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ジューリオ・チェーザレ又はジュリアス・シーザー [オペラ(音源・映像・その他)]

Giulio Cesare in Egitto (3pc) (Sub Dts) 昨日の夜中BS-hiで放送された、2005年グラインドボーン音楽祭のヘンデル(Handel)「ジューリオ・チェーザレ(Giulio Cesare)」が物凄く楽しくて、ついつい最後まで見てしまいました。今日が日曜で良かった(^_^;)

元々大好きなデヴィッド・マクヴィカー(David McVicar)の評判の良い演出だったし、歌手陣も揃っているのでいつかは見ようと思っていたのですが、昨日はタイミング良く放送してくれて久しぶりにNHKに感謝!です。

まずはマクヴィカーの演出が冴えていました。舞台を古代エジプトから19世紀後半、植民地政策下の大英帝国に変更、チェーザレ(シーザー)はイギリス人に読み替えです。その他の登場人物もローマはイギリス、エジプトはインドに振り分けられて様々な軍服や民族衣装を着て登場。とてもカラフルで、ぼーっと見ているだけで楽しいです。しかし当然そこはマクヴィカー、ただ綺麗なだけでは止まりません。各登場人物が等身大でとても魅力的なのです。すらっと長身で男気溢れるチェーザレ、夢見る少女っぽいけれど芯は強いクレオパトラ、気合だけ空回りのテロリスト風セストなどなど、音楽ともストーリーともよく合った設定の人物が生き生きと動きます。当然「エジプトって言ってるけどインドじゃん?」というツッコミを入れたくなる部分はありますが、イギリスで公演するのならこういう演出が分かりやすくてぴったりですね。アキラもニレーノもそんなにリアルに容赦なく殺さなくても…と思ったりもしますが、やっぱりマクヴィカーの演出は好みだなぁ。

歌手はそれぞれはまり役です。自信満々のチェーザレを演じるサラ・コノリー(Sarah Connolly)は一瞬男かと思ったほどカッコイイですし、クレオパトラを熱唱・熱演のダニエレ・デ・ニース(Danielle De Niese)は「エロ可愛い」という言葉がぴったりだし、アンゲリカ・キルヒシュラーガー(Angelica Kirchschlager)のセストは見るからに青二才だし、他の出演者もマクヴィカーの要求にしっかり応えていたと思います。特にデ・ニースはアリアを歌いながらパラパラのような振付のダンスを侍女2人と踊りきり、場内を爆笑&歓声の渦に包み込んでいました。

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YouTubeの楽しみ方 [オペラ(音源・映像・その他)]

著作権上問題があるとかで話題のYouTube。これは元々個人の映像作品をネット上で共有することを目的として作られたページのようですが、今や多彩なジャンルに渡って興味深い映像が何度でも無料で見られるページとして世界各国で大人気となっています。当然オペラやクラシック関係の映像も面白いものがいっぱい!ありますので、時々テーマを決めて検索しては楽しんでいます。こういう楽しみ方をするだけなら著作権とか許してほしいんですけどね~。

 

<聞き比べ編>

ドン・ジョヴァンニ「お手をどうぞ(La ci darem la mano)」
 ★クリスティーヌ・シェーファー&サイモン・キーンリーサイド
 ★カリタ・マッティラ&ディミトリ・ホロストフスキー
 ★アンナ・ネトレプコ&ボー・スコウフス
 ★サラ・ブライトマン&プラシド・ドミンゴ

ざっと見つけたガラパフォーマンスだけでこれだけあります。シェーファー&キーンリーサイドは98年ベルリン・ジルベスターコンサート(アバド指揮)の映像なので、どちらもまだ若いですね。ツェルリーナの最後の「行きましょう(Andiam)!」にこっそりと腹黒い笑みを浮かべるジョヴァンニが怖い。マッティラ&ホロストフスキーのパワフルコンビは珍しい組み合わせでしょう。マッティラは田舎娘というよりも、セクシーな人妻といった雰囲気ですね。昼ドラでしょうか(^_^;)ネトレプコ&スコウフスは、テレビスタジオでの撮影なのでアングルが懲りすぎていて目が回ってきます。スコウフスは服のせいか、どう見ても不良高校生(笑)最後は変り種でブライトマン&ドミンゴ。流石にバリトン歌手の後に聞くと声が軽く聞こえるドミンゴがただのセク○ラオヤジに見えなくも無いのが困りものです(^_^;)

