演したサイモン・キーンリーサイドですが、その公演前日にドイツのラジオ局Klassik Radioの番組にゲスト出演していたようです。チェックが遅くて放送自体は聞き逃してしまったのですが、Klassik Radioのfacebookページに、短いインタビュー動画がアップされていますので以下の写真からリンクをはっておきます。ドイツ語ですが、とても和やかな雰囲気の楽しい映像です。途中、番組プレゼンターの飼い犬チャップリンも登場します(^^)



スタジオのシステム設備についてあれこれ会話した後、インタビューが始まります。簡単な経歴紹介(オペラの前に動物学を専攻)があり、20年前にオペラデビューしたハンブルクでまた歌えることが楽しみということ、そしてハンブルクの天気についてちょこっと語っているようです。最後にプレゼンターが「素晴らしい歌手です」と持ち上げてくれていますね(^^)コメント欄を読むとどうやらゲスト出演した番組も面白かったようで、聞き逃してしまったのが残念です。その番組で流れた音楽リストはKlassik RadioのホームページにあるPlaylistのページから見られます。9月28日の15:00からのPlaylistを検索してください。

それから、「ゲーテのファウストからの情景(Szenen aus Goehes Faust)」公演の写真と批評は、いつものようにSimonkeenlyside.infoで見ることができます。アップされているプログラムの写真、キーンリーサイドがなぜか半裸のジョヴァンニなんですけど、地獄つながりでしょうか?(^^)批評から推測すると、公演自体はかなり盛り上がったようで、何よりです。ハンブルク交響楽団のイギリス人首席指揮者ジェフリー・テイトがいい仕事をしていたようですね。
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スコットランド旅行記③:ルイス島~カラニシュのストーンサークル [旅行]


さて、このブログを読んでくださっている方は既にご存じとは思いますが、私は巨石の古代遺跡が大好きです!イングランドの世界遺跡ストーンヘンジは当然行きましたが、それ以外にも、フランスのカルナック遺跡アイルランドのバレン高原に(どちらも現地の友達の案内で)行っています。今回のスコットランド旅行でも、せっかく気候が落ち着いている夏に行くのだから辺鄙な場所にある巨石の遺跡のどれかに行きたいな~と考えて、折角なので一番行きづらい北東のはずれのルイス島にあるカラニシュ(Callanish)のストーンサークルを見に行くことにしました。今回訪れたのはCallanish Iと呼ばれている、一番大きくて有名なサークルだけでしたが、カラニシュには合計3つのサークルがあり、機会があればぜひ他の2つも訪れたいものです。

ルイス島へはスコットランド北部のウラプール(Ullapool)から定期フェリーが出ていますが、夏季はエディンバラから飛行機が毎日1往復運航されているので、私はそちらを利用しました。頑張れば日帰りも可能ですが、スコットランドの天気は気まぐれなので、大事を取って1泊2日の滞在にしました。泊まったゲストハウスは部屋も改装済みで快適でしたし朝食も美味しくて大満足でしたが、唯一、名物のブラック・プディング(Black Pudding)を食べられなかったのが残念~。(動物の内臓や血液系のものが苦手なのです…)でも、とても美味しそうだったので食べれる方はぜひお試しください!

ルイス島西部のカラニシュへは、東部ストーノウェイから路線バスが出ています(約30分)。ビジターセンターに横付けしてくれるのでとても便利ですが、本数は少ないので、事前にインフォーメーションで時刻表をもらうといいでしょう。ビジターセンターには快適なカフェがあり、私も美味しいハーブティーで暖まりました。バスの待ち時間を過ごすにはぴったりの場所です。




いざルイス島へ!早朝の便では朝食にシリアルバーが配られました。ちなみに…プロペラ機です!!(^^)


◆カラニシュのストーンサークルビジターセンターのホームページ

大きなCallanish Iのサークル。ビジターセンターもそばに整備されていて、観光客で賑やかでした。


遺跡のど真ん中で追いかけっこをする子供達(^^)


一つ一つ個性的な模様の石が使われています。


苔の生えている石もあります。


サークルの端っこ。


人のいないときを狙ってパチリ!やはりパワースポットなので荘厳な雰囲気があります。


サークルの近くの景色。遠くの山並みは女神の寝ている姿なんだとか。


バス停の横にある湖と対岸の廃屋。

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スコットランド旅行記②:1日バスツアー(ローモンド湖、カトリン湖、スターリング城) [旅行]

スコットランドの魅力を効率よく楽しむには、人気景勝地や観光地を1日または2、3日かけて回るバスツアーに参加するのがお勧めです。バスに乗っていれば、遺跡や湖やウィスキー蒸留所やゴルフ場などのちょっと辺鄙な場所へも連れて行ってくれますし、ドライバー兼ガイドさんも話の上手いおじちゃん達なのでツアー中楽しく過ごせるはずです。

特にエディンバラからは本当に多種多様なツアーが数多くの会社で企画されているのですが、今回私が参加したのは、大手ティンバーブッシュ(Timberbush)社の「ローモンド湖、トロサック国立公園、スターリング城 1日ミニバスツアー」。他社のローモンド湖+ウィスキー蒸留所+スターリング城のツアーとどちらにしようか迷ったのですが、ツーリストインフォメーションセンター(Tourist Information Centre)のスタッフに相談して、蒸気で動く遊覧船に乗れるプランのついた方に決めました。(エディンバラのツーリストインフォメーションセンターは、スタッフが本当に親切でしっかりフォローしてくれるので、困ったときには何でも相談してみるといいと思います。個人的に、ヨーロッパ一使いやすくて役に立つツーリストインフォメーションです。)


ツアー参加者はエディンバラ城前に9:30集合。ドライバー兼ガイドに予約時の名前を告げ、各自ミニバスに乗り込んだら早速出発です。目的地に行く途中の景勝地やちょっとした見所ではスローダウン走行してくれるので、ハイランドの美しい景色をたっぷり堪能できました。また、バスで走る地域に縁のあるスコットランドの英雄ロブ・ロイやウィリアム・ウォレスの逸話などをたっぷり解説してくれますので、そういう歴史に興味のある人には寝る暇もないツアーではないでしょうか(^^)最後のスターリング城は、ちゃんと時間をとってくれますが、オーディオガイドがとても細かくて情報量が多いので、全部聞いていると時間オーバーになりそうでした。お城は最近リニューアルオープンし、子供向けのアトラクションができていましたが、丁寧に修復された教会、執務室、寝室などのお城の内部に加えて、庭や城壁からの眺めなども素晴らしいので、お時間のある方はぜひ訪れてみてください。エディンバラには18:15に戻ってきます。ツアー代金32ポンド+遊覧船8ポンド(団体料金)+スターリング城11.50ポンド(団体料金)で、合計51.50ポンドのツアーでした。

◆ローモンド湖

ツアー最初の目的地。スコットランド民謡「ローモンド湖(Loch Lomond)」で有名です。


ローモンド湖を泳ぐアヒルたち。


湖畔に咲いていたスコットランドの国花アザミ。



昼食をとったAberfoyleのScottish Wool Centreにいた4本角の羊。正直、不気味です!


ルート上にあるお城。現在は、高級なパーティー会場として貸し出しているそうです。


◆カトリン湖(トロサック国立公園内)

国立公園内にあるカトリン湖の蒸気遊覧船「サー・ウォルター・スコット号」乗り場。


デッキ。風が冷たいですが景色は素晴らしいです。


カトリン湖畔の風景


暖かい室内で休憩中のおじいちゃんおばあちゃん。


わんこがいました。


スターリング城(ウェブページにリンクしています)

スコットランド史上で忘れてはいけないスターリング城。スコットランド女王メアリーもここで戴冠しました。


つい最近リニューアルオープンしたばかりで、日本語オーディオガイド(無料)もあります。かなり詳しいガイドで、戴冠式の様子を家臣が語ってくれたりと設定も細かいです。しっかり聞くと2時間くらいかかると思います。