椿姫「乾杯の歌(Brindisi)」
 ★ミレッラ・フレーニ、マルチェロ・アルヴァレス、シェーファー&キーンリーサイド
 ★アンナ・ネトレプコ、マルチェロ・アルヴァレス
 ★アプリーレ・ミッロ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ヴォイト、スカンディウッツィその他

以前keyakiさんのブログで、ガラ公演での面白い「乾杯の歌」が紹介されていたので興味があって探してみたら、keyakiさんの紹介してくださった以上のものはないですが、いくつか笑えそうなのがありました。フレーニ&アルヴァレスのものは98年ベルリン・ジルヴェスターコンサートのもので、やっぱりマルちゃんも若い!客に歌わせようとするフレーニの女王のような威圧感と、後ろでこそこそやっているシェーファーとキーンリーサイドが笑えます。ネトレプコ&アルヴァレスは、マルちゃんの使用後…じゃなくて、パスタ食べた後、といった感じの2004年ベルリンでのもの。客に指示を出す指揮者に注目です。ミッロ&パヴァロッティは、ハンカチ片手にパヴァちゃんやりたい放題(笑)飛んできた野次に「私が指揮してあなたが歌うことにするか?」とジョークまで飛ばしてます。何年かは分かりませんがニューヨークでのコンサートのようです。脇を固めるソリスト達も豪華ですが、皆カンペを持って必死なところが可笑しいですね。

 

<めったに聞けない編>

ジョン・ケージ「4分33秒」
まさか、これをテレビ中継していたとは流石BBC!しかも、これはオーケストラ・バージョンなんだそうですよ。

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オペラ「オルフェオ」@モネ歌劇場(1998年) [オペラ(音源・映像・その他)]

前の記事で「テノールなのかバリトンなのか」分からない役、ペレアスの話題が出ましたので、同じようにテノール/バリトン役が主役で有名(?)なモンテヴェルディの「オルフェオ」を取り上げてみたいと思います。

           

私の唯一の手持ち映像はルネ・ヤーコプス指揮、1998年モネ歌劇場(エクス・プロヴァンス音楽祭との共同制作)での公演です。アメリカ人振付家トリシャ・ブラウンがオペラに振付したというのが話題になったプロダクションということで、上の変てこな写真も実際の舞台写真です(L'ORFEOの文字は後付)。

何がビックリって、出だしから宙にフワフワ浮かぶ人間が登場するんです!

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ラトルの「ペレアスとメリザンド」 [オペラ(音源・映像・その他)]

ラトルの指揮する、ザルツブルク・イースター音楽祭「ペレアスとメリザンド」の初日時差中継がOe1で放送されました。日本の時間では真夜中ということで、録音して翌日から切れ切れに聞いています。

サイモン・ラトルの指揮は、ちょっとテンポは速いですが、今まで聴いた彼の指揮の中で一番素直に聞けました。これはいいじゃないですか、ラトル!フランス物は得意だと聞いていましたが、なるほど~。今まではドイツ物中心で聞いていたから駄目だったのかな。いくつか違うバージョンの「ペレアスとメリザンド」を聞きましたが、全体的なイメージや雰囲気は、今回のものが一番好みです。まあ、大好きなベルリン・フィルだったというのもあるでしょうけど(作品中多用されるフルートがエマニュエル・パユなのも強みですね)。

スタニスラス・ノルデ(Stanislas Nordey)の演出はメリザンド=血の通った人間という設定のようですから、まあキルヒシュラーガーには似合っているでしょう。その他の登場人物は皆ロボットか道化かサイボーグということらしいです。いくつか読んだ批評では総合的にまあまあの評価ですね。メリザンドが「もっと走り回りたそうだった」という批評家も…(^_^;)

          

そのアンゲリカ・キルヒシュラーガーのメリザンド、あまりにイメージからかけ離れていてどうなるのか全く分かりませんでしたが、やっぱりちょっと強いというか、声が太いような気がします。声だけだと、メリザンドは登場から元気いっぱい!で、ゴローの助けなんか要らないくらいしっかりしてます。可憐で妖精のようなメリザンドがタイプな人は聞かないほうが良いでしょう(笑)彼女は初役ということですが、こういうとき問題になるフランス語の発音は、特に気にならないので私は平気でした。

サイモン・キーンリーサイドのペレアスは評判も良い当たり役ということで、役になりきった歌唱で絶好調!という感じです。登場シーンで死にそうな友人のことを思って落ち込んでいる様子や、その後次第にメリザンドに夢中になっていく様子が良く伝わってきます。シャープな高音の響きが、とらえどころの無い「不思議君」ペレアスを良く表していたと思いました。本人が大好きなオペラで気合も入っていたと思うので、あの変な衣装を見るためにもぜひ映像にもしてほしいものです。

ゴローは急に代役になったホセ・ヴァン・ダムですが、やっぱり素敵な声ですね~。深いけれど輝きがあるような声で、もっと深いアーケルとの差もしっかり出ていました。例え代役でも彼の得意の役、完成度は素晴らしいですね。ペレアスがメリザンドと会っている場面を覗くシーンなどの切迫した緊張感や怒りの表現と、最後の脱力感の表現は流石の一言!

それと、放送の休憩時間に行われていたインタビューが結構面白かったです。キルヒシュラーガーはメリザンドの役作りにかなり悩んだこと(やっぱり)、キーンリーサイドはロンドンでペレアスをやりたかったから、ペレアス役にテノールを希望していたラトルの家でオーディションを受けたこととか、ゴローの不言実行の悲劇的態度に同情する2人などなど。

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コヴェント・ガーデン2006-2007シーズン予定 [オペラ(音源・映像・その他)]

来シーズンのロイヤル・オペラ(コヴェント・ガーデン)の予定が発表されました。何と何と、注目作品が満載です!やるじゃん、パッパーノ音楽監督!

ちょっと驚きは、常連のディーマが来ないってことです。来シーズンのリゴレットはやらないのね(^_^;)その代わり?マルチェロ・アルヴァレスが2度来ますね。(こんなこと初めてじゃないですか?>ロンドンの椿姫さん)当然、今シーズンは一度も来ないキーンリーサイドが2度歌うのも楽しみ♪って、こんな先のこと、見れるかどうかも分かりませんが。でもペレアスは何とかして見たい!

それから夏の恒例イベント、コヴェント・ガーデン無料中継のBPビッグ・スクリーン、今年のオペラ中継は「フィガロの結婚」(6月28日)と「トゥーランドット」(7月7日)のようです。「トゥーランドット」は見に行こうか迷っていたので、この中継で良しとしちゃいましょう。ちなみに、アンドレア・グルーバーがトゥーランドット、トリノ・オリンピックの閉会式でカナダ国歌をガンガン歌っていたベン・ヘップナーがカラフです。




まず、開幕は2003年初演のグノー「ファウスト」(マクヴィカー演出)の再々演。マルガレーテは初演同様ゲオルギュー、ファウストは再演で好評だったピョートル・ベツァーラ(Piotr Beczala)ということで中々良さそうです。個人的には、マルガレーテのダブルキャストのケイティ・ヴァン・クーテン(Katie Van Kooten)がとっても気になります!!今シーズンでヤング・アーティスト・プログラム卒業のようですが、これからも声を聴きたいソプラノ歌手です。

9月~10月は新演出のモーツァルト「偽の女庭師(La Finta Giardiniera)」(クリストフ・ロイ演出)。モーツァルトのマイナーなオペラ、気になる歌手はソフィー・コッホ(Sophie Koch)クリストファー・マルトマン(Christopher Maltman)くらいでしょうか。

これと被るように10月中旬まで上演されるのがショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(リチャード・ジョーンズ演出)。ショスタコーヴィチの生誕100周年だから上演するのだそうですが、知ってる歌手はジョン・トムリンソン(John Tomlinson)くらいですねぇ。

マイナーな作品が続いた後の10月後半から11月には、思いっきりメジャーなプッチーニ「ラ・ボエーム」(ジョン・コプリー演出)が登場です。何度目の再演か分からない演出ですが、何とかして見られないかと思うくらいのキャストです!ロドルフォにマルチェロ・アルヴァレス、ミミに大好きなケイティ・ヴァン・クーテンというだけでも大注目ですが、何よりヴァランシエンヌさんが一押しのアレクサンドル・ヴィノグラドフ(Alexander Vinogradov)とヤング・アーティストで一番好きなロバート・グリアドウ(Robert Gleadow)がダブルキャストでコッリーネなんですよ~!ギャー見たい!!絶対それぞれ違うキャラになるのでどっちも見たいです!参考のため写真載せました。っていうか、グリアドウ(右下)が哲学者って…ありえないなぁ~。