中庭。左側のオレンジ色の壁が復元されたオリジナルのしっくいの色。


壁の彫刻やガーゴイルはかなりユニーク。見ていて飽きません。


お城内部への入口脇には衛兵が。


人が集まってくると中世の衣装を着たガイドさん(中央)が部屋の説明をしてくれます。子供たちに大人気でしたが大人にも面白いです。オーディオガイドと合わせればもう頭が破裂しそうな情報量です(^_^;)

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ソロミュージカル「ロートレック」@C aquila [演劇]


ミュージカル俳優、沢木順が制作・主演しているソロミュージカル「ロートレック(Toulouse-Lautrec: The Musical)」が今年のエディンバラ・フェスティバル・フリンジに参加しているという話をきき、面白そうなので日本語版と英語版の2公演を見比べてみました。ソロミュージカルとは、いわゆる一人芝居のようなもので、登場人物全員を一人の俳優が演じるという形式のミュージカルです。

まず、最初に英語版の公演を見たのですが、こちらは沢木さんではなくスコットランド出身のアレックス・ネスミス(Alex Nasmyth)という若手俳優が演じていました。舞台上には小型のイーゼルが2つあるだけのシンプルな舞台装置でしたが、ロートレックの生い立ちを面白くまとめ上げた台本の巧みさとメロディーの美しい音楽で語られるストーリーは退屈する部分もなく、1時間弱の公演はあっという間に終わってしまいました。貴族の血筋を守るため代々血族婚を繰り返したため、生まれつき骨がもろく背が伸びなかったトゥールーズ=ロートレックがコンプレックスを抱えながらも成長し、画家として才能を開花させていく過程についてはちょっと性格が素直すぎるような気がしましたが、短い生涯の最期、母と父への想いを語る部分などはほろりと来てしまいました。現実にここまで感動的だったかどうかは知りませんが、そこはフィクションのいい所(^^)とても清々しい気持ちで劇場を後にしました。

そして、翌日に沢木順の演じる日本語版を見ました。日本語版は英語版より更に短く、45分程度の上演時間だったように思います。元々1時間半くらいあったそうですので、上演前に沢木さんが口上として語っていた通り「想像力を駆使して」観る作品になっていました。個人的には、英語版では語られていたトゥールーズ=ロートレックの父の息子に対する言葉や、最期の親子の場面の細かいセリフなどが削られてしまっていたのが非常に残念でした。ただ、沢木さんの舞台は久しぶりだったのですが、常にエネルギッシュな熱のこもった演技は相変わらずで、このソロミュージカルの魅力は十分に伝わってきました。また、開演前の口上から観客ひとりひとりを巻き込んでいき、終演後も全員を握手で送り出す姿勢には、舞台人としての心意気を感じました。

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スコットランド旅行記①:フェスティバル中のエディンバラ [旅行]

今回は、せっかく夏の芸術系フェスティバルとして世界的に有名なエディンバラ・フェスティバル期間中に滞在していたので、フェスティバル中のエディンバラの様子をご紹介します。普段はスコットランドの首都とはいえかなり落ち着いた雰囲気のエディンバラですが、夏のフェスティバル期間だけは人口も2倍になり、平日の昼間から人があふれる賑わいを見せます。

「フェスティバル」とひとくくりに表していますが、実際は演劇・バレエ・クラシック音楽を中心としたエディンバラ・インターナショナル・フェスティバル(Edinburgh International Festival)、小劇場系の演劇中心のエディンバラ・フェスティバル・フリンジ(Edinburgh Festival Fringe)、そして世界中のバグパイプ楽団がショーを行うエディンバラ・ミリタリー・タトゥー(Edinburgh Military Tattoo)などのメインとなるフェスティバルをはじめ、ジャズ&ブルース・フェスティバル(Jazz&Blues Festival)やブック・フェスティバル(Book Festival)、アート・フェスティバル(Art Festival)など、本当に様々な分野のフェスティバルが並行開催されています。フェスティバルの全体像が分かるウェブページはこちら。そんな状態ですから、街のあちこちにお祭りの雰囲気が満ちていて、ぶらぶら歩いているだけでもわくわくしてきます。
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エディンバラのOld Town(新装した国立博物館の屋上より)

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エディンバラといえば、のスコッツ・モニュメント

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繁華街Royal Mile。普段とは比べ物にならない賑わいです。

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インターナショナル・フェスティバルの公演が行われるFestival Theatre

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会場になる建物には、番号が掲示されています。こちらはフリンジの111会場。

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ドラゴン?街頭バルーンアーティストの作品です。

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死んでるわけではありません(^_^;)パフォーマンスの宣伝中

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黒い覆面でパフォーマンスのチラシを配る集団。怪しいですが害はありませ~ん♪

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壁にペイントされた劇場。前の広場は割引チケット売り場になっていて、チラシがべたべた。

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路上にも人だかり…パフォーマンス中なのです。

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アンゲリカ・キルヒシュラーガー リサイタル@Queens Hall [音楽(クラシック)]

キーンリーサイドのリサイタルと同じ8月19日の午前11時から、エディンバラのQueens Hallで行われたアンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelika Kirchschlager)のリサイタルに立ち見で行ってきました。キルヒシュラーガーを生で聞くのは数年前の「ペレアスとメリザンド」の時以来で、初めてのリサイタルでした。

朝の清々しい空気の中、会場にたどり着いたところ、開演10分前なのにまだほとんどの人が会場外にたむろしています。どうもチケットのもぎり及び席への誘導がうまく機能していない様で、私も席とは反対の階段に行くように指示されてしまいました(^_^;)このホールで働いている知り合いに偶然出会っていなかったら、面倒なことになっていたところです。数年前にリサイタルを聞きに来たときはこんな混乱はなかったのですが、最近トップが変わってからいまいちなのだそうです。せっかく素敵なホールなので、スタッフ教育もしっかりしてほしいです。

そんなごたごたした入場でしたが、リサイタル自体はとても楽しめる内容でした。プログラムはブラームス、シューベルト、モーツァルト。どの曲もお昼前のさわやかな雰囲気にぴったりと合った選曲で、キルヒシュラーガーも気持ちよさそうにのびのび歌っていました。

中でも、モーツァルトの歌曲はどれも名曲ですがなかなか生で聞く機会がないので、5曲もじっくりと聞けて思わず笑顔になりました。特に「夕べの想い(Abendempfindung)」と「春のあこがれ(Sehnsucht nach dem Frühling)」 は自然の美しさを織り込んだ歌詞と、さらりと流れるように気張らない曲のコンビネーションが素晴らしく、キルヒシュラーガーの歌唱スタイルともよく合っていました。

「夕べの想い(Abendempfindung)」by ハント=リーバーソン


「春へのあこがれ(Sehnsucht nach dem Frühling)」 by ヤノヴィッツ※ソプラノですが日本語詞がついていたので…


これらの軽やかなモーツァルトとシューベルトをサンドイッチする形で歌われたブラームスも、前半はフォークソングのアレンジで軽妙に、後半はよりドラマティックな曲を並べて最後は「永遠の愛(Von ewiger Liebe)」で盛り上がって終了!この曲はキーンリーサイドの音源で親しんでいて大好きなので、メゾソプラノの声で(女性側からの歌として)聴けて大満足でした。名手ヘルムート・ドイチュ(Helmut Deutch)のピアノもさすがの演奏で、次々歌われる名曲の隅々まで堪能できました。

終演後はサイン会もあり、Tシャツ姿で現れたキルヒシュラーガーはにこやかにファンと談笑していました。朝からとても気持ちのいいリサイタルを聴くことができましたので、この後お昼ご飯を美味しくいただいたのは言うまでもありません(笑)この日は夜のキーンリーサイドのリサイタルも素晴らしかったので、非常に充実した1日でした。
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Proms 2011: Prom 58 'Elijah' [音楽(クラシック)]