          
   東欧風憂い顔(byヴァラリンさん)のヴィノグラドフ(左)とワイルド系のグリアドウ(右) 

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オペラ「フィガロの結婚」@アン・デア・ウィーン劇場(2001年) [オペラ(音源・映像・その他)]

オリンピックも終わって落ち着いたので有意義な時間を過ごすぞ企画(あれ、名前変わっちゃった^_^;)第2弾は、引き続き手持ちの「フィガロの結婚」の映像から、2001年のアン・デア・ウィーン劇場での公演を選んでみました。有名なアバド指揮の1991年の公演ではありません。この時の指揮者はリッカルド・ムーティです。演出は、何とジョルジョ・ストレーレル版を復活させたもので、王道の設定の中にも様々な新鮮な発見がある演出です。伯爵夫婦とフィガロ、スザンナ、ケルビーノの上下関係はかなりあいまいというか、主従というよりは家主と間借り人といった感じです。しかも、各登場人物の動きも激しくてかなり慌しい雰囲気のフィガロで、ドラマではなく、実際にその場に生きている人々を見ている感じです。

ムーティの演奏は、軽快なジョギングというよりはかなり真剣な徒競走(笑)といった感じですが、早くてメリハリのある、私好みの演奏です。小さめの劇場だからか、オーケストラと歌手の声の関係が密接でワクワク感があって、特に2幕中盤からの重唱の連続する場面は何度でも繰り返して聞けそうです。好みに合うとはこういうことを言うのでしょうね。歌手は、まあ、頑固者ムーティの意思も入っているでしょうけど、人気のある中堅どころを揃えた感じです。歌手がかなり指揮者を気にしているのは、やっぱり後で煩いからでしょうか?(笑)

伯爵はキーンリーサイド。この演出(再演出?)では彼らしい=落ち着きの無い伯爵を、まるで水を得た魚のように演じています。私が今まで見た数々の伯爵の中で年齢設定が一番若いですね。よくある中年の伯爵ではなく、正に「セヴィリアの理髪師」の数年後、という感じです。普段は若いながらもお茶目で頭の切れる君主のようですが、相変わらず恋に落ちたら一直線(笑)スザンナを狙われたフィガロが真剣に心配するくらい手が早いです!スザンナは2人きりになるたびに、あっという間に伯爵の腕の中…気絶したスザンナもちゃっかり独り占め(本気でバジリオの頭ひっぱたいてるし^_^;)更にかなり短気で、生意気に口答えするケルビーノもフィガロも、殴る寸前までいきます(夫人には手は上げませんが)。2幕後半はずっと怒りっぱなしなので、何もしていないのに次第にかつらが乱れていくのが分かります(笑)

フィガロのアルヴァレスは豊かな声と顔の雰囲気がフィガロにぴったり(個人的に、ジョヴァンニよりもフィガロかレポレッロで見たい歌手です)。コミカルな演技も上手く、伯爵に手紙のことを尋ねられる場面などでは、烈火のごとく怒る伯爵をおちょくったような演技がとても楽しそう。見てるほうもここは爆笑です。好きな声か?ときかれると違う気がしますが、好きな演技か?と聞かれれば正にその通り!歌いながら動き回ってくれて最高です(^^)

この2人は声質と雰囲気が全く違うし、どちらも役になりきって面白い演技をしてくれるので伯爵とフィガロとしてはぴったりの組み合わせだと思います。

そして、女性陣ですが、スザンナは小柄でかわいらしいリシュニクが舞台狭しと駆け回っています。声や歌い方は好みが分かれそうですが、演技が出来るので私は大満足です(^^)

伯爵夫人はディーナーがやっていますが、気品ある雰囲気と常に漂う哀愁が素敵です。ちょっと演技が硬いのと、身長がずば抜けて高くて周りのキャストとアンバランスなのがちょっとマイナスです(下写真参照)。

   
   左から4人目がフィガロ、スザンナ、伯爵夫人、伯爵、ケルビーノ

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オペラ「フィガロの結婚」@ザルツブルク(1991年) [オペラ(音源・映像・その他)]

日本に帰ってきてから劇場に行く回数はがくっと減りましたが、その代わり(?)懐かしいオペラ映像や映画を見て有意義な時間を過ごすぞ企画の第1弾は、コヴェント・ガーデンで「フィガロの結婚」を見てきたこともあって、「フィガロの結婚」です。かなりの豪華キャストなので勝手に有名映像だと思っていたのですが、DVDにはなっていないようですね。今回久しぶりに見返してみて一番ビックリしたことは…この人→がバルトロだったことです。これが誰かは記事の最後でご確認ください(笑)