まだエディンバラおよびスコットランドの記事もアップできていないものがありますが、まずは記憶が古くならないうちに昨夜のロンドンでのコンサートの模様をアップします。


Proms 2011のProm 58はメンデルスゾーンの大作オラトリオ「エリヤ(Elijah)」(英語読みではイライジャ)でした。ソリストのうち、エリヤをサイモン・キーンリーサイドが歌うということで、気合を入れて当日の立見券に朝から並び、アリーナ(1階部分)の最前列で聴いてきました。

この曲を聴くのは今回が初めてでしたが、ポール・マクリーシュが非常に熱のこもった指揮で巨大なコーラスとオケをひっぱり、ソリスト達も丁寧で悪目立ちしない歌唱で、作品として非常にバランスの取れた好演だったと思います。会場が巨大なロイヤル・アルバート・ホールな上、300人のコーラスに120人以上のオーケストラメンバー、そして4人のソリストがここまで息を合わせて演奏するのは非常に難しかったと思うのですが、今回自分で改稿も行ったというマクリーシュの指揮はその規模の大きい演奏をダイナミックにまとめ上げていました。

全く事前の知識は無かったのですが、今までの私のメンデルスゾーンのイメージが変わる様なオラトリオで、ヴィクトリア朝時代のイギリスで大流行したというのも頷けます。(オラトリオといえば、ハイドンの「天地創造」とこの「エリヤ」だったそうです。)3時間近い演奏時間も、あっという間でした。今回は特別に普通の演奏の時の3倍以上の人数を揃えた演奏だそうで、ラジオ中継ではある程度音のバランスが整えられていますのであまり感じられないかと思いますが、会場内ではフォルテの時などは、巨大なオルガンもガンガン響いて、アリーナに立っていると床も体も振動しているのが体感できるほどの迫力でした。私がいたのはステージから1メートルほどの位置でしたので、間違いなく今までで一番音量の大きいクラシックコンサートだったと言えます(笑)しかも、セルパン(serpent)やオフィクレイド(ophicleide)といった滅多に聴けない珍しい楽器が使われていたのも、音だけでなく視覚的にもとても面白かったです。

勿論エリヤを歌ったキーンリーサイドをはじめ、サラ・コノリー、ローズマリー・ジョシュア、ロバート・マレーのソリスト達は素晴らしかったのですが、このオラトリオの主役といえる300人のコーラスは、6つの団体が参加していましたが、そのうち半分はユース・コーラス、つまりまだあどけなさもあるような若者達だったのにも拘らず合唱の技術は非常に高く、公演前にホールの前で記念撮影をしていた時のふざけた様子からは全く想像できない真剣な歌唱で楽しませてもらいました。難しいはずの英語での合唱もしっかり聞き取れる発声でしたので、プログラムの歌詞を読む必要がありませんでした。カーテンコールでも当然会場中から大喝采を受けていました。

この演奏は、BBC Radio 3で1週間オンデマンドで聴くことが出来ます。さらに、同じメンバーで録音したCDが2012年9月に発売される予定です。ラジオ放送だけでなく、こちらも非常に楽しみです♪どうやら今回の演奏も行った、マクリーシュが主催しているガブリエリ・コンソート・アンド・プレイヤーズ(Gabrieli Consort & Players)が若い合唱歌手を育てるプロジェクトを行っており、このユース・コーラス中心の構成やCD録音もその一環のようです。素敵な演奏が聴けて、しかも若い音楽家の育成にもなるこういうことはどんどんやって欲しいです。
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コーラスを称えるマクリーシュ

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左からコノリー、ジョシュア、ボーイソプラノソロのジョンティ・ワード(Jonty Ward)、マレー

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左からジョシュア、ワード、マレー、キーンリーサイド




Proms 2011: Prom 58 Mendelssohn 'Elijah'

Rosemary Joshua, soprano
Sarah Connolly, mezzo-soprano
Robert Murray, tenor
Simon Keenlyside, baritone