この映像で何より好感度大なのは、豪華なお城の構造が見えてくるような装置を使った演出。ケルビーノはしっかりと女装するし、訴訟のシーンもちゃんとしたそういった部屋を作っているし、結婚式のシーンでは大広間にシャンデリアがいくつも吊り上げられたりして、素直に筋を追っていくことが出来ます。舞台装置も衣装もセンス良く、いわゆる「オペラを見た」という気になります(笑)ザルツブルクも豪華絢爛だった時代があるのねぇ~なんちゃって(^_^;)最近の演出がちょっとシンプルすぎるんですけどね!

キャストもはまってます。特にフィガロのフルラネットには、最初に見たときから圧倒されました。声も演技もフィガロにぴったり!ということで、今でも一番好きなフィガロだったりします。そしてそれを迎え撃つ(?)スザンナのアップショーも文句なし!

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ロイヤル・オペラハウスの天井桟敷 [オペラ(音源・映像・その他)]

昨日の記事のコメント欄でコヴェント・ガーデンの天井桟敷(Amphitheatre)についての話題が出ましたので、今日は「セヴィリアの理髪師」のラジオ放送を聞きながら、いつも私が買っている天井桟敷上方(Upper Amphitheatre)がどんな見え方なのかをご紹介します。って、何かツアーガイドみたいですねぇ(笑)ラジオ音源に興味のある方は一部だけですが昨日の記事にファイルをアップしました。

とりあえず、左の写真、水色で囲んだ部分がUpper Slipsで、ちょっと見難いですが黄色い矢印の先の丸印が、私がいつも買っている、「座って見られる中で最安値の当日販売席」です。

右側の座席表でも水色で囲んだ部分がUpper Slips黄色い丸印Upper Amphitheatreの当日券席です。下の4枚の写真はそれぞれ対応した番号の席からの目線です。

ご覧の通り、Upper Slipsは上手と下手の両脇にあります。いわゆる「天井桟敷」という言葉からイメージする座席はこちらの方でしょう。椅子は木のベンチにちょっとしたクッション材が着いているだけで隣の人と譲り合って座るものですし、スペースの幅も狭くて2列しかありません。上の写真で見ると分かりやすいのですが、正に天井近くに無理やり作った感じの座席たちです。

この、音響は最高だけどせまっ苦しいUpper Slipsとは対照的に、Amphitheatreはぐぐ~っと上の奥の方まで続いているのがコヴェント・ガーデンの構造的特徴。椅子もちゃんとした折りたたみ式の劇場椅子ですので、オペラを見るという点では、大分楽です。

 
 

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オペラ「魔笛」@コヴェント・ガーデン(2003年) [オペラ(音源・映像・その他)]

Die Zauberflote (Dol) このブログに来てくださっている方は「またこれ?」と思われるかもしれませんが、実はあれほど頻繁に話題に出しながら内容について語っていなかったので、デヴィッド・マクヴィカー(David McVicar)演出のコヴェント・ガーデンの「魔笛(Die Zauberfloete)」についてまとめてみました。あらすじは…省略。今回は本当に省略です(笑)あんなメンドクサイ筋を書けるかっ!


 


   

この演出、全体的に暗いです。いつものマクヴィカーです(笑)が、本人が「今までで一番の出来」と語っている通り、シンプルな中になかなか個性の出た演出です。照明の使い方も分かりやすくて綺麗だし、メルヘンの部分と現実的な部分が上手く混ざっていて、役それぞれの性格も好き嫌いは分かれるでしょうけど、しっかりと描き分けられています。この演出は歌手だけじゃなくダンサーが大活躍なのですが、上手な使い方だと思います。序曲の間は黒い衣装のダンサー達が光の玉を持って客席のあちこちに登場しますが、実際に体験すると暗い客席に光が散らばって綺麗でした。冒頭にはちゃんとでっかい蛇が出て来ますが、ここも中国のお祭りに出てくる竜の張りぼてのようなもの(ただし色は黒)を、ダンサーが操ってタミーノを取り囲んだりして面白いです。パパゲーノが捕まえようとする鳥もダンサーが操ってます。その他にも、魔笛に引き寄せられて出てくる動物達は顔だけ動物のマスクをつけたダンサー達。こうして書くとギャグっぽいですが、振り付けのお陰か、すんなり「動物」として見れます。更に、火と水の試練ではタミーノとパミーナの後ろでダンスを踊ってその様子を表したり、最後まで大忙しです。

この演出で特に好きなシーンは、パミーナとパパゲーノの二重唱。マクヴィカーが「ここは音楽が素晴らしいから演出はいらない。ってことで、歌手には舞台の前で座ってもらった」と言うとおり、がらんとした舞台の真ん中に二人だけ座って歌われるこのシーンは、実際に劇場で見るとかなり感動的でした。映像だとその効果がいまいち伝わりにくいですけどね。音楽的にもパミーナの声とやさしく重なるパパゲーノの声が心地良いです。他には、寺院とモノスタトスの手下(モノスタトスも含めて皆白人)の中に子供がいるのが気に入ってます。

      

衣装はパパゲーノとパパゲーナと3人の童子以外は中世ヨーロッパ風。国は特定できませんし、タミーノもヨーロッパの貴族っぽい服を着ています。3人の童子は19世紀後半のストリートチルドレンといった感じですね。パパゲーノたちの衣装は現代。汚いスーツにアヒルの編みこんであるベストにアヒルのくっついた帽子のパパゲーノと、ピンクのキャミソールにミニスカートのパパゲーナは、そのほかの中世ヨーロッパにメルヘンを足したようなキャラたちから激しく浮いています(笑)これは、観客をこの2人に同化させる為でしょうか。確かに、パパゲーノの言動は現代人でも日常的に感じていることなので、こういう「身近さ」を強調することで、このごちゃっとしたオペラを分かりやすくすることには成功していると思います。パパゲーノがパパゲーナに押し倒されてるしね(笑)

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「ドン・カルロ」:史実と戯曲とオペラ [オペラ(音源・映像・その他)]

さて、「ドン・カルロ」祭の第3弾です(笑)今回も長いです。お時間のあるときにどうぞ。

第1弾:オペラ「ドン・カルロス」
第2弾:「ドン・カルロ」と「ドン・カルロス」

今回は宙ぶらりんで終わっていた「史実」と「戯曲・オペラ」の比較をもう少し突っ込んでしてみようと思います。

まず史実について。第1弾の記事でも少し触れましたが、「ドン・カルロ」の主要登場人物はポーザ卿ロドリーゴ以外は全て実在人物です。とはいえ、シラーが戯曲にする時に設定を大幅に変えています。この作品は「ドン・カルロ」といいつつ実質フェリペ2世←の治世の話なので、ここでは彼を中心にまとめてみました。史実なので、名前の表記はスペイン語発音に沿ったカタカナ表記にしています。(フェリペ→フィリポ、カルロス→カルロ、イサベル→エリザベッタ)



フェリペ2世はイサベルと結婚した当時まだまだ男盛りの32歳(既に2度結婚済:彼が17歳の時に生まれたドン・カルロス→は最初の妻との子)
・フェリペとの結婚当時イサベルは13歳、カルロスは14歳(^_^;)
・当然カルロスとイサベルは、イサベルがスペインに来るまで見識がなかった
エボリ公女(本名アナ・デ・メンドーザ)→はフェリペ2世の公認の愛妾
・発狂したカルロスはフランドルを支援して王に反乱を起こす直前に逮捕、監禁されてそのまま獄中死(1568年、享年23歳)
・イサベルも1568年に22歳で死去


カルロスが実際フランドルの独立運動と関係していたというのが興味深いですが、こうしてみると、な~んだ、シラー設定変えすぎじゃん、と思っちゃいますね。ですが、イサベルがカルロスの許婚だったのは事実です。ただし、当時ヨーロッパ最強国のスペインにフランスが血縁関係を結びたかっただけの政略的な許婚だったので、フェリペの2人目の王妃メアリー1世(カクテル「ブラッディー・メアリー」のモデル、イングランド女王)が亡くなると、彼女の妹エリザベス(後のエリザベス1世)がフェリペの求婚を断ったので、繰り上げでイサベル←が王妃として嫁ぐことになります。イサベルとしては、どうせ将来的にはスペインに行くことになっていたし、王とも王子とも面識が無いのだから、ちょっと婚礼時期が早まっただけ、関係ないわ~という感じだったでしょう。まだ13歳だし(^_^;)19歳年下の妻をフェリペは可愛がったようで、それなりにいい関係だったようです。ここも戯曲・オペラとは違いますね。

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