Taplow Youth Choir
Ulster Youth Chamber Choir
Chetham's Chamber Choir
North East Youth Chorale
Warsaw Philharmonic Choir

Gabrieli Consort & Players
Paul McCreesh, conductor
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サイモン・キーンリーサイド リサイタル@Usher Hall [Keenlyside]



8月19日に、エディンバラ・インターナショナル・フェスティバルの一環として、サイモン・キーンリーサイドのリサイタルが行われました。しかし、会場はリサイタルにどう考えても大きすぎるUsher Hall…。せっかくQueens Hallという素晴らしい会場があるのだから、チケット数をさばこうなどと考えずに、歌曲を聞く環境のことをもっと考えて設定してほしいものです。

実際に、リサイタルが始まって2曲くらいはキーンリーサイドもピアノのマルティノーも手探りしているような感じでやりにくそうでした。それでも、声が温まってからは次第に違和感もなくなっていき、後半は会場のことをあまり気にせず楽しむことが出来ました。

最初のマーラーの歌曲群はいわばウォームアップといった雰囲気でしたが、最後の"Wer hat dies Liedlein erdacht"は一度生で聴きたいと思っていた曲だったので、念願がかないました。続くデュパルクとドビュッシーのフランス歌曲では、音域的にも表現力においてもキーンリーサイドの魅力が非常に良く出ていたと思います。特にデュパルクはタイトルすら知らなかった曲でしたが、2曲とも構成が面白く、引き込まれました。マルティノーのピアノも、フランス歌曲のエスプリが良く出た演奏で、2人ともとても楽しそうでした。

後半に入ると、キーンリーサイドはますます絶好調で、シュトラウスとシューマンの歌曲をたっぷりきかせてくれました。特に、シュトラウスの"Befreit"は圧倒的な歌唱で、初めて聞いた曲ですがシュトラウスの作品中で一番のお気に入りになりました♪歌詞は亡くなった奥さんを偲んでいる内容だそうですが、恋人同士ならば誰にでも当てはまりそうです。ちなみに、こんな↓曲です。(バリトンのものが無かったのでテノールを。)


そして、最後のシューベルトの時に苦笑しながら舞台上に戻ってきたのでどうしたのかと思ったら、「これで終わりかと思っちゃった(笑)」とのこと。オイオイ(^_^;)きっとマルティノーが「まだ残ってるよ~」と教えてくれたのでしょう。シューベルトは軽めの曲と重たい曲をバランスよく聴かせてくれましたが、個人的にはピアノをいとおしそうに触りながら歌った"An mein Klavier"が印象にのこりました。

熱烈なアンコールには、シューベルトとブラームスを1曲ずつでしたが、最後まで流れのある、素晴らしいリサイタルだったと思います。このリサイタルの模様は8月31日にBBC Radio 3で放送されますが、放送時間の関係上、おそらく何曲かカットされてしまいそうです。"Befreit"は残しておいてね~、BBCさん。

私の感想以外にも、イギリスの音楽批評ウェブサイトSeen and Heard Internationalに大絶賛の批評が載っていますのでご紹介します。


【プログラム】

Simon Keenlyside, bariton
Malcolm Martineau, piano

Mahler:
Ich atmet’ einen linden Duft!
Des Antonius von Padua Fischpredigt
Ich ging mit Lust
Blicke mir nicht in die Lieder
Frühlingsmorgen
Liebst du um Schönheit
Wer hat dies Liedlein erdacht

Duparc:
Le manoir de Rosemonde
Phidyle

Debussy:
Nuit d’etoiles
Voici que le printemps
Les angelus
Mandoline

Strauss:
Winternacht
Waldesfahrt
Das Rosenband
Befreit
Efeu
Ständchen

Schubert:
Auf der Donau
Der Einsame
An mein Klavier
Prometheus
Wanders Nachtlied ll
Im Walde

アンコール:
1. An den Mond in einer Herbstnacht (Schubert)
2. Ständchen (Brahms)
